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自閉スペクトラム症 マイペースなきみに家族はすったもんだ

自閉スペクトラム症のある人と家族の、大変だけれどくすっと笑える“あるある”な日常をぎゅっと1冊に!

知的・発達障害のある人の豊かな世界にふれる

本書は、全国手をつなぐ育成会連合会発行の月刊誌『手をつなぐ』の好評連載「毎日すったもんだ」を単行本化したものです。マイペースで独自の世界をもつ知的・発達障害のある人とその家族の、大変だけれどもいきいきとした日常のエピソードを、4コマまんがでほのぼのと描きます。
登場するのはボンくん、ちーくん、まさちゃん、ヤマちゃん、ショウタさん、ひろくんなど10の家族の、“大変だけれどくすっと笑える”34のエピソード。それらには、知的・発達障害の特性やその子のもつ豊かな世界観や強み、家族や周囲のサポートのようすなど日々の暮らしがいきいきと描かれています。

かかわり方のヒント

井上雅彦先生(鳥取大学教授)に自閉スペクトラム症の特徴について解説いただくほか、エピソードごとに知的・発達障害のある人の世界につながるヒントをまとめていただきました。「なぜこんな行動をするの?」「ときどきパニックになるのはどうして?」「どんなサポートをすればいいの?」……など、その行動の理由やさまざまな対応の工夫やヒントがわかります。

編集者から読者へのメッセージ

自閉スペクトラム症のあるお子さんを子育て中のお父さんやお母さんによるInstagram等、SNSを通じた発信を見かけるようになりました。ふだんの生活の様子を知る機会も増えてきています。
本書に登場するのも、同じように向き合っている家族たちです。34のエピソードには、本人のペースにとことん向き合う家族のすがたがあります。大雨のなか親子2人で休みになった学校に行ったり、小児科の診察室で受診できずにトイレ移動して受診したり、お風呂に入るためにさまざまな工夫を凝らしたり……。はたから見ると、本人のペースに付き合うことはきっと大変なことに違いないと思うのですが、どのエピソードもどこかハッピーオーラをまとっています。
本書の「はじめに」には、こんなことばが書かれています。
「親の思いどおりに育てることが子育てではない」
その子の意思を受け入れて思いのまま生きていける環境をつくるために、「すったもんだ」なことも笑顔に変える家族の日々に、ぜひふれていただければ幸いです。

主な目次

はじめに
自閉スペクトラム症の特徴と理解
すったもんだの日々
 主な登場人物
 1 学校(全6話)
 2 施設・病院(全5話)
 3 行事・外出(全10話)
 4 家・日常生活(全13話)
【コラム】
 ・伝えるポイントは、「具体的に」と「視覚的に」
 ・体験を重ねて不安をなくす ほか2本

著者情報

井上雅彦(いのうえ・まさひこ)=監修
鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座教授。医学博士、臨床心理士、専門行動療法士、公認心理師。自閉症をはじめ、発達に遅れや偏りがある子どもの教育や心理学的支援、保護者を対象とした家庭療育支援、きょうだい支援、学校・地域支援など実践的に研究している。
井上研究室ホームページ

全国手をつなぐ育成会連合会=編集
知的・発達障害のある人とその家族でつくる団体(1951年創設)。おもに知的・発達障害のある人の権利擁護および政策提言に取り組むとともに、機関誌『手をつなぐ』(月刊)をはじめとする発行物やウェブ媒体、各種セミナーなどを通じて、会員向けの情報提供に取り組む。また、政府の検討会等に参加し、全国の都道府県・市町村にある育成会組織からの意見をもとに当事者の立場から提言を行う。
http://zen-iku.jp

マリマリマーチ=イラスト
イラストレーター。立教大学文学部日本文学科、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。2016年より『手をつなぐ』(月刊)にて『自閉症のあるわが子のこだわり日記「毎日すったもんだ」』のマンガを担当。絵本作品に『ジャミちゃん』(シロクマ社)、『かっぱちゃんとこおにちゃんとおばけちゃん』(教育画劇)、『すぐそばにある。働きすぎのパパのおはなし』(文・いちかわえびぞう/原案・レイカとカンゲン/KADOKAWA)など。日本児童出版美術家連盟会員。
http://www.mari2march.com