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看護にいかす文献検索入門
学び続けるための情報探索スキル

内容紹介

エビデンスはどこにある? キーワードが思いつかない!?
納得のいく文献検索が楽しく・迅速にできる

 看護学生、教員、臨床看護師、看護師なら信頼度の高い情報を求めたことが一度ならずあるはず。そんなとき、文献検索の重要性を感じながらなんとなくハードルを感じてしまうことがあります。本書では、スマホでできる情報探索のノウハウや役立つウェブサイトの紹介、Google Scholarや医中誌Webなど文献データベースの高度な検索の仕方やTipsといったことに加えて教科書や書籍の効用を再確認します。さらに、情報収集の方法だけでなく、入手した文献・情報の評価やレポート執筆といった活用時の注意点まで、誰でも気軽に取り組めるように解説しています。身近な図書館のネットを駆使した使い方を学ぶこともでき、あらゆるリソースを駆使して納得のいく文献検索を効率的に実践する手助けとなります。

編集者から読者へのメッセージ

 Wikipedia を信用してもいいの?
 看護師をしていると「正しい」情報が欲しいときが頻繁にあります。例えば、学生ならば実習記録や卒論を書くとき、教員は教える内容のウラをとるとき、院生や研究者ならテーマを決めたり先行研究を調べるとき、臨床看護師なら患者の質問に答えるとき、院内の勉強会で発表するとき。そんなとき、身近な書籍だけでなくネットから探すことができますが、本当に欲しい情報をどうやって見つけたらいいのか、見つけた情報が信頼に足るものなのかは自分で判断しなければなりません。
 本書では、医中誌WebやPubMedの画面を追いながら具体的に検索の方法を学べます。ケース別の解説では、こんな時に役に立つウェブサイトやデータベースも紹介しています。そして、入手した情報が患者に話したり、レポートなどに使ったりするのにふさわしいものなのか、情報の評価についても頁を割いています。たとえば、Wikipedia は多くの人が参考にしていますが、本当に使ってもいいのか、信頼できるのか、本書では理由も含めて述べています。看護学生のテキストから研究者のガイドブックとして、ぜひご活用ください。

第1編集部 坂弘康

主な目次

Chapter1 看護学における学術情報探索の意義

  • §1 看護学と学術情報
  • §2 学術情報を探す

Chapter2 学術情報の探し方

  • §1 ウェブ上で探す
  • §2 文献データベースで探す
  • §3 図書館を使う

Chapter3 学術情報の評価と活用 

  • §1 看護に必要な学術情報の評価
  • §2 「学問的誠実性(Academic Integrity)」のある活用

Chapter4 学術情報探索のケース別解説

  • §1 看護学生が授業の課題レポートを作成するケース
  • §2 看護学生が臨床実習で記録物を作成するケース
  • §3 看護学生が卒業研究課題を見つけるケース
  • §4 看護学専攻の大学院生が研究計画書を作成するケース
  • §5 看護師が臨床でエビデンスを使うケース
  • §6 看護師長がリーダーシップ研修の参考図書を探すケース
  • §7 訪問看護師がエビデンスを確認するケース

著者情報

富田美加(とみた・みか)

茨城県立医療大学保健医療学部看護学科・同大学院保健医療科学研究科教授
神戸生まれ
1986年、大阪府立看護短期大学卒業後、大阪府立病院に看護師として就職。
臨床家の立場から図書館情報学の必要性を強く感じ、
1990年、図書館情報大学の3年次に編入学する。
1992年、財団法人浅香山病院で看護師として精神科病棟に勤務。
1996年、千葉大学大学院博士前期課程修了、修士(看護学)し、同年より茨城県立医療大学(基礎看護学)、現在に至る。
2013年、筑波大学大学院博士後期課程修了、博士(図書館情報学)。
学部や大学院のほか、認定看護師教育課程や認定看護管理者教育課程、専任教員養成講習会等で、看護における学術情報探索に関する授業を担当している。

松本直子(まつもと・なおこ)

聖路加国際大学学術情報センター学習コミュニティ支援室長
山梨県甲府市に生まれ、静岡県清水市(現静岡市)育ち
1988年、図書館情報大学卒業後、聖路加看護大学図書館(当時)に司書として勤務し、図書館システムや電子図書館システム(後に機関リポジトリ)の導入に携わるほか、学部、大学院で学術情報探索に関する授業を担当する。
2003年、看護実践開発研究センター研究支援室に異動。同センターの設立準備とともに、市民を対象とした健康情報サービス「るかなび:聖路加健康ナビスポット」の開設、認定看護管理者ファーストレベルプログラムの開設に携わる。同プログラムでは現在まで「看護情報論」「資源管理Ⅰ」を担当する。
2014年、青山学院大学大学院社会情報学研究科博士前期課程修了、修士(学術)
同年、聖路加看護大学の聖路加国際大学への改称、組織再編に伴い、学術情報センターに学修支援の強化のため、図書館とともに設置された学習コミュニティ支援室室長となり、現在に至る。
著書(共著)に「臨床看護研究の道しるべ」(日本看護協会出版会)がある。