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楽しむ・選ぶ・習慣づける デジタル時代の賢い「スマホ育児」

内容紹介

 近年、子育て家庭でもなくてはならない存在となっているスマートフォン。最近は「スマホ育児・デジタル子育て」という言葉も耳にするようになりました。
 この言葉を聞くと、子守りをデジタルに任せるの? という否定的な考えが浮ぶ一方で、ワンオペ育児で奮闘する保護者がデジタルに助けられているシーンが浮かび、プラスとマイナスの両面を考えさせられます。
 本書では、時にはデジタルに育児を助けてもらいながら、新たな時代を生きる子どもたちにとって不可欠なデジタル環境を賢く取り入れていくために、大切なポイントを紹介します。デジタルの負の側面を防ぐために、使わない/禁止するのではなく、「保護者自身が日々の活動や子育ての実践に新たなテクノロジーを取り入れ、子育てを創発的に発展させていく、未来を生きる子どもたちの創造性を育む」というポジティブな使用を提案します。

編集者から読者へのメッセージ

 乳幼児をもつ家庭が今、何に困っているのかを考え、多くの人々に話を聞いてみると、つい子どもにスマホやタブレットの動画を見せて、子守り代わりにしてしまう。それがよいのかどうかはわからないけれど…という声が多く聞かれました。自身の子育てを振り返ってみても、デジタル機器に大いに助けられた記憶があります。
 あまりよくないだろうけれど、つい頼ってしまう。そんな子育て家庭に、正しい知識と使い方を伝えられないかと考えたのが、本書の企画の発端です。
 著者の佐藤朝美先生には、保育園や子育て家庭のデジタル機器の利用状況や功罪について、海外の研究も参照しながら、具体的なアドバイスを書いていただきました。まさに「楽しく・賢く」使うメッセージの詰まった1冊です。

主な目次

CHAPTER1 デジタル機器と子育て――良い・悪いを考えるために
 01 デジタル機器の使用について、保護者はどう考えている?
 02 デジタル機器は危険?
 03 保護者のかかわり方――なぜ保護者のかかわりが必要?
 04 結局どうすればいい?

CHAPTER2 賢いスマホ活用①子どもが主体的に使う
 01 親子で楽しむおすすめアプリ

CHAPTER3 賢いスマホ活用②動画を視聴する
 01 動画視聴のアドバイス

CHAPTER4 賢いスマホ活用③保護者の使い方
 01 保護者自身のメディア使用

CHAPTER5 園と連携してみよう
 01 園でのICT活用の実際

巻末資料
 01 おすすめアプリ・ソフトウェアの紹介
 02 「保護者の情報活用能力」チェックリスト

著者情報

佐藤朝美(さとう・ともみ)
愛知淑徳大学人間情報学部教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。 博士(学際情報学)。東京大学大学院情報学環助教を経て現職。教育工学、幼児教育、家族内コミュニケーション、学習環境デザインにかかわる研究に従事。日本子ども学会理事・副編集委員長。オンラインコミュニティ「親子de物語」で第5回、「未来の君に贈るビデオレター作成ワークショップ」で第8回、「家族対話を促すファミリー・ポートフォリオ」で第11 回、「園生活の保護者の振り返りを支援するデジタルストーリーテリングWSの開発」で第14回キッズデザイン賞を受賞。主な著書に『物語行為の支援システム̶親子の活動に着目して̶』( 晃洋書房、2023年)がある。