ケアマネジャー わたしの合格体験記(第3回)

2025.08.21

2024年10月(第27回)ケアマネ試験を受験、合格された方にインタビュー

ケアマネとは何か……。
人はなにゆえケアマネを目指すのか……。
その謎を解き明かすため、我々取材班はMさんの元へと向かった――!!


……ど、どうでしょう? こんなイントロで。

うーん……。
そうですねぇ…………ミステリアスでいいんじゃないでしょうか?

どこかで聞いた気がしますけど。

ほ、ほら……よく言うじゃないですか。
小説は書き出しが大事だって。そこで惹きつけなきゃだって。

もちろん、イントロだけでなく、
中身も充実したインタビューとなるよう努めさせていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

はい。
よろしくお願いします。


Mさんの基本プロフィール
  • 合格した試験:ケアマネジャー試験(2024)
  • 職    業:理学療法士
  • 性    別:女性
  • 現    在:ケアマネ実務研修受講中
  • 継  続  中:10年日記、ヨガ(ルーシーダットンで調べてみてね!)

ケアマネジャーを目指したきっかけ

ではさっそく、ケアマネを目指したきっかけを伺いたいのですが、
職業欄の「理学療法士」と大いに関係がある感じですか?

大いに関係がある感じです!
他にもいろいろな背景はあるのですが、理学療法士としての経験のお話をするのがいいかと。

私、理学療法士としてトータルで10年ぐらい病院で働いていたんですが、
デイケア、老健、訪問看護……といった、
在宅寄りのフィールドで働いていた期間の方が長いんです。

そのうち特に、訪問看護事業所で、ケアマネとのつながりを意識するようになったことが、
今回のケアマネ試験受験のひとつのきっかけです。

フィールドが変わると、見えるものも変わってくる感じですね。

ええ。その通りです。
ケアマネとのつながり、というのもそのひとつですが、
「病院」と「在宅」のある違いから、私は「在宅」の楽しさを見つけました。

……ズバリ、「その人の暮らしにあわせるおもしろさ」というものです。

!!
ケアマネ受験の動機にハッキリとつながってきた感がありますね。

病院だと、その病院での治療だったり、方法だったりという側面があったりします。

一方で、在宅だと、その人はその場所に住んでるわけですから、
暮らしがそこにあるんですよね。

布団の畳み方一つとったって、普段と異なる畳み方をすると混乱される方もいらっしゃいます。

こういった、
暮らし方一つひとつを整えていくことの大切さ、面白さに気がついたことが、
ケアマネを目指したきっかけと言えるかな、と。

  

その人にあったサービスの組み合わせを考える。
ケアマネのお仕事がまさにマッチしていると言えそうですね。
ありがとうございます。


勉強方法(いかにして合格したか)

続けて、勉強方法、合格の秘訣を伺っていきたいと思います。
いつ頃から、どのような勉強をされていたのでしょうか。

2024年1月から、ですね。
私、10年日記というものをつけていて、これに毎年の目標を書く欄があるんです。
「ケアマネ試験を受ける。合格する」
これを2024年の目標として立てたことが、私のケアマネ受験スタートです。

じっくり勉強タイプですね。
どのような勉強をされていたのでしょうか。

まずはですね。きっちりスケジュールをたてました。
最初にとった戦略は『ワークブックを3周読もう!』作戦です。

平素より、小社刊行物におきましては、格別のご高配を……

って、いきなりビジネスモードにならないでください。
言いましたよね。「最初にとった戦略」って。
実はこの作戦は失敗してしまったんです。

Σ(゚д゚lll)ガーン

こちら、わたしのスケジュールと勉強記録です。
右側が、ワークブックの読破記録です。

3周目の途中で力尽きています。
私、朝活は得意ですので、
『朝にインプット意識で読み、夜寝る前に振り返る』というスタイルで進めてたんですけど、
途中で、ワークブック以外の方法を取り入れた方がいいかも? 
という気持ちが過ぎり、ワークブック作戦から変更しました。

それが、この画像左側の過去問ですかね。

ええ、そのとおりです。
画像は『過去問』の取組記録ですが、他の問題集にも取り組みました。
これに、要点がまとまった書籍を組み合わせて、
インプットアウトプットのバランスをとっていきました。

バランスをとる。とっても大事ですよね。
ありがとうございます。


ケアマネについて

そういえば……。
Mさんは、今、現在進行形で実務研修を受講されているのですよね。

間もなくケアマネとしてもお仕事ができるようになるMさんですが、
ケアマネのお仕事ってMさんからはどんな風に見えるのでしょう?

理学療法士のお仕事との違い、といった点でお聞かせいただければ。

『ケアマネになると、チームをまとめる側として、クライエントとかかわるようになる』
理学療法士としては、チームの1メンバーとしてかかわってきたように感じるので、
ここが大きな違いなんだと感じています。

前提の確認ですが、ケアはチームで取り組むものですよね。

『多職種連携』と言いますよね。

ええ。
色々な方たちが力をあわせてクライエントにかかわるうえで、
私は「チームでの行動には、ケアマネの考えや価値観が強く反映される」と感じています。

先ほど、布団の畳み方のお話をしました。
そういった一つひとつを、私はていねいに掬い上げていきたいと思います。

とはいえ、クライエントの想いすべてを叶えることは難しい 
チームでかかわっても、どうしてもできることできないことが生じます。      
  
    そういった制限があるなかで、
その人らしさ」を成立させる。

これがケアマネのお仕事で、
ケアマネの考えや価値観が現れる、やりがいとも言える部分なのだろうとも思います。

ありがとうございます。
「その人らしさ」の成立。ケアマネを体現する言葉だと思います。

とはいっても、これはかなり難しいことだと思います。
答えがない仕事ですから、ここに難しさだけでなく、面白さを見出せるか……。
ここがポイントなのだと思います。


これから受験される方へのメッセージ

では最後に、受験者へのメッセージをどうぞ!

「全部つながっている」
ズバリ、これですね。

ズバリ! と言いきってくださいました。
ぜひぜひ詳しくお聞かせください!

わかりました。
うまく伝わるようがんばりますので、ぜひぜひついてきてくださいね。

受験の動機にもかかわる部分です。
先ほどは理学療法士としての経験をベースに、ケアマネを目指したきっかけをお話ししましたが、それだけじゃないんですよね。

例えば、
家族が『ケアマネ』の資格を持っていて、実際にケアマネとして働いているのを見ていたこと。
同居の祖母がアルツハイマー型認知症になり、介護が大変だったこと。
理学療法士として働くなかで、『身体が整うと心も整ってくるなぁ』という感覚があったこと。
ヨガもまさに、『身体が整うと心も整う』の系譜であると感じたこと。

そういった、いろいろな経験、この目で見てきた物事が、
奥底で「つながっている」感覚。


私の場合は、これらにハッキリとつながりを感じるのですが、
人それぞれ、経験してきたことも違いますし、感じ方も異なります。

この、あなた自身の「全部がつながっている感覚」を見つめなおし、大切にすること。
そうすれば、この感覚が、
強い動機として、受験勉強を進めるあなたを最後まで支えてくれると、私は思います。


おわりに

Mさんは、実務研修の最中とのことですが、
実務者研修ってやっぱり大変なんですよね?

なかなか大変ですよ。
講義動画を家で見るのが基本で、時々、1日かけてのグループワークが入ります。

働いているなかで学習を進めなければならないので、うまく時間をつくらなければなりません。

なるほど……。
そんなお忙しいなか、今日はMさんにお時間をいただき、お話を伺いました。

Mさんの思慮深さを、言葉の節々や考え方から感じるインタビューでした。
ありがとうございました。

ありがとうございました!

……思慮深いだなんて。
後でオススメの小説をお教えしますね。

あっ! ぜひぜひ……。私のオススメもその後……