民生委員と「防災」「災害」 日頃から備えておきたい知識と行動を紹介!
2026/03/02
いつ起こるかわからない災害に対して、民生委員はどのように備え、活動すればよいのでしょうか。日本は地震や台風などの自然現象が起こりやすい特性をもっています。
本記事では、「災害と防災の基礎知識」から「避難の方法」まで、民生委員として知っておきたい重要なポイントを解説します。
【記事の監修者】
小林 雅彦(こばやし まさひこ)
国際医療福祉大学大学院教授
1 災害と防災の基礎知識
まず、「災害」と「防災」という言葉の定義を正しく理解しておくことが重要です。
災害とは、異常な自然現象で被害が起こることを指します。台風や地震などの異常な自然現象そのものではなく、それによって人的、物的を問わず何らかの被害が生じた場合に使われる言葉です。災害対応の根幹となる法律として「災害対策基本法」があり、国や自治体、住民の役割が定められています。
一方、防災とは、被害の未然防止、被害の拡大防止、復旧を図ることの3つを含めた幅広い取り組みを指します。
防災力は、自分や家族を守る「自助」、地域住民が助け合う「共助」、行政が行う「公助」が連携することで発揮されます。建物の耐震化といったハード面だけでなく、避難訓練や知識の習得といったソフト面の対策も不可欠です。
2 災害時の基本的な役割
災害時に民生委員が活動するうえで、一番大切なことは「自分や家族の安全確保」です。自らの安全が最優先であり、それが確保されてはじめて、地域の高齢者等を支援することができます。
民生委員の基本的な役割は、災害時であっても平常時と変わらず、「話を聴くこと」と「つなぐこと」です。住民の不安な気持ちを丁寧に聴き、自力で対応できない困りごとを顕在化させ、適切な専門機関やサービスにつなぐことが求められます。
また、災害時の民生委員活動では、「弱い立場の人や後回しにされそうな人のことを考えて行動する」姿勢が重要です。一方、民生委員自身が被災者になることもあるため無理をせず、活動を通して精神的に疲弊しないよう、民生委員同士の助け合いも欠かせません。
3 地域防災計画と地区防災計画
市町村が作成する地域防災計画に加え、近年では地区の住民や事業者が主体となって作成する地区防災計画の重要性が高まっています。これは共助による防災活動を強化するためのものです。
4 ハザードマップ、マイ・タイムライン
ハザードマップを入手し、地域のリスクを具体的に把握することも欠かせません。ハザードマップには洪水、土砂災害、津波などさまざまな種類があります。マップを手に実際に地域を歩き、避難経路の危険箇所を確認することが大切です。
また、マイ・タイムラインの作成も有効です。これは「自分が、いつ、何をするかを決めておく行動計画」です。民生委員としては、「自分と家族のこと」と「民生委員の役割」の両方を組み込んだ「民生委員版マイ・タイムライン」を作成しておくと、いざという時に慌てずに対応できます。
5 避難の方法
次のように避難の方法は多様化しています。
- ・指定された避難場所や避難所に行く「立ち退き避難」
- ・安全が確保できる親戚や友人宅へ行く「縁故避難」
- ・自家用車にとどまる「車中避難」
- ・自宅の2階以上など安全な階に留まる「屋内安全確保」
私たちは「避難=避難所に行くこと」と思い込みがちなところがあります。状況に応じて最適な避難方法を選択することの重要性を日頃から意識しておくことが大切です。
本書では地域の視点からの取り組みや、特に配慮が必要な人に対する支援などについても解説しています。日頃からの備えと正しい知識をもとに、災害時の適切な行動につなげていきましょう。
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