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子どもと一緒に取り組む 園生活での子どものストレス対処法

内容紹介

子どものストレスサインに気づいて、園生活のなかで一緒に対処していくための本

お腹が痛い、頭が痛いなどの身体の不調、園に行きたくないと泣く、お友だちをたたく、急に部屋を飛び出すなどの症状・行動は、子どものストレスサインかもしれません。「子どもがストレスを感じているかもしれない…」と気づいたとき、保育者はどうしたらよいでしょうか。
本書では、さまざまに現れる子どものストレスサインに気づき、対処法を子どもと一緒に考え、解決に向けて一緒に取り組む方法を場面事例を用いてわかりやすく解説します。

子どもの人生に役立つ大切なスキルが身につきます!

「子どもはストレスなんて感じない」と思われていた時代もありましたが、子どもにとって初めての集団生活の場である園生活では、「苦手な活動がある」「みんなの前で失敗しちゃった」「好きなおもちゃが使えなかった」「お友だちとケンカしちゃった」などなど、ストレス要因がたくさんあります。また、小学校にあがると、先生の目が行き届きにくくなり、ストレス状況をうまく解決できなければ、ストレスをため込んでしまったり、学校に行くことがいやになってしまうことも考えられます。
つまり、幼児期から少しずつストレスについて理解し、場面に合わせて対処法を選択できるようになることは、ストレス社会を生きる子どもたちにとって、とても大切なスキルといえます。

本書では、個別に取り組む対処法のほか、クラス全体が落ち着いて、子どもたちが自然に思いやりのある行動ができるようになる方法も提案しています!

編集者から読者へのメッセージ

本書の企画の背景には、保育園に通っていた娘(当時5歳)のこんなエピソードがあります。

特に仲がよかったお友だちに、ちょっと嫌なことを言われて、それが何回か重なってしまい、保育園に行くことがいやになってしまったことがありました。担任の先生に相談したところ、本人同士で問題解決(仲直り)した後に、「まずは困ったときに『助けて』と先生に合図を出す練習をしてみよう」と提案がありました。このときの娘と先生との合図はかわいいウインクでした(笑)。そして、「学校に行くと、近くに先生がいないことも多いので、自分でいやなことを解決したり、逃げたりできるようになる練習もクラス全体でしていきます」と言われました。
このとき、保育園の先生は子どもの成長(人生? 幸せ?)のためにここまで考えているのかと、また、5歳児はこんな難しいスキルを練習するものなのかと、とても驚きました。

そこから幼児期の集団生活(園生活)におけるストレスマネジメントについて調べるなかで、本書の編著者である小関俊祐先生に出会うことができました。小関先生は、本書を通して、子どもたちが元気に、幸せになるサポートをしたいという思いと、保育者の方々に保育の仕事の大切さ、子どもや保護者にとって、保育者がどれだけ大切な存在なのかを改めて伝えたいという思いから現場で子どもたちを全力でサポートしている実践者の方々との執筆チームを組んでくださいました。保育者に向けたエールも、ぜひ受け取ってください!

主な目次

はじめに
◆STEP1 子どものストレスについて理解しよう
第1章 ストレスとは
第2章 子どもの行動に着目した「子ども理解」
第3章 子どものストレス症状
第4章 子どものストレスと認知行動療法に基づく対応
◆STEP2 ストレスへの対処法を子どもと一緒に考えよう
第5章 ストレスについて子どもと一緒に考える
第6章 集団のなかで気づく「ストレス場面別」対処法
第7章 園での様子や対応を保護者と共有する
◆STEP3 子どもを守る「環境」をつくろう
第8章 専門機関へつなぐポイント
第9章 保護者のストレスサインに気づいたときの対応
第10章 保育者自身のストレスマネジメント
あとがき

著者情報

(編著)
小関俊祐(こせき・しゅんすけ)
桜美林大学リベラルアーツ学群准教授。公認心理士/臨床心理士/認知行動療法スーパーバイザー®/専門行動療法士/日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント®実践士/指導健康心理士。学級集団(幼児から高校生まで)を対象としたストレスマネジメントや学校における特別支援教育の支援方法の検討、発達障害のある子どもとその保護者に対する支援を中心に研究と臨床を行う。著書に『スタジオそら式おうち療育メソッド1 行動編』『スタジオそら式おうち療育メソッド2 構造化編』(いずれも共著、主婦の友社)、『自立活動の視点に基づく高校通級指導プログラム』(共編著、金子書房)、『小学生に対する抑うつ低減プログラムの開発』(単著、風間書房)などがある。

(執筆者・50音順)
岸野莉奈(きしの・りな)社会福祉法人相模福祉村児童発達支援センター青い鳥心理士/公認心理師
小池由香里(こいけ・ゆかり)滋賀医科大学小児科学講座心理士/ののみちこども園発達支援アドバイザー/公認心理師・臨床心理士
杉山智風(すぎやま・ちかぜ)京都橘大学総合心理学部助教/公認心理師・臨床心理士
土屋さとみ(つちや・さとみ)アース・キッズ株式会社発達障害療育研究所/公認心理師・臨床心理士
新川瑶子(にいかわ・ようこ)半蔵門のびすここどもクリニック心理士/公認心理師・臨床心理士