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新訂 心のケアが必要な思春期・青年期のソーシャルワーク

内容紹介

 10代20代の若者に心のケアを必要とする「何か」が起こる。それは精神科由来の病気だったり、健康な成長過程に現れる内面の揺らぎだったり、家族歴や生活環境を背景として問題化したものだったりします。
 このとき登場するのが支援者です。しかし、「他の年代のような支援はなかなかできない」といわれています。理由の一つは、制度と制度の狭間に落ちて利用できる福祉サービスが少ないこと、もう一つは心身ともに成長途上にある思春期・青年期へのかかわり方が現場で十分に技術化されていないことです。
 そうした実情もふまえて、本書は「若者に特化した援助技術」を体系としてまとめています。若者支援でポイントになる7つのテーマについて「かかわり方の基本」を解説し、支援者がよく遭遇する場面は事例編として特設し、対応の流れを詳述しています。

編集者から読者へのメッセージ

 10年前(2014年)に刊行した本の「新訂」版です。なぜ作り変えたかというと、10年経って若者にまつわる種々の課題がますます社会問題として顕在化しているのが一点、10年経って社会保障制度と若者の志向が着実に移り変わっているのがもう一点。大麻入りグミが店舗で買えたり、小学生が市販薬のOD(大量服薬)で救急搬送されたりなど、一昔前には考えられなかった事象です。それらに強く関与しているSNSの急速な進化はこの10年に起こりました。
 一方で、現場の「若者支援」には技術的な進展がそうはみられない。だったら現代バージョンで専門スキルを改めて紹介しよう。それが「新訂」の趣旨です。内容のコア(核)はそのままに、新しい風を入れて全体構成には事例編も加えました。「かかわり方」を扱った類書はなく、本書が唯一無二の専門書です。どうぞご活用ください。

主な目次

序章
第 1 章 専門機関につながる方法
第 2 章 本人とのかかわり方
第 3 章 家族問題への介入の仕方
第 4 章 経済問題への介入の仕方
第 5 章 居場所の確保の仕方
第 6 章 恋愛、結婚、出産への向き合い方
第 7 章 自立に向けた支援
事例~状況別ケース対応
追記─若者の自殺

著者情報

西隈亜紀(にしくま・あき)
関西学院大学文学部卒業、日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社に入社し、いじめや不登校、障害児教育、虐待などの教育・福祉問題を追いかけるなか、精神保健福祉に関心を抱き、臨床家への転身を決意。退職して精神保健福祉士の資格を取得し、精神科ソーシャルワーカーとして医療法人社団新新会多摩あおば病院に入職。2013(平成25)年、12年勤めた病院を退職し、心のケアを必要とする若者のためのグループホーム「キキ」を設立、現在に至る。特定非営利活動法人東京フレンズ理事長、日本社会事業大学非常勤講師。精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師。