◎令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第6回 子ども家庭福祉
2026.03.26
令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第6回 子ども家庭福祉
常磐大学人間科学部教育学科准教授
子ども家庭福祉は、児童福祉制度や子ども・家庭への支援体制について理解しているかを問う科目です。
児童福祉法を中心とした法律、児童福祉施設の役割、児童虐待防止制度、子育て支援施策など、子どもや家庭を支える社会的制度を広く扱う科目として位置づけられています。
1 近年の出題傾向
従来の子ども家庭福祉では、児童福祉法や児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)などの法制度、児童福祉施設や児童相談所の役割・機能など、比較的教科書的な制度知識を中心に出題される傾向がありました。
しかし近年の試験では、こうした制度理解に加え、こども施策の動向や行政の基本方針など、より広い施策的文脈を踏まえた出題がみられるようになっています。
この傾向を象徴するのが、近年のこども施策の大きな転換点となったこども基本法(2023(令和5)年施行)の存在です。この法律は、こどもの権利を基盤としてこども施策を総合的に推進することを目的とし、この法律の理念に基づいて、施策の基本方針として策定されたのがこども大綱です。
こうした施策体系の整備は、日本のこども施策の方向性を示す重要な枠組みです。保育士試験においても近年の出題背景として無視できないものとなっており、令和7年試験でもこれらの法制度をふまえた出題がみられました。
①令和7年前期試験
前期試験では、子ども家庭福祉に関する法律・制度、施設の役割、社会状況、保育現場での対応について問われています。
問1では、児童の権利に関する条約の内容について語句の正誤を判断する問題、問3では児童福祉法第3条の2の文章の空欄に入る語句を選ぶ問題が出題されており、条約や法律の理解が求められています。
さらに、問2では、工場法、感化法、救護法などを制定された年の古い順に並べる問題が出題され、日本の児童福祉制度の歴史についての理解も問われています。そのほか、問8では児童福祉施設の名称と役割、問12では「
2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況
」から子どもの貧困率などの社会状況、問18では保護者への対応など、保育現場での実践的対応についても出題されています。
②令和7年後期試験
一方、後期試験では出題の焦点がやや異なり、児童福祉制度や子育て支援制度に関する基礎的な知識を問う問題が中心となっていました。
まず、法律や条文に関する問題が多く出題されています。例えば、問1では児童の権利に関する条約の条文について、空欄に入る語句を選ぶ問題が出題されています。また、問4では児童福祉法の条文をもとに、語句の正しい組み合わせを問う問題が出されています。同様に、問13では「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」の条文が取り上げられています。
次に、子ども家庭福祉に関連する人物や制度の理解も問われています。問3では、「整肢療護園」を開設した人物について問われており、歴史的な知識が求められています。
また、障害児支援や児童福祉施設に関する問題も出題されています。問5では放課後等デイサービスや居宅訪問型児童発達支援などの事業内容について問われ、問6では児童福祉施設における専門職の配置について理解しているかが問われています。
さらに、ひとり親家庭支援や子どもの貧困などの社会的課題についても出題されています。問8は母子及び父子並びに寡婦福祉法、問14はこどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律についての問題です。
加えて、保育現場での対応を考える事例問題も出題されています。問17では不適切な保育行為への保育所の対応、問20では家庭の生活状況に配慮した保育士の対応について問われています。
このように、子ども家庭福祉という科目は、法律・制度の知識、児童福祉施設や支援事業の理解、子ども家庭福祉の歴史、そして保育現場での実践的な対応など、総合的な理解が求められる内容となっています。
令和7年の試験では、同一年度の中でも前期と後期で出題の焦点がやや異なっていました。前期試験では近年の子ども施策の枠組みを踏まえた内容が扱われたのに対し、後期試験では児童福祉制度や支援体制など、基礎的な制度理解を問う問題が中心となっていました。
難易度の面では、前期試験は施策的背景の理解が求められる問題が含まれていたため、やや幅広い知識が必要であったのに対し、後期試験は過去問と類似したテーマが多く、標準的な難易度であったと考えられます。
2 受験対策と勉強の進め方
今後の受験対策として、まずは児童福祉法や児童虐待防止法、子ども・子育て支援法などの基本的な法律と制度を確実に理解することが重要です。児童福祉施設の役割や児童相談所の機能、子育て支援事業などの基本事項は今後も継続的に出題される可能性が高い分野です。また、近年の試験傾向をふまえると、こども基本法やこども大綱など、日本のこども施策の基本的な方向性についても概略を把握しておくことが望ましいでしょう。
さらに効果的な学習方法としては、過去問を活用した学習があげられます。保育士試験では過去に出題されたテーマが形を変えて再び出題されることが多く、過去問を繰り返し解くことで出題パターンを把握することができます。「
合格テキスト
」で基本知識を理解したうえで「
合格問題集
」を解き、理解が不十分な分野を重点的に復習することで、効率的に得点力を高めることができます。
このように、子ども家庭福祉は、児童福祉制度や家庭支援の仕組みを理解するための基礎的な科目であると同時に、近年ではこども施策の方向性や制度改革の動向も背景として理解することが求められる科目となりつつあります。令和7年試験では、前期と後期で出題の焦点に違いがみられましたが、いずれも子どもと家庭を支える施策や理念を理解していることが前提となっています。制度の仕組みだけでなく、その背景にある施策や理念についても視野に入れて学習することが、今後の受験対策において重要であるといえるでしょう。
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