今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会 第1回「今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会」について紹介します
2025/06/10

今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会について
令和7年5月21日に第1回「
今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会
」が開催されました。
障害児入所施設の多様化する利用者像(被虐待児、強度行動障害児、医療的ケア児等)と社会的養護施策との関係性を踏まえ、その役割を整理し、次期障害福祉サービス等報酬改定や制度改正を見据えた障害児入所施設の具体的な在り方について検討することを目的とした検討会です。
1.障害児入所施設における現状と課題
障害児入所施設については、平成24年の児童福祉法改正において障害種別ごとの体系から「福祉型」、「医療型」に再編されて以降、検討会の報告を踏まえ、その在り方について一定の方向性が示されてきました。
近年は、令和4年の児童福祉法の改正により、障害児入所施設に入所する児童の移行調整の責任主体の明確化と、必要な場合には23歳に達するまで入所継続を可能とする制度的枠組が構築されたほか、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定では、小規模化等による質の高い支援の提供の推進等の加算の充実が図られました。
一方、障害児入所施設の利用者像は、被虐待児、強度行動障害を有するこども、医療的ケア児など多様化しています。こうした中で、社会的養護施策等との関係性も踏まえた障害児入所施設の在り方を具体的に検討する必要があり、この検討会が開催されることとなりました。
図1 これまでの障害児入所施設関連施策の経緯
出典:こども家庭庁支援局障害児支援課「第1回今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会」(参考資料1)P.5
2.主な検討事項
主な検討事項として、次のようなものがあげられました。
①利用児童の状態像を踏まえ、障害児入所施設での暮らしについてどのような生活を目指すのか。
②利用児童の状態像に応じた施設類型の在り方について整理する。
③障害児入所施設を利用する児童の家族への支援についてどのように考えるか。
④障害児入所施設が果たすべき地域支援機能について整理する。
⑤障害児入所施設と社会的養護施策との役割についてどのように考えるか。
ケアニーズの高い児童へのさらなる支援強化や施設における意思決定支援の推進、障害児とその家族の在宅生活への移行に際するアフターケアなど、障害児入所施設の役割と支援の在り方の検討が行われます。
各種調査、ヒアリング等を実施し、福祉型、医療型の類型別のワーキングを経て、今年度中に報告書がとりまとめられる予定です(今後変更の可能性あり)。
図2 今後の進め方
出典:こども家庭庁支援局障害児支援課「第1回今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会」(資料2)P.1
3.主な意見
構成員から出た意見としては、「社会的養護施設と障害児入所施設の役割は重複している部分も多いので、いかに連携していくかが重要」「当事者の声を大事にしてほしい」「複雑多様化している利用者に対する専門的支援にも、施設単位では限界があるかもしれない」「現場においては、人材確保も課題であり、研修制度の見直しも含めた検討が必要ではないか」「社会的養護施設だけでなく、地域で支援していくうえで、こども家庭センターとの連携も重要であるのではないか」などがあげられました。
社会的養護施設と障害児入所施設の連携や意思決定支援の重要性、家族への支援、施設の人材確保など様々な側面からの意見があげられています。
まとめ
第1回「今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会」では、多様化している障害児入所施設の利用者への支援の在り方を中心に検討が進められています。
第2回は令和7年6月25日(水)に予定されています。
検討会の資料等は
こども家庭庁のホームページ
よりご確認ください。