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本人の「困った!」、支援者の「どうしよう…」を軽くする 強度行動障害のある人を支えるヒントとアイデア

リアルエピソードから見つける支援のヒントとアイデア

強度行動障害のある人、行動障害があらわれている人に対する標準的な支援の方法は、「強度行動障害支援者養成研修」を通じて全国的にも広がりをみせています。ですが、あらわれる行動も、その背景にある要因(障害特性と環境・かかわりとの相互作用)も個別性が高く、誰にでも通用する万能な手立てがあるわけではありません。かかわりに困難を感じながらも試行錯誤をくり返し、魅力ある仕事として実践を続けている支援者が全国にはたくさんいます。
「支援がうまくいっている理由は何か?」「行動問題をどうとらえればいいのか?」「チームで支えるにはどうすればいいのか?」。
本書では、支援の手がかりを見つけるため、強度行動障害のある人にかかわる9人の支援者に、多くが共感できる「どうしよう!」「困った…」のリアルエピソードを綴ってもらいました。この道20年超の先輩方の経験談と、これからの支援が前向きになる視点と合わせて、それぞれが現場から学んだマインドやスキルを惜しみなく公開します!

編集者から読者へのメッセージ

本書の企画のはじまりは、全国各地の支援者のみなさまとZoomでの「はじめまして」の意見交換会からでした。本人とのかかわりのエピソードは、正直「大変そうだなぁ……」と思うものばかりでしたが、話すみなさんの表情やまとう空気は、終始穏やかであたたかで、ふんわり包んでもらえるようなそんな時間でした。
表にあらわれる激しい行動はすべて本人からのメッセージであること。本人のことは本人が教えてくれること。こだわり行動には絶対に勝てないこと。本人と同じように支援者も一人の大切な人であるということーー。実践に裏づけられた言葉たちが、本書を骨太な内容にしてくれています。支援の打つ手がなくなって一緒に海に行った話など、研修では聞けないエピソードもたくさん詰まっています。
支援にかかわる方のそばに、ぜひおいていただきたい一冊です。
今回、表紙を飾ってくださったのは、松本寛庸さんの作品「核小体2」。色とりどりの核小体をぜひお楽しみください。

主な目次

第1章  強度行動障害のある人と支援のこと

第2章  支援のヒント・アイデアが見つかる9のエピソード
 エピソード1 この仕事を通して感じたこと・やりがい
 エピソード2 一人ひとりに合わせた準備
 エピソード3 コミュニケーションを通じた関係づくり
                 を含む全9エピソード+先輩’s EYE

第3章  支援が前向きになる6の視点
 第1節 強度行動障害のある人の魅力─強度行動障害の理解
 第2節 一人の大切な人として─行動障害と虐待防止と権利擁護
 第3節 暮らしを支えるための医療 ─医療と福祉の連携
 第4節 スタッフの成長を支える─チームプレイの基本
 第5節 学びの大切さ─利用者の権利擁護と支援者ケアの関係
 第6節 みんなで取り組む強度行動障害支援─地域・組織的アプローチの重要性

著者情報

編著者

西田 武志(にしだ・たけし)
社会福祉法人南山城学園 障害者支援施設 翼 施設長
京都府に本拠を置く法人。障害者支援施設 翼 は重度の知的障害と自閉症を併せもち、強度行動障害の状態にある成人の利用者の生活の場。強度行動障害支援者養成研修(指導者研修)ではファシリテーターとして京都府の同研修では講師として支援者の育成に携わっている。

福島龍三郎(ふくしま・りゅうさぶろう)
社会福祉法人はる 理事長
佐賀県に本拠を置く法人。障害福祉分野の生活介護、就労継続支援B型、共同生活援助、短期入所、相談支援、行動援護、居宅介護、障害者文化芸術普及支援事業を運営。佐賀県ではまだ少ない強度行動障害のある人のグループホームに取り組んでいる。著書に『強度行動障害のある人の「暮らし」を支えるー強度行動障害支援者養成研修[基礎研修・実践研修]テキスト』(共編著、中央法規出版)などがある。