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クライエントとともに創る コプロダクション型精神看護過程―基礎知識・事例&計画シートで実践に活かす

内容紹介

これからの精神看護実践に欠かせないラストピース

 「コプロダクション」は、医療者と患者(クライエント)が対等なパートナーとして意見を出し合い、提供されるサービス内容の決定に両者が関与していくことを意味しています。
 近年、精神看護実践で注目された「リカバリー」と「ストレングスモデル」は、これまでの中心であった「セルフケア理論」とは一部相反する点もあり、この数年、看護師は矛盾をどう調整し、看護過程にどのように組み込んでいくのがよいかを模索してきました。
 そのようななか、令和5年版看護師国家試験出題基準にも加えられたこの「コプロダクション(共同創造)」こそが、「リカバリー」を意識し、「ストレングスモデル」に基づいた実践をするために必要な、セルフケア理論とも統合できる、これからの時代の精神科における看護過程のあり方を示す“ラストピース”となるものといえるのです。

新時代の精神看護を支えるスタンダードについて解説

 本書では、看護師が一方的にサービスを提供するモデルから脱却し、クライエントと看護師の双方が対話をしながら一緒に取り組んでいく「コプロダクション型精神看護過程」に関する基本的視点を示すとともに、コプロダクションの考え方に基づいたオリジナルのアセスメント様式と計画シート等を収載し、看護過程の進め方やコプロダクション計画の作り方、具体的な実践事例の展開等について紹介します。

編集者から読者へのメッセージ

 「コプロダクション」という言葉を聞き慣れない人もいると思います。また新しい考え方が海外からやって来たのかと考える人もいるでしょう。しかし、コプロダクション型の精神看護過程は、難解な知識が必要な、臨床では到底できない難しい実践というものではありません。「コプロダクション」という用語をまったく知らなくても、これまで自然に実践している看護師は多くいます。本書では、コプロダクション型精神看護過程とは何か、コプロダクション型精神看護過程の大前提となる治療的関係の構築に立ち戻りながら解説していきます。
 看護師国家試験出題基準に加わったことから、これからの看護学生は「コプロダクション」を当たり前のこととして学んでいくことになるでしょう。そのため、「コプロダクション」は、現在臨床で活動する看護師にも必須の知識・技術となっていきます。看護師向けに本邦ではじめて解説された本書を手にとり、ぜひこれからの精神看護のスタンダードに触れてみてください。

主な目次

第1章 コプロダクション型精神看護過程を実践するための基礎知識
1 はじめに~コプロダクションと既存の理論モデルとの関係性~
 1. リカバリーとストレングスモデルによる変化
 2. コプロダクションの登場
 3. コプロダクションとリカバリー、ストレングスモデルの関係
 4. ストレングスモデルと看護過程
2 リカバリー~看護によって促進するクライエントのアウトカム~
 1. リカバリー(パーソナル・リカバリー)とは何か
 2. リカバリーと回復をめぐる勘違い
 3. リカバリーのための指針
 4. クライエントのリカバリーを意識して看護を提供するということとは
3 ストレングスモデル~クライエントのリカバリーを促進するためのスタンス~
 1. ストレングスモデルとは
 2. ストレングスモデルの6つの原則
 3. 希望・これまでの経験・自身と周囲の強みをアセスメントする
4 治療的関係の構築~コプロダクションの基礎であり、最重要な技術~
 1. 治療的関係とは
 2. 治療的関係の構築を促進する接し方
 3. 治療的コミュニケーション
 4. クライエントへの姿勢を日々振り返る
5 包括的な看護アセスメント~客観的な見立てとケアを提案できる技術~
 1. バイオ・サイコ・ソーシャルモデル
 2. オレム-アンダーウッドのセルフケア理論に基づくセルフケアアセスメント

第2章 コプロダクション型精神看護過程
1 コプロダクションとは
 1. コプロダクションとは
 2. 精神看護の臨床はコプロダクションが求められる領域
2 コプロダクションの基盤となる考え方と運用ルール
 1. コプロダクションの基盤となる考え方と運用ルールについて
 2. コプロダクションの基盤となる考え方のポイント
3 コプロダクション型精神看護過程の展開
 1. コプロダクション型精神看護過程の手順
 2. コプロダクション型精神看護過程における「看護問題」と優先度
4 コプロダクション型精神看護過程を実践できているかどうかのチェック
5 コプロダクション型の看護計画をうまく実践するヒント
 1. 従来型の看護計画表とコプロダクション計画表の併用
 2. 電子カルテシステムとコプロダクション型精神看護過程の併用
 3. 交換日記のような形態に応用もできる
 4. 失敗してもよい、そして完璧な計画である必要もない

第3章 実践活用事例
はじめに
1 事例1:統合失調症の治療で入院中のBさん
2 事例2:双極Ⅱ型障害、市販薬の使用障害の治療で入院中のCさん
3 事例3:うつ病/大うつ病性障害の治療で入院中のDさん
4 事例4:強迫症/強迫性障害の治療で入院中のEさん
5 事例5:神経性やせ症/神経性無食欲症の治療で入院中のFさん

資料 アセスメント様式とコプロダクション計画シート

著者情報

編集
木戸芳史(きど・よしふみ)
 浜松医科大学医学部看護学科教授
執筆(執筆順)
木戸芳史(きど・よしふみ)
 浜松医科大学医学部看護学科教授
関本朋子(せきもと・ともこ)
 東京有明医療大学看護学部看護学科助教
金田彩(かねだ・あや)
 沼津中央病院看護部
角田秋(つのだ・あき)
 東京有明医療大学看護学部看護学科教授
桑原杏奈(くわばら・あんな)
 浜松医科大学医学部附属病院看護部
増田郁美(ますだ・いくみ)
 浜松医科大学医学部看護学科助教