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発達保育実践政策学研究のフロントランナー

内容紹介

乳幼児に関する最新の学術研究知見を結集

本書は、東京大学大学院教育学研究科を核として発達保育実践政策学研究を展開した「関連SEED研究プロジェクト」を書籍化したものです。
「発達保育実践政策学」とは、乳幼児に関する自然科学諸分野、人文科学、社会科学等それぞれの領域で実施されてきた学術研究知見を集約・発展させ、保育の質向上という社会還元をめざす学術領域です。
2015年度から2019年度の関連SEED研究をもとに、30の研究を収載。発達保育実践政策学の現在の到達点を指し示します。
「第1巻 保育の実践科学」「第2巻 保育・子育ての社会科学」「第3巻 乳幼児の発達科学」の3冊セットとなっており、保育・幼児教育・発達心理学等を牽引する若手研究者の鋭い着眼点と洞察力が存分に詰まっています。

研究をする際の着眼点・思考の参考に

本書に結集された最新の知見は、研究をする際の着眼点・思考の参考にもなり、先行研究の調査としても役立ちます。
また、本書は「問い」「リサーチ・クエスチョン」「方法」「結果」「考察」など実際の研究の順序立てで構成されており、研究の進め方の参考として、学生の方にもご活用いただけます。

編集者から読者へのメッセージ

書籍化にあたり「関連SEED研究プロジェクト」の知見がより多くの方へ伝わるよう、30すべての研究について、編集代表である秋田先生、編集・編集協力の先生方と執筆者の先生方が何度も検討を重ねられ、内容を練り上げてくださいました。
既存の領域にとどまらない「発達保育実践政策学」の萌芽を読者の皆様にも共有いただき、新たな探究へとつなげていただければと思います。

主な目次

第1巻 保育の実践科学

刊行にあたって 秋田喜代美
はじめに 秋田喜代美

  • 1 子どもの思いやりを見とる試み―園児の向社会的行動についての観察研究と保育実践への示唆 西田季里
  • 2 園での食事経験を子どもの視点から探る試み―文化的・社会的営みとしての食事 淀川裕美
  • 3 保育所5歳児クラスの話し合い場面における参加の構造と保育者の支援 呂小耘
  • 4 絵本選びについて学ぶ保育者向け研修プログラムの開発とその展開―ある公立幼稚園における地域・大学との協同的実践の記録 植阪友理
  • 5 子どもの遊び場に関する子どもや保育者の視点 宮本雄太
  • 6 遊び場に関する幼児・児童・保育者の認識 宮本雄太・杉本貴代
  • 7 地域・乳児戸外環境調査結果 宮田まり子
  • 8 保育室の変遷とその生態学的考察 山﨑寛恵
  • 9 保育者の保護者との関係構築に関する検討―保育者の専門性を活かした保護者支援に向けて 衛藤真規
  • 10 子どもの「育ち」を支える病棟保育の専門性 石井悠・遠藤利彦
  • 11 読み聞かせ場面を手がかりとした1歳児の遊びと学び合いの形成過程と保育者の専門性 杉本貴代
  • 12 子ども・保護者とのかかわりにおける保育者の感情コントロールとメンタルヘルス 榊原良太

第2巻 保育・子育ての社会科学

刊行にあたって 秋田喜代美
はじめに 小玉重夫

  • 1 保育者養成の高学歴化 両角亜希子・長島万里子・松村智史
  • 2 保育士が経験する予想と現実のギャップ―フルタイム・パートタイム・離職者に注目して 森川想・関智弘・天野美和子
  • 3 保育需要と供給の実証的研究 山本清
  • 4 保育と政治―政治は自治体における保育の質に影響を与えるのか 村上祐介・小玉重夫
  • 5 幼稚園、保育所における自己評価の政策と実践に関する一考察 佐々木織恵
  • 6 働く母親の時間負債をめぐるジレンマ―「教育時間」と「自由時間」の創出にみる階層格差 額賀美紗子・藤田結子
  • 7 モンゴル国における幼児・学童期の家庭の教育関与 中村絵里
  • 8 日本における保育研究の歴史的展開―東京保育問題研究会に着目して 浅井幸子・若林陽子
  • 9 シティズンシップ教育としての就学前教育の可能性―「自然保育」を通した保育実践及び政策の理論的検討 山口美和
  • 10 「保育の質」を超えて―ポスト基礎づけ主義の保育学の展開 浅井幸子

第3巻 乳幼児の発達科学

刊行にあたって 秋田喜代美
はじめに 遠藤利彦

  • 1 低出生体重児の発達特性と発達支援 儀間裕貴
  • 2 「気になる子ども」にまつわる保育者の職務負担感と保育環境の質との関連 高橋翠
  • 3 6・7か月児の入眠時の自律神経活動―午睡時の寝かしつけに伴う交感神経・副交感神経活動 佐治量哉
  • 4 乳児の運動計測技術による発達理解とその未来 新屋裕太・藤井進也・奥絢介・渡辺はま・多賀厳太郎
  • 5 デジタル絵本と子どものかかわり―5歳児の小集団での検討 野澤祥子
  • 6 育児期における母親の心身の健康維持を目的とした生体リズム調整手法の開発 清水悦子・中村亨・山本義春
  • 7 母親と子どものやりとりにおける感情語の発話―1歳5か月から4歳9か月までの縦断的検討 浜名真以
  • 8 妊娠期の夫婦の困難さの低減につながる夫婦関係についての検討 大久保圭介・平田悠里
  • 編集を終えて─発達保育実践政策学の可能性 桑嶋晋平

著者情報

【監修】東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター
【編集代表】秋田喜代美(学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授)

【編集】
<第1巻>
秋田喜代美(前掲)
遠藤利彦(東京大学大学院教育学研究科教授、東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター長)

<第2巻>
秋田喜代美(前掲)
小玉重夫(東京大学大学院教育学研究科教授)

<第3巻>
秋田喜代美(前掲)
遠藤利彦(前掲)

【編集協力(全巻共通)】
野澤祥子(東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター准教授)
高橋翠(東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター特任助教)
桑嶋晋平(九州看護福祉大学専任講師)