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Q&Aでわかる 訪問看護ステーションの起業・経営・管理―確かなスタートと着実なマネジメントで成果を出そう

内容紹介

短期間で休止・閉鎖に追い込まれるステーションも多い

 訪問看護ステーションの新規開設が多くなり、事業所数は右肩上がりに増え、現在その数は15,000か所を超えています。しかし一方で、開設後1年も経たないうちに、休止・閉鎖に追い込まれる訪問看護ステーションも散見されます。その要因としては、利用者確保等に関する市場調査が不十分、法人・事業所の理念等が曖昧、訪問看護が未経験な管理者やスタッフ体制、運営体制、資金繰りを含む経営の課題などが考えられ、丁寧な準備や見通しによって閉鎖は防げた、と思うことも多くあります。
 訪問看護事業では、経営者と管理者・スタッフが理念を共有してサービスの質を高め、利用者や多機関・多職種からも信頼される事業所へと発展させることが重要となります。

Q&Aで起業・経営・管理に必要な視点を伝授!

 そこで本書では、訪問看護ステーションの管理者やこれから開設を考えている看護師に、円滑に訪問看護ステーションを開設し、安定的な経営を行って、質の高いサービスを提供するために必要な視点を、実際に訪問看護ステーションを起業・開設し、経営・運営にかかわってきた著者らが、Q&Aでわかりやすく解説します。起業時の準備やタイムスケジュール、マーケティング、人材確保・育成、労務管理、さらに開設後に陥りがちな悩みまで、113の疑問に答えました。

編集者から読者へのメッセージ

 今回、訪問看護ステーションを起業・開設し、経営・運営にかかわられてきた3人の方々に協力をいただき、経験から困難を乗り越えた具体例をQ&Aとして収載し、さらに実践例・好事例なども含めながら、より具体的な解決方法まで踏み込んでまとめました。また、Q&Aに関連した豆知識的な情報については、コラムで紹介しています。さらに、事例なども適宜用いて読者に具体的なイメージをもっていただき、トラブルを避けることができるように構成しています。
 起業・運営管理・経営管理の方法は、訪問看護ステーションの規模や地域性もあり、正解は必ずしも一つではありませんが、執筆者の三者三様の経験から、多くのヒントを得ることができると思います。これから訪問看護事業の起業を目指す、あるいは運営・経営に携わる方々のお役に立つことができればと考えています。

主な目次

第1部 これから訪問看護ステーションを起業・経営・管理する方へ
1.なぜ、今、訪問看護が注目されるのか?
2.訪問看護の魅力
3.訪問看護ステーションを起業することが新しいキャリアビジョンになる
4.決意から開設までのタイムスケジュール&やることリスト
5.起業しないという選択肢
6.事業を継続させるために

第2部 Q&A
1.起業を決断した!
○どんな訪問看護ステーションをつくりたいか?―事業の目的と最初に考えること
Q 「理念」はどのようにつくるのか?
Q 理念、ミッション・ビジョン・バリューの考え方は? どうやって言語化するのか?
Q 法人名、事業所名はどうやって決めればいい?など
2.最初に具体的に準備しなければいけないことは?―マーケティング、立地や資金など
○どこでやるか?
○誰とやるのか?
○資金計画
○法人設立の手続き
○申請の準備
Q 指定申請の流れについて教えてください
Q 訪問看護ステーション開設書類の作成、申請について気をつけることは?
Q 運営規定はどのように作成すればよい など
3.開設準備中に考えることは?―運営などについて先にやっておくべきこと
○開設準備中にすべきこと
〇組織として取り組むこと
4.さあ! オープン!!
○開設直前から直後に考えること・取り組むこと
Q どこに営業に行けばよい?
Q どのくらいの期間で損益分岐点を目指せばよいか?
Q 財務三表の見方を教えてください  など
5.訪問看護ステーションの運営をスムーズに展開させるには
○運営をスムーズにするためのポイント
○採用に関すること
○スタッフの育成に関すること
○スタッフは満足しているか?―働きやすい職場環境づくり
○組織づくりに関すること
6.経営は順調か?
○思い通りに進んでいるか
○売り上げが順調でないとき
○小規模ステーションから大規模化、多店舗経営、多角経営に向けた取り組み
○開設1年目によくある悩みごと
Q 経営者・管理者・プレイヤー、全部自分でやってしまう…
Q 開設して半年が経ったけれど、利用者を増やすことができない…
Q 開設半年後くらいから資金繰りが大変になってきた… など
○開設2年目によくある悩みごと
Q スタッフが退職してしまい、人手が足りない…
Q 経営者・管理者が訪問に回りすぎて、管理業務が追いつかない…
Q 資金繰りが改善しないが、どうすればよいだろうか?   など
○開設3〜5年目によくある悩みごと
Q プレイングマネジャー、管理者を卒業するタイミングが難しい…
Q 管理者やスタッフなど、創業期のメンバーが同時期に辞めるような危機をどう乗り切るか?
Q 事業の承継について教えてください など

著者情報

編集
公益財団法人日本訪問看護財団
佐藤美穂子(さとう・みほこ)
 公益財団法人日本訪問看護財団常務理事
平原 優美(ひらはら・ゆみ)
 公益財団法人日本訪問看護財団常務理事
執筆者(執筆順)
平原 優美(ひらはら・ゆみ)
 公益財団法人日本訪問看護財団常務理事
藤野 泰平(ふじの・やすひら)
株式会社デザインケア代表取締役社長、みんなのかかりつけ訪問看護ステーション代表
柳澤 優子(やなぎさわ・ゆうこ)
一般社団法人Life&Com代表理事、在宅看護センターLife&Com代表
加藤  希(かとう・のぞみ)
中央パートナーズ株式会社代表取締役社長、東京ひかりナースステーション所長