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看護師のためのパッと見(徴候)でわかる急変時の臨床判断

内容紹介

“パッと見”で違和感をキャッチ

生命にかかわる重大疾患では,急変が起こる6~8時間前に何らかの徴候が現れることが少なくありません。いつもと違う「何かが変」というサインをキャッチできるかが,的確な急変対応には必要です。

疾患ではなく“身体のなかで何が起こっているのか”に着目

本書は,疾患別ではなく緊急度別の構成により,患者に現れているサインから身体のなかで起きている変化を推測し,状況に応じた必要な対応をとることができます。パッと見の違和感から臨床推論を重ね,時間をかけずに的確な対応を判断するトレーニングができます。

編集者から読者へのメッセージ

トリアージは,ご存じの通り災害現場など傷病者が多数発生した場合に治療の優先順位をつけることです。ほとんど検査をすることなく重症度を判断する考え方は,平時の医療現場でも活用できるはずということからこの企画は生まれました。トリアージの国際分類では「黒」は治療の適応なしとされますが,本書では「赤→黒」として生命の危機状態にあり治療を最優先に行うとするなど,発想や考え方を踏襲しながら一般医療に活用できるようにしています。

主な目次

Part1 トリアージの理念に基づいた急変時の臨床判断
1 トリアージ赤→黒 危険な徴候
病態生理
 直ちに処理をしなければ生命の危険もしくは四肢を失う可能性のある状況
意識障害
 刺激に対して反応のない状態
頭部
 心停止に至る頭蓋内疾患
胸部
 急変! 呼吸停止・循環停止
腹部
 強い腹痛,腹部膨満感,ショック
四肢
 動脈閉塞,虚血肢

2 トリアージ赤 目を届かせるべき徴候
病態生理
 30分以内に処置を始めなければ生命の危機もしくは四肢を失う可能性のある状態
意識障害
 刺激に対して反応はあるが,開眼しない状態
頭部
 生命の危機に陥りかねない頭蓋内疾患
胸部
 腹壁緊張を伴う腹痛,大量の吐血・下血
四肢
 骨折に伴う痛み,腹腔内出血,神経損傷,血流障害

3 トリアージ黄 見逃してはいけない徴候
病態生理
 30分ごとに目を届かせ,必要があれば処置を行う状態
意識障害
 刺激に対して開眼はあるが,寝入ってしまう状態
頭部
 意識障害を伴わない神経症状
胸部
 強い呼吸困難感,一過性の胸痛,動悸
腹部
 腹壁緊張を伴わない腹痛,悪心・嘔吐,吐血・下血
四肢
 骨折を伴わない整形外科疾患,靱帯損傷,痛みを伴う浮腫

4 トリアージ緑 忘れてはいけない徴候
病態生理
 60分ごとに目を届かせ,必要があれば処置を行う状態
意識障害
 一見晴明だがいつもと違う状態
頭部
 要注意の頭頸部疾患
胸部
 咳・痰を伴う呼吸困難感,非心臓性胸痛
腹部
 嘔吐・下痢,軽度の腹痛
四肢
 四肢の熱感・冷感,発熱

Part2 「パッと見」の意義と考え方

著者情報

松山尚弘(まつやま・なおひろ)
役職 医療法人社団哺育会白岡中央総合病院副院長
専門分野 麻酔科,内科一般
麻酔科標榜医/日本麻酔科学会 麻酔科専門医/日本集中治療医学会専門医/日本医師会認定産業医/ ICD制度協議会ICD /公益社団法人全日本病院協会AMAT隊員/日本救急医学会認定ICLSディレクター