困ったときに「助けて」と言えますか?                         子どもから大人まですべての人が身につけたい援助要請スキル

2025/08/22

困ったときに「助けて」と言える力は、子どもから大人まで、誰もが身につけるべき「生きるスキル」です。

援助要請スキルって何だろう?

援助要請スキルとは、簡単に言うと「困ったときに、『助けてください』『教えてください』と人にお願いする力」のことです。勉強や遊び、友達との関係などでわからないことや困っていることがあったら、自分一人で抱え込まずに周りの人に助けを求めることができるスキルです。

また、言葉で直接頼むだけでなく、困った表情をする、小さく手を挙げる、そっと相手の肩を叩くなど、非言語的なコミュニケーションでも援助要請することができます。


子どもにとって「助けを求めること」の大切さ

子どもは毎日、新しいことに挑戦し、学び成長していきます。そんなとき、わからないことや困ったときに周囲に助けを求めることができると、問題を早く解決できて、学びも深まります。また、誰かに頼れることで「自分は一人じゃない」という安心感をもつことができ、心の成長にもつながります。

困ったときに周囲と協力しやすくなり、自己肯定感やコミュニケーション能力も高まるため、人間関係や将来の社会生活においても非常に重要な力といえます。


人に助けを求めるのはどうして難しいのか?

ただ、他者に援助を求めることは決して簡単なことではありません。なぜなら、自分の困りごとや弱さを他人に見せることになるからです。

そのため、子どもは「恥ずかしい」「できない自分を見せたくない」と感じてしまうことがあります。また、過去に助けを求めても断られたり、理解してもらえなかった経験があると、「次は頼まないほうがいいかも」と思い込んでしまったりします。また、何に困っているのかわからない、どう伝えればよいかわからないなど、子どもにとって援助要請を難しくしてしまう理由はいろいろあります。

 


大人にとっても大切なスキル

実は、援助要請スキルは大人にとっても重要です。

大人は「一人で解決しなければ」と考えがちですが、適切に助けを求めることは、問題解決のスピードを早め、精神的な負担を軽減し、人間関係をより良好に保つためのカギとなります。
また、大人が率先して「助けてほしい」と言う姿を見せることで、子どもたちも自然と援助を求めやすくなるからです。


学校で援助要請スキルを育むには?

学校生活で子どもの援助要請スキルを育むにはどうすればよいのでしょうか。
大切なのは「困ったときは助けを求めていいよ」というメッセージを繰り返し伝えることです。先生や友だちの声かけや、話を聞いてもらえる雰囲気があることで、子どもたちは安心して自分の気持ちを話せるようになります。

また、グループ活動やペアワークなど、協力し合う場面を多く設けることも効果的です。助け合いながら目標を達成する経験は、援助を求めることが恥ずかしいことではなく、みんなで支え合うための自然な行動だと学ぶ機会にもなります。

 

援助要請は、子どもも大人も誰にとっても大切な力です。日頃から少しずつ練習しながら、安心感を育てていくことが、幸せで健やかな人間関係を作る第一歩になります。学校や家庭で周囲の人が温かく受け止め、ともに支え合う環境を整えたいものです。

 


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本記事は、下記書籍の内容をもとに編集・作成しております。