精神保健福祉士 わたしの合格体験記(第2回)

2025.06.30

今年の合格者にご登場いただきました。

ペンネーム:ユリさん(帝京平成大学人文社会学部人間文化学科令和7年卒業)
「大好きなアーティストの歌詞が支えでした」


受験の動機

心理への興味から

高校のとき、人の心理に興味をもつようになったのがきっかけです。周囲にメンタルの不調をかかえている友人が何人かいて、気分の浮き沈みが極端だったり、家庭環境に苦しんでいたりなど、心の問題に接するなかで関心が高まっていきました。「精神保健福祉士」という資格を教えてくれたのは、高校のスクールカウンセラーです。公認心理士のその方に相談したところ、生活面も含めてその人の心にかかわっていくのが精神保健福祉士だと聞き、この分野の進学を決めました。

 

「精神保健福祉士」になる

純粋に学びたいとの思いから飛び込んだ分野で資格を取ったとして、実際に働くかどうかは当初決めていませんでした。もし自分に合うんだったら、精神保健福祉士として働いてみようと。その気持ちがかたまったのは、大学3年の冬、精神科病院での実習でした。患者さんへの実習指導者の方のかかわりを見て「なぜだろう」と思ったことが、実はその患者さんにぴったり合った「かかわり」だったことをあとから知り、それがさまざまな場面であったので、すごいなと思いました。その人に合った「かかわり」を自分もやってみたい、それが心を決めた理由です。

 
思い出のライブ
 

受験勉強

呪いのノート!?

自分でまとめたノートを作って、重要な部分はオレンジのペンで書いてそこに赤シートを載せて覚える。それが中学高校のときからの私の基本でした。書いて覚えるタイプ、というより書かないと頭に入ってこないため、自然とそうしていました。本格的な受験勉強に入る前までは、ふつうに授業を受けて、テスト前になるとノートを作って一気に覚える。しっかりノートを作ると“やった感”が出てモチベーションも上がるので、やるぞとなったら真剣に取り組みました。鉛筆でびっしり書き込んだノートを先生に見せ、冗談交じりに「どこも真っ黒で“呪いのノート”だね」と言われたときは、ほんとだと思いました(汗)。

 

遊び感覚で発進!

受験に対応した勉強は大学4年の4月くらいから始めました。先生方から過去問は必須だよと聞き、気軽に始めたいと思って友達から教えてもらったのが無料の過去問アプリでした。過去8年分の試験問題が入っていて、移動中などスキマ時間にクイズ感覚で解けるので重宝しました。無料アプリで広告が多く、それを外すのに数百円かかりましたが、本より安くて携帯でできる手軽さが使いやすさになっていました。

 
髪色は青と赤と紫でした
 

参考書その1 ~分解

5月くらいから参考書を購入しましたが、出版社の方にはごめんなさい。①参考書が重くて持ち運びがつらいのと、②分厚いと使いづらいのと、③そのとき勉強で使うところは全部ではないのと、いくつか理由があって本を3つに分解しました。私は精神保健福祉士と社会福祉士のダブル受験で、それぞれの勉強に使用した本はこの3冊でした。分解したのはレビューブックです。

・見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ[専門科目](中央法規)
・福祉教科書精神保健福祉士完全合格テキスト専門科目(翔泳社)
・社会福祉士国家試験のためのレビューブック(メディックメディア)

 

参考書その2 ~自分仕様

「書いて覚える」という元々の勉強法もあって、参考書は自分が使いやすいように作り込んでいきました。科目の境にインデックスを付けてすぐに探せるようにする、重要と思ったページに目印(付箋)を付ける、授業や他の本で見つけた重要と思った知識を付箋に書いて貼る、覚えておきたい解説にマーカーを引く、などです。内容を押さえたら剝がしていくことにした小さな付箋がいつまでも付いたままだったりすると、そこだけ集中的に勉強したりもしました。

 

最後は「絶対ノート」

試験前の1か月は、絶対覚えておかないといけないことだけを書き出したノートを作りました。科目もテーマも順不同、私にとって重要なことを拾い出したオリジナルです。自分の言葉で中身を作るので見返したときに頭に入りやすく、試験当日も会場に持っていき最後の確認に使っていました。

 
勉強の合間に散歩
 

試験の手応え

初日の精神専門は簡単で、いけたと思いました。2日目の共通科目は難しく、落ちたと思いました。内定をいただいていた就職先は資格が取れないと内定取り消しでしたので、不安になりました。午後の社会専門も出来は悪く、終了後の答え合わせでは精神保健福祉士は合格ライン、社会福祉士は例年の基準だと不合格ラインでした。それだけに合格(それもダブル)を知ったときは本当にうれしかったです。友人たちの寄せ書き(絶対ノートの表紙にたくさん書いていただきました!)と先生方のエールが力をくださったのだと思います。


決め手は2つ

自分流の確立

勉強の方法は人それぞれだと思います。大学で一緒に勉強した仲間たちも皆それぞれのやり方を持っていました。自分に合った方法を見つけ、勉強をするなかでその方法を高めていくのが近道にもなるはずです。

 

周囲の支え

私が合格できた理由は何かと訊かれたら、いちばんはこれです。苦しかったとき、つらかったとき、勉強が進まなかったとき、友人や先生が私を支えてくれました。友達が頑張っているのをみて、自分もがんばろうと何度も励まされました。感謝してもしきれません。

 
試験が終わって友達と

私が目指す精神保健福祉士

この4月に精神科病院に入職して3か月経ちました。現場に来て初めて知ること、学ぶことは多く、毎日が勉強です。そのなかで強く感じるのは、人にかかわるという仕事の大きさです。私が「かかわり」たいと思ったものはここにある、と同時に人の人生に踏み込むことの責任もここにある。その大きさがこの仕事の面白さややりがいだと感じています。私が目標とする、お一人おひとりに合った「かかわり」ができる精神保健福祉士になれるよう、がんばっていきたいと思います。