【完全ガイド】センサリープレイとは? 子どもの「学びの核」を育む感覚遊びと実践のポイント(前編)

2025/12/24

近年、子どもの非認知能力(創造力、集中力、自己調整力など)を育む活動として、海外で注目を集めているのが「センサリープレイ」(感覚を使った遊び)です。この記事では、センサリープレイの基本から、ご家庭や保育の現場で取り組む際の具体的な方法までを詳しく解説します。


1 センサリープレイとは?:五感と世界観で育む子どもの発達の土台

〇定義と海外での位置づけ

 センサリープレイとは、五感(触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚)を存分に使って世界を体験する感覚遊びのことです。日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、世界では保育や療育の大切な柱として取り入れられています。
 日本の従来の感覚遊びと似ている部分もありますが、センサリープレイの大きな特徴は、単なる感触を楽しむだけでなく、「テーマを決め、その世界観を丸ごと楽しむ」という点です。

 


〇なぜ今、センサリープレイが「熱い」のか?

 現代はYouTubeやスマートフォンなどによって目と耳ばかりが刺激されがちな「見る、聞く中心の社会」です。その結果、「触れる・感じる」経験の不足や、遊びが受動的になり創造力が育ちにくいという課題があります。
 センサリープレイは、子どもが素材そのものと出会い、感覚を通して自分なりに遊びを構築する活動です6。心と身体の調律の時間となり、発達の土台となる非認知能力を育むどんな子どもにとっても必要な遊びとして注目されています。

 

〇センサリープレイが目指すもの

 センサリープレイは、単なる楽しい遊びではなく、未来を生きるための確かな発達の土台づくりでもあります。
学びの核を育てる:自分の感覚を働かせ「なぜだろう?」と問いを見つけ、自分で試す力を育みます。
自分なりの理解を育てる:どんな環境やテーマに出会っても、「自分なりの楽しみ方」を見つけ、そこから「自分なりの理解」を育てていく力を目指します。
生きる力を養う:感覚を通して夢中になった体験は「心の記憶」として残り、自己肯定感や安心感といった「生きる力」の土台となります。

 


2 センサリープレイの特徴:「没入体験」と「主体性の育成」

 センサリープレイの最大の特徴は、五感をフルに使ってテーマの「世界観に入り込む」没入体験です。

①夢中になれる没入体験
 複数の感覚が同時に刺激されることで、子どもは自然とテーマの世界に入り込み、深い集中(没入)が生まれます。この没入体験があるからこそ、遊びながら自然と深い学びが生まれるのです。

②空間全体を「世界」に変える設計
 遊びの場そのものが子どもたちを物語へと引き込み、感覚のすべてを通して世界を体験できるように設計されます。
視覚:布や装飾、光を工夫して「時間」や「季節」を演出します。
聴覚:音楽や環境音を流し、その世界の「音」を演出します7。
触覚:水、砂、粘土など、多様な感触の素材(感覚ベース)を準備します。

③子どもの主体性を引き出す遊び
 センサリープレイには正解も不正解もなく、子どもが自分の感覚で自由に試し、工夫しながら新しい遊びをつくり出すことができます。この「自分で考えてつくる」プロセスこそが、創造力や論理的思考力を育てる大切な学びとなります。


3 センサリープレイの効果:非認知能力を育む4つの力

 センサリープレイは、子どもの発達の土台を育てる重要なアプローチです。活動を通じて、特に以下の4つの力が育まれます。

育まれる力 具体的な効果
感覚統合力 複数の感覚を同時に使うことで、脳内で感覚を整理し、統合して使う力が育ちます。情緒安定、学習の基礎にもなります。
集中力と没入体験 大人に教えられなくても、子どもの内側から自然とわき上がる遊びのため、自然と「今、この瞬間」に心を集中させます。多動傾向の子どもが長時間夢中で活動を続けた事例もあります。
創造力と表現力 「正解のない遊び」を通して、自分で考え、創造する力が育ち、遊びの幅が広がります。
語彙力と言語感覚 「つめたい」「トロトロ」「ざらざら」など、五感に結びついた語彙が自然と増え、感じたことを言葉にする力が育まれます。

 これらの力は、学力テストで測れる認知的スキルとは異なり、生きていく上で困難を乗り越えたり、人とかかわったりするための土台となる非認知能力に直結します。
 「後編」では、保育園や家庭で取り組む際のポイントと、具体的な手順をお伝えします。

後編に続く


4 センサリープレイを学ぶ1冊

保育でも家庭でも気軽にできる!
子どもの想像力を高める感覚遊び「センサリープレイ」

 

子どもの創造性を高める感覚遊び「センサリープレイ」 保育でも家庭でも手軽にできる!

尾本沙菜江 著
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