高齢者・障害のある人を消費者トラブルから守る! 家族と支援者のための「気づき」と「声かけ」

2026/05/26

全国の消費生活センターに寄せられる相談は年間約90万件に上りますが、実際に相談する方は被害者のわずか4割弱にとどまると言われています。特に近年は、高齢化や社会のデジタル化を背景に、高齢者の「お金」「健康」「孤独」への不安につけ込んだり、デジタル機器に不慣れな高齢者や障害のある人を狙った悪質なトラブルが急増しています。 こうした被害から大切な人を守るためには、ご家族や支援者、地域の方々による日頃の「さりげない見守り」が欠かせません。ちょっとした変化に「気づき」、適切に「声かけ」をして消費生活センターへつなぐためのポイントをご紹介します。

 

著者プロフィール
 

公益社団法人 全国消費生活相談員協会

1977年に全国で初めての消費者問題の専門家集団として発足。全国自治体などの消費生活相談窓口で、相談業務などを担っている「消費生活相談員」を主な構成員とする団体です。消費者の権利を守るための相談・助言を行う専門職である消費生活相談員の支援を中心に、研修や情報提供、調査研究など多岐にわたる活動を展開しています。

 

高齢者・障害のある人が巻き込まれやすい消費者トラブルとは?

なぜ狙われやすいの?

 高齢者は、「お金」「健康」「孤独」の3つの大きな不安を持っているといわれています。悪質業者は言葉巧みにこれらの不安をあおり、親切にして信用させ、年金や貯蓄などの大切な財産を狙っています。また、認知症や認知機能の低下が進んだ高齢者は、自分の判断能力が十分でないために、悪質な事業者や詐欺グループのターゲットになりやすい傾向があります。

 

 

 知的障害や発達障害のある人は、情報の理解や判断に困難を抱えることが多く、「計画を立てて行動する」「先のことを考える」「欲求をコントロールする」といった行動が苦手な傾向があり、欲しい物を衝動的に買ってしまうなどの特徴があります。

 


代表的なトラブル事例

訪問販売や電話勧誘販売

 「無料で点検します」と突然自宅を訪れ、「屋根瓦が今にも落ちそうです」と不安をあおって高額な屋根修理の契約をさせる「訪問販売(点検商法)」や、「不用品を買い取ります」と言って訪問し、強引に貴金属を安値で買い取っていく「訪問購入(押し買い)」などの被害が発生しています。また、海産物などを執拗に勧誘し、断っているのに一方的に商品を送り付けて代金引換で支払わせる「電話勧誘販売」も問題となっています。

 

 

被害を防ぐための「気づき」と「声かけ」

こんなサインに要注意!

 トラブルを未然に防いだり、早期に発見したりするためには、家族や支援者、地域の方々による「さりげない見守り」が不可欠です。

 

 次のような様子が見られたら、トラブルに巻き込まれているかもしれません。

 

 

・家の外観・玄関:見慣れない業者の車が頻繁に止まっている、玄関に未開封の段ボール箱がたくさんある。

 

 

・家の中の様子:カレンダーに見慣れない書き込みがある、部屋に同じ健康食品の箱がたくさんある、見慣れない開運グッズが置かれている。

 

・本人の様子や発言:そわそわして落ち着きがない、お金の心配をしている、「親切な人が来てくれた」「業者が買い取ってくれて助かった」と話している。

 

相手を責めない「寄り添う声かけ」を

 消費者被害に遭っている人と向き合うときは、その人の尊厳を大切にした声かけが欠かせません。「だまされていますよ」「どうしてそんな契約をしたのですか?」と頭ごなしに否定したり責めたりすると、相手は心を閉ざしてしまいます。「心配だったのですね」「本当に信用できますか?」「解決方法を一緒に考えましょう」と、相手の不安な気持ちに寄り添い、安心して相談できるような言葉をかけましょう。

 


困ったときは消費生活センターへ

 「もしかして、トラブルに巻き込まれているのでは?」と感じたら、できるだけ早く相談することが大切です。早い段階で動くことで、被害を未然に防ぎ、被害の回復や救済につながる可能性が高くなります。 最寄りの消費生活センターがわからない場合は、「消費者ホットライン 188(いやや!)」を利用してください。

 

もっと詳しく知りたい方はこちら

 

 本記事は、的場隆之氏の著書『図解でわかる高齢者と終活』を参考に作成しました。終活の基礎用語から、生前整理、終末期の医療、看取り、遺言と相続まで、図解で分かりやすく解説されています。

 

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