2026年12月施行!こども性暴力防止法施行準備検討会
2026/05/20
第12回こども性暴力防止法施行準備検討会について紹介します。
こども性暴力防止法の施行に向けた対応を解説
2026年4月23日、第12回「こども性暴力防止法施行準備検討会」が開催され、こども性暴力防止法の施行に向けた具体的な工程表や研修資料などが示されました。
2024年6月に成立した同法は、教育・保育などのこどもに接する場での性暴力を防ぐためのものであり、2026年12月25日に施行される予定です。
本記事では、事業者が施行までに対応すべき事項や、従事者向け研修の概要、検討会であがった意見について解説します。
施行までに事業者が行うべき対応
法の施行に向けて、対象となる事業者は以下の準備を計画的に進める必要があります。
・GビズID取得と事業者情報登録
国が整備するシステムへの事業者情報登録が必要となります。それに伴い、法人の運営者等はシステムを利用するための「GビズID」を事前に取得しておく必要があります。手続きをスムーズに行えるよう、夏ごろを目途にシステムのアカウント登録や犯罪事実確認の手順をまとめたマニュアルが公表される予定です。
・制度の周知と規則の見直し
制度の内容(犯罪事実確認の対象になる旨など)を従事者等へ周知し、対象となる従事者の範囲や「不適切な行為」の範囲を確定させます。また、就業規則(懲戒事由等)や採用募集要項等の見直しも求められます。
・体制整備とルールの策定
相談窓口の設置など安全確保のための体制を整備するとともに、性暴力事案の疑いが発生した際の「報告・対応ルール」を策定し、組織内に周知する必要があります。
従事者向け研修の実施について
法に基づき、事業者は対象業務への従事者に研修を受けさせる必要があります。これに伴い、国から研修教材が公表されました。
・標準動画を用いた研修
従事者が理解しておくべき標準的な内容を網羅した動画です。原則として、この標準動画を用いた研修を受講させる必要があり、動画の内容を解説・補足する「研修資料」も提供されています。
・要点動画の活用
不定期や短期間で従事する者など、標準研修の受講が直ちに困難な場合には、最低限必要な事項を網羅した「要点動画」を用いた研修とすることが可能です。
・演習資料や確認テスト
知識の定着を確認するための「確認テスト」や、こどもへの性暴力加害者が陥る「認知の偏り」をシミュレートして議論を深める「演習資料」も用意されており、これらを取り入れた実践的な研修が推奨されます。
事業者向けの解説資料と対応ポイント
事業者が運営していく際にも、制度理解や適切な措置の実施を促すための解説資料が提供されています。
・安全確保措置と情報管理措置
事業者は、こどもへの性暴力の早期発見や、疑いを把握した際の初期対応といった「安全確保措置」を実施する必要があります。また、性犯罪歴の記録を適切に取り扱うため、組織的・人的・物理的・技術的な「情報管理措置」の体制整備も求められ、これらを解説する動画や手引きが用意されています。
・性暴力を受けたこどもへの対応
被害を受けたこどもへの対応では、情報や客観的証拠の保全、こどもへの聴き取りなどにおいて、弁護士や心理職などの専門家と連携した「こどもファースト」の対応が重要となります。
・保護者とのコミュニケーション
事案発生時は、被害を受けたこどもの保護者だけでなく、他の保護者に対しても、SNS等でのうわさの発生・拡散の防止に留意しつつ、理解・協力を得るためのコミュニケーション(保護者会の開催など)が非常に重要です。
検討会構成員からの主な意見
法の施行に向けた実務的な枠組みが示された一方で、検討会の構成員からは、現場が抱える不安や課題についても切実な意見があがりました。
「そもそもどのような制度なのかわからない」「人手不足で制度を正しく運用できるか不安」「カメラ設置などの費用」などの現場における課題のほか、保護者などの一般の方に伝わる表現でわかりやすい説明が必要であることや、自治体の人事や弁護士の相談対応など制度整備を求める意見があがりました。
今後、国としても丁寧な周知、制度説明の機会を積極的に行っていくことが示されました。
まとめ
こども性暴力防止法の施行に向けて、システム登録や就業規則の見直し、従事者への研修の実施など、事業者には多岐にわたる対応が求められます。
国からは、各種研修教材や解説資料、保護者やこども向けの周知資料など、制度理解に役立つ多くの資料が公表されています。事業者においては、組織全体でこどもを守るための体制づくりを計画的に進めていくことが不可欠となり、現場の職員一人ひとりが制度を正しく理解し、安全・安心な環境を提供できるよう、早めの準備が必要となります。
本検討会の資料、アーカイブ映像は こども家庭庁ホームページ に掲載されています。
