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ファイナンシャルプランナー太田差惠子の「お金のチカラ」

「呼び寄せ」に思う

 先日、ある自治体の保健師の方とお話する機会がありました。その自治体では若夫婦が田舎の親を呼び寄せて同居に至るケースが多いとか。
 しかし、こちらにきても馴染めないことが多いらしく、「引きこもり」になってしまうことが珍しくないというのです。

 保健師さんが懸念するのは、呼び寄せる親が向こうでどのような暮らしをしているかを子が考えようとしないこと。恐らく、長年生活の場となっている地域で、いろいろな人と交流し、なにがしかの生活リズムができあがっていたはずです。ところが、それには目を向けず、こちらに連れてくる。

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 以前、インタビューでお年寄りからこんなことを聞いたことがあります。
 「息子が一緒に暮らそうと言ってくれる。ほんとうは行きたくないが、いま断ればいざとなったときに困る。誘ってくれているうちに、行こうと思う」
 なんとも寂しい発想だな、と気持ちが重くなったことが忘れられません。

 続けて思い出すのは、都内の特別養護老人ホームに見学に行ったときのこと。比較的お元気な老女に話しを聞こうとしたところ九州弁が聞き取れず、会話が成り立たず申し訳ない気持ちになりました。老女がひとりでポツリンとしていた理由が読めた気がしました。

 かといって、その保健師さんも呼び寄せを否定しているわけではありません。子の視野がいくぶん狭いことへの懸念があることは確かのようだけれど。一方で、子が親のことを大切に思っていることも確かだから。

 どこでどう暮らすか。
 難しいテーマで容易に解決策はみつからない。
 保健師さんの話しを聞きながら、ドラエモンの「どこでもドア」があれば、自宅と親の住まいを行ったり来たりできるのに…、と夢のようなこと(現実逃避)を考えてしまいました。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
太田差惠子
(おおた さえこ)
AFP(日本FP協会会員)、介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ(離れて暮らす親のケアを考える会)理事長。高齢化社会においての「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点からの新しい切り口で新聞・雑誌などでコラム執筆、講演活動等を行う。2007年6月に『故郷の親が老いたとき―46の遠距離介護ストーリー』(中央法規出版)を上梓。
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