7/1は「更生保護の日」

2026.07.01

「反省は一人でもできるが、更生は一人ではできない」

龍谷大学教授の浜井浩一氏のこの言葉は、罪に問われた人の立ち直りを考えるうえで重要な視点を示しています。罪を犯した人が再び地域社会の中で生活を築いていくためには、本人の努力だけではなく、周囲の理解や支援が欠かせません。罪を犯した人の立ち直りを通じて、私たちの社会のあり方そのものが問われているともいえるでしょう。

社会を明るくする運動

毎年7月は「社会を明るくする運動」の強調月間です。この運動は、1949年に施行された「犯罪者予防更生法」をきっかけとして始まった取り組みを起源としています。現在では、犯罪や非行の防止とともに、罪を犯した人の立ち直りについて理解を深める全国的な運動として広く知られています。

更生保護とは

更生保護とは、犯罪や非行をした人が地域社会の中で改善更生し、自立した生活を送ることができるよう支援する制度です。その目的は、単に本人を支援することだけではありません。地域社会全体の安全・安心につなげることでもあります。

 近年、刑事司法の分野では「立ち直り」を重視する動きが強まっています。その象徴の一つが、2025年から本格的に運用が始まった拘禁刑です。従来の懲役刑と禁錮刑を一本化し、受刑者一人ひとりの特性や課題に応じた改善更生や社会復帰支援を進めることが期待されています。

ソーシャルワーカーの役割

こうした変化の中で注目されているのが、ソーシャルワーカーの役割です。ソーシャルワーカーは、本人がどのような生活を望み、どのような人生を歩みたいと考えているのかを丁寧に汲み取り、その実現に向けて伴走します。犯罪や非行という出来事だけを見るのではなく、その背景にある生活課題や生きづらさに目を向けることが求められます。

 教育や実践の現場でも、司法と福祉の連携は着実に進んでいます。社会福祉士養成課程では、これまでの「更生保護制度」が「刑事司法と福祉」へと改められ、学習内容も拡充されました。

また、刑務所の福祉専門官、検察庁の福祉職員、地域生活定着支援センターなど、罪に問われた人を支える仕組みも整備されてきています。これらの機関で多くの社会福祉士精神保健福祉士が実践を行っています。

罪に問われた人が地域の中で再び生活を築く社会

犯罪や非行という言葉には強いインパクトがあります。しかし、ソーシャルワーカーに求められるのは、その事象だけに目を奪われるのではなく、一人ひとりの生活や人生に目を向けることです。罪を犯した人の立ち直りは、その人だけの問題ではありません。罪に問われた人が地域の中で再び生活を築くことができる社会を、私たちはどのように実現していけばよいのでしょうか。その問いに向き合うことは、罪に問われた人だけではなく、誰もが安心して暮らすことのできる社会の実現を考えることにつながります。

 

関連書籍のご案内

『最新 社会福祉士・精神保健福祉士養成講座10刑事司法と福祉 第2版』