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4つの原則で極める! 身体を痛めない介護術

「介護」のための身体の使い方を身につけよう!

介護技術の「答え探し」をやめる

利用者Aさんに適切な技術、Bさんに適切な技術、Cさんに適切な技術…。その一つひとつを分けて考えていったら、数えきれないほどの介護技術を身に付ける必要が出てきてしまいます。現実的には「不可能」といえるでしょう。
そこで本書では、どのような技術にも対応できる身体の使い方を身に付け、Aさん、Bさん、Cさん…、それぞれに適した技術を、その場で工夫しながら提供するための方法を紹介します。

4つの原則を徹底する

どのような技術にも共通する身体の使い方として、本書では4つの原則を挙げています。

 原則1)踏みしめない
 原則2)「手のひら返し」で抱える
 原則3)骨盤を低くする
 原則4)一体化する

どのような利用者に対して、どのような介護技術を提供する場合でも、この4つの原則を徹底し、利用者自身の動きに敏感に反応することで、介護技術のレベルが向上し、バリエーションも広がります。

腰痛にならない身体の使い方を練習しよう

介護の現場では、「腰痛」が職業病のように言われていますが、上記の4つの原則を徹底し、適切に身体を使うことができれば、そもそも身体を痛めることにはなりません。腰痛、肩の痛み、膝の痛みに悩む介護職の方々は、本書を参考に、一度、自分自身の身体の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。

編集者から読者へのメッセージ

世の中には、たくさんの介護技術の書籍やDVDがあります。一体、どの技術を身に付けたらよいのか、介護職のみなさんは迷われるのではないでしょうか。または、いろいろな技術を学んでみたけれど、どれも自分に合わないのではないかと感じている方もいるでしょうか。さらに、学校や研修で教わった通りに実践しているのに、腰痛や、肩や膝の痛みに悩まされ、介護の仕事は続けられないのでは…と、悩んでいる方もいるのではないかと思います。

著者である岡田慎一郎先生は、本書のなかで「介助者の身体はスマートフォンのOSであり、さまざまな技術はアプリである」と表現しています。つまり、どんなにすぐれた介護技術(アプリ)を導入しても、それを使いこなす介助者の身体(OS)がしっかりと機能していなければ、介護技術(アプリ)の良さは活かされない、ということです。

利用者の身体機能や動きに目を向けるのと同じように、一度、介護職の皆さん自身の身体の使い方にも目を向け、適切な動きができるように「練習」をしてみてはいかがでしょうか。日常生活のなかでも、4つの原則を意識して動いてみると、新たな発見があると思います。

主な目次

第1部 「介護」をする身体のつくり方・使い方の基本
 1 介護を行うための身体づくりとは
 2 介護を行うための身体づくりの基本
 3 身体の使い方の基本

第2部 「介護」に活かす、無理のない身体の使い方
 1 ボディメカニクスの検証
 2 身体の使い方の4原則

第3部 「身体の使い方の4原則」の活用方法
 1 寝返り、起き上がり、ベッド上での移動の介助
 2 立ち上がり、座り動作の介助
 3 移乗の介助
 4 二人でベッドや床から抱え上げる介助

著者情報

岡田慎一郎(おかだ・しんいちろう)
介護福祉士・理学療法士

1972年茨城県生まれ。
身体障害者、高齢者施設に勤務し、独自の身体介助法を模索するなか、古武術の身体運用を参考にした『古武術介護入門』(医学書院、2006年)を刊行し反響を呼んだ。近年は介護、医療、リハビリテーション、消防・救命、育児支援、教育、スポーツなど、幅広い分野で身体を通した発想と実践を展開し、講演、執筆、メディア出演、企業アドバイザーなど多岐にわたる活動を国内外で行う。著書に『あたりまえのカラダ』(イーストプレス、2013年)、『あらゆる状況に対応できる シンプル身体介助術』(医学書院、2017年)など多数。