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気になる子の「できる!」を引き出すクラスづくり
実行機能を活かして育ち合うための保育のコツ

内容紹介

「クラスづくり」で気になる子の対応がうまくいく!

本書は気になる子の対応に悩む保育者のための本です。
しかし、本書で主にお伝えするのは、気になる子のみに向けた支援の方法ではなく、クラスづくりの方法です。

気になる子の特性に応じた個別の支援は、もちろん必要です。ただ、クラス全体が騒然とした状態だと、クラスを落ち着かせることで手一杯になり、気になる子への支援が効果的に行えません。
やみくもに動き回ってばかりで、気になる子の力を引き出せることなく活動が終わってしまう……そんな状況に悩んでいる保育者の方もいるのではないでしょうか?

本書では「園児の実行機能を育てる」をキーワードに、気になる子が力を発揮できる環境にするためのクラスづくりを解説します。

実行機能とは?

「実行機能」と聞くとなんだか難しそうに感じられますが、ざっくりとまとめると、自ら考え、判断し、行動するために必要な様々な力の総称といえます。
園児たちが実行機能を身につけると、自信をもって、夢中でいきいきと活動できるようになります。すると、気になる子の「自分も力を発揮したい!」という気持ちが高まります。
クラスがこのような状態になれば、保育者の気になる子への対応がもっとうまくいくようになります。

日々の保育ですぐに実践できる!

本書は以下のような構成で、日々の保育のなかですぐにクラスづくりを実践できるようになっています。

  • ・「登園」「朝の会」「運動遊び」「製作遊び」「昼食」など、一日の流れに沿って、具体的な活動場面での取り組みを詳しく解説
  • ・各活動場面ごとに①基本の流れ、②目指すクラスの状態、③取り組みで注意すべき点、④取り組みの重要ポイントに分けて解説

解説には、長年保育園の巡回指導を行っている著者による、保育者の悩みに寄り添った保育のポイントが満載です。

また、クラスづくりのその先の、気になる子への個別の支援の方法についても紹介しています。クラスづくりの土台を固めることができた後も、様々な活動場面での気になる子への支援の際に、本書をご活用いただけます。

編集者から読者へのメッセージ

著者は長年の巡回指導の経験から、保育者の「一人ひとりの園児に応えなきゃ」「一人ひとりを楽しませなきゃ」という思いが、園児自ら動ける力=実行機能にブレーキをかけているのではないか?と思うようになったといいます。
そこで重要視したのが、園児の実行機能を育てるクラスづくりです。

園児たちを思って奮闘しているのに、なぜかうまくいかないという保育者の方に、本書をぜひお手に取っていただければと思います。
「一人ひとり」の前にまずは「クラスづくり」へと視点を変えてみると、園児たちへの思いがよい方向に発揮されるはずです。

主な目次

第1章 園児の実行機能を育てる保育者の関わり方

第2章 一日の進め方①-「動ける」モードへの切り替えを促す-
登園①/登園②/登園③/着替え/自由遊び①/自由遊び②/園庭での自由遊び

第3章 一日の進め方②-「動ける」モードのまま活動を展開する-
片付け①/片付け②/トイレ・手洗い/朝の会①/朝の会②

第4章 一日の進め方③-「動ける」モードを活かしてプロデュースする-
運動遊び①/運動遊び②/製作遊び①/製作遊び②/園庭遊び①/園庭遊び②

第5章 一日の進め方④-「動ける」モードを定着させる-
昼食①/昼食②/午睡①/午睡②/おやつ/降園

第6章 園児が変わり始めたときに大切な視点

著者情報

福岡 寿(ふくおか ひさし)

日本相談支援専門員協会顧問。
東京大学文学部卒業後、長野県内中学校教師、知的障害者更生施設長峯学園指導員、地域療育拠点施設事業コーディネーター、北信圏域障害者生活支援センター所長、社会福祉法人高水福祉会常務理事を経て、平成27年退職。
平成8年度より保育園等の巡回訪問指導に取り組み、クラス運営と発達の気になる園児への対応等についての助言を行ってきた経験を踏まえ、現在はフリーで保育園等の訪問指導を行いつつ、全国各地で研修講師を務める。

著者による紹介動画を公開中!