悩める介護リーダーへ より良い職場にするための介護リーダー7つの勘所!

2025/07/02

 介護リーダーの仕事には、その成功を左右する7つの「勘所」があります。これらは、介護現場で質の高いケアを継続的に提供し、チームを効果的にマネジメントするために不可欠な項目です。
 ここでは、それぞれの勘所を簡潔に説明します。


1. 業務を組み立て、指示を出す

 介護リーダーは、現場の業務内容を深く理解し、その中で見つかる問題点を明確に整理する役割を担います。そして、新人も含めた全スタッフが迷うことなく業務を遂行できるよう、具体的な業務マニュアルを作成します。
 作成したマニュアルは、リーダー自身が実践してその適切性を確認し、定期的に見直すことで、働きやすい職場と効率的かつ質の高いケアを実現していくことが求められます。

 

2. 会議に参加して、決定事項を実行する

 会議は、単なる情報共有の場ではなく、関係者が集まって相談し、組織やチームとしての方針を決定する「意志決定機関」です。
 介護リーダーは、会議に積極的に参加し、議題について深く議論を重ね、チームの新しい価値を見出すことを目指します。
 会議で決定した事項は、責任者からの命令と同等とみなされるため、リーダーはこれを正確にスタッフに伝え、現場で確実に実行させる責任があります。

 

3. 勤務表を作成する

 勤務表は、利用者一人ひとりの「その人らしい生活」を実現するための時間、空間、そして共に過ごす仲間(スタッフ)を計画する基盤となります。
 良い勤務表は、スタッフの健康を守り、サービスの質と継続性を確保し、さらにリーダー自身の「やりたい介護」(介護観)を反映させるものであるべきです。
 希望休の調整や業務以外の活動時間(会議、研修など)の確保も考慮し、バランスの取れた作成が重要です。

 

4. 就業規則を使いこなす

 就業規則は、施設や事業所においてスタッフが安心して「プロの介護」を行うための職場内のルールです。
 介護リーダーは、給与や勤務時間などの労働条件、職場規律に関する規則を深く理解し、スタッフからの質問に答えられるようにしておく必要があります。これにより、スタッフをサポートし、働きやすい職場環境を構築するための根拠となります。
 また、不適切な行動があった場合には、就業規則に基づいた指導や処分を行うための重要な道具ともなります。


5. 記録を活用する

 記録は、ケアの質の保護、法的根拠の確保、そしてスタッフを責任追及から守るという、三つの重要な意味と価値を持ちます。
 介護リーダーは、日々の記録を通じて利用者や共に働くスタッフの状況を把握し、他職種の記録も活用してより深い支援へとつなげます。また、記録はケアプランやサービスプランに反映されるべきものであり、行政指導への対応など、介護の質と信頼性を高める上で不可欠です。リーダーは、記録の重要性をスタッフに伝え、その活用を促す必要があります。

 

6. 申し送りを行う

 申し送りは、介護に関する情報を収集し、共有し、検討する場であり、これからの介護の方向性を見出すための重要なプロセスです。
 介護リーダーは、申し送りの時間や場所を確保し、短時間で集中力を高めるセレモニーとなるよう心がけます。多職種が参加できるように配慮し、ホワイトボードやノート、パソコンなどのツールも活用して情報が正確に伝わるよう工夫することで、職員のスキル向上にも繋がります。

 

7. 面談を実施する

 面談は、介護リーダーとスタッフが1対1で、互いの思いや考えを伝え合い、理解を深めるための個別的なコミュニケーション手段です。リーダーは、スタッフの話したいことを引き出し、傾聴し、受け止めることで、スタッフに安心感を与え、成長を促すことを目的とします。
 定期的な面談を通じて、スタッフの希望を把握し、課題を明確にして共に目標を設定することで、職場の安定と個々の成長を支援します。


図 介護リーダー7つの勘所


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