介護報酬 障害福祉サービス等報酬 臨時改定

2026/01/15

 2026年度は、物価・賃金高騰への対応を主眼とした臨時の報酬改定が行われることとなりました。 ①人材確保に直結する賃上げの早期実行、②物価高等で悪化する経営環境への手当て、③制度費用の伸びへの対応(メリハリ付け)をねらいとして、2026(令和8)年6月からの実施が予定されています。
 定期改定が、サービス体系・算定要件・単価など「報酬全体」を広く見直すのに対し、今回は処遇改善を中心とした改定となっています。


介護報酬の臨時改定について

背景

 介護分野の人材不足、他産業との賃金格差、物価高によるコスト増が重なり、賃上げ原資の恒久化が課題となっていました。

 

改定の骨格

◎改定率:+2.03%
 介護職員等処遇改善加算の拡充(賃上げ原資の上乗せ)が実施されます。賃上げイメージとしては、月1万円を基本に、取組みに応じた上乗せが想定(協働化・職場環境改善等)されています。介護職員処遇改善加算の対象が拡大され、訪問看護や居宅介護支援も対象に含まれることになります。

 また、食費の基準費用額見直しも実施されます。介護保険施設等における1日あたりの食費の基準費用額が引き上げられることになります。

 

改定時期及び令和7年度中の対応

 報酬改定は、2026年6月算定分から適用される予定となっています。
 2026年5月までの間、賃上げに向けた取組等に必要な緊急の措置として、令和7年度補正予算を用い、令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業による処遇改善が実施されます。
 2025年12月25日に、「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」(老発1 2 2 5第3号)が発出され、「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業 実施要綱」を定めて2025年12月16日から適用することが通知されました。


障害福祉サービス等報酬の臨時改定について

背景

 障害福祉分野でも人材不足・賃金水準の課題が続く一方、給付費の伸びが大きく、賃上げ支援とあわせて、分野・類型により費用適正化の観点も強まっていました。

 

改定の骨格

◎改定率:+1.84%
 処遇改善(ベースアップ)を主眼とした改定を実施します。賃上げイメージとしては、月1万円を基本に、取組み等により上乗せが想定されています。
 もう一つの柱として、新規指定事業所の基本報酬の見直し(引き下げ)が実施されます。就労継続支援B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービスの4サービス(6月以降に新規指定される事業所)がその対象とされています。なお、就労継続支援B型に関しては、加算の仕組みを悪用した事例も見られたことから、就労移行支援体制加算の算定要件が見直されます。

 

実施時期及び令和7年度中の対応

 報酬改定は、2026年6月算定分から適用される予定となっています。
 2026年5月までの間、賃上げに向けた取組等の緊急措置として、令和7年度補正予算を用い、令和7年度障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業による処遇改善が実施されます。
 2025年12月26日に、「障害福祉分野の職員の賃上げ支援事業の実施について」(障発1 2 2 6第7号)が発出され、「障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業 実施要綱」を定めて2025年12月16日から適用することが通知されました。


まとめ

 2026年の臨時改定は、介護・障害福祉ともに「賃上げの早期実行」を中核に据えつつ、障害福祉では新規指定への限定的な基本報酬見直しが加わるなど、メリハリ付けも同時に進みます。
 現場では賃金配分ルールや届出・実績報告など運用面の準備が重要になります。2026年6月の切り替えに向け、加算設計・賃金配分・社内外説明などの準備を今からしておくとよいでしょう。


補足:報酬改定の議論について

 通常の報酬改定は3年ごとに行われます(定期改定)。2024年度に直近の報酬改定が行われたため、次回の本格的な報酬改定は、2027年度(令和9年度)となります。
 現在、介護報酬に関しては、 社会保障審議会介護給付費分科会 で、障害福祉サービス等報酬に関しては 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム で、2027年度の改定に向けた議論が進められており、議論は引き続き行われます。
 最新の情報や詳細な資料については、厚生労働省やこども家庭庁の公式ウェブサイトでご確認いただけます。