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言葉かけから見直す「不適切な保育」脱却のススメ 保育者の意識改革と園としての取り組み

内容紹介

 2022年全国で不適切な保育に関する報道が相次いでなされ、国は全国調査を行い、2023年5月、不適切な保育に関するガイドラインを発出しました。不適切な保育が起こる背景はさまざまですが、保育者個人として、または園としての予防に向けた取り組みが不可欠です。
 本書では、日常の言葉かけやかかわりに、不適切な保育が生まれる芽があるのではと考え、日々の保育から見直していこうという提案です。日常のカンファレンスや園内研修に使えるワークも用意しました。
 「これは不適切かな?」と思い悩んでいる方、本書で日常の保育を見なおしてみませんか。

本書の特徴

その1 不適切な保育が生まれる背景がわかる
その2 日常の言葉かけやかかわりを具体的に見直す
その3 不適切な保育が起こった際の対応(リスクマネジメント・クライシスマネジメント)を知る

編集者から読者へのメッセージ

 こども家庭庁の「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」(令和5年5月)では、不適切な保育について、虐待を含めた幅広い捉え方をしています。今回、編者と話をしていくうちに、日常的な言葉かけやかかわりにこそ、不適切な保育の芽が潜んでいて、まずは日常の保育の見直しをすることの重要性を本書のテーマとすることになりました。そのため、「これも虐待につながるの?」と思われる例示があるかもしれません。
 しかし、不適切な保育は恒久的なものではなく、日々捉え方も変化していくものだと考えています。大切なのは、自分たちにも起こりうることであり、日常的に振り返る姿勢・体制づくりではないでしょうか。そうした意識づけ・実践に本書が役に立てば幸いです。

主な目次

はじめに
第1章 実は身近な「不適切な保育」
第2章 言葉かけから始まる「不適切な保育」が子どもにおよぼす影響
第3章 「不適切な保育」をなくすために
第4章 それでも「不適切な保育」が起こったら?
資料 言葉かけ言い換え一覧表/言葉かけを考えようワーク ほか

著者情報

編著者
菊地奈津美(きくち・なつみ) こどもの王国保育園 西池袋園園長。聖徳大学児童学科卒業後、さいたま市および板橋区の公立保育園で7年間、保育士として勤務。その後、東京学芸大学芸の森保育園にて主任保育士兼研究員として勤務。2017年にこどもの王国保育園を設立、現在に至る。YouTubeチャンネル「ちょび園長の保育・子育て応援TV」にて保育の情報を発信中。著書に『保育のあるあるなお悩みを一気に解決!0・1・2歳児担任のためのお仕事Q&A 』(明治図書、2020年)、『楽しみながら成長できる保育リーダーの教科書』(中央法規出版、2021年)がある。

河合清美(かわい・きよみ)
NPO法人こども発達実践協議会代表理事、東京都認可保育園園長、星美学園短期大学特別講師。学校卒業後、神奈川県川崎市公立保育園、横浜市認可外保育園に勤務した後、横浜市にて社会福祉法人と認可保育園の立ち上げに携わる。主任保育士まで経験した後、株式会社運営の認可保育園に移り、保育士から園長となり6年を経験。2015年、一般社団法人教育文化振興会のアソシエートトレーナー認定を受ける。2016年、保護者と保育士に向けたサポートや学びの機会づくりをすべくNPO法人こども発達実践協議会を設立し、代表理事となる。現在は、東京都認可園園長を務めながら、豊富な現場経験を活かして保育実践や保育士コミュニケーション研修の講師として登壇。また各メディアを通じて、子育てアドバイザーとしても情報提供を行っている。Twitterアカウント『園長きよみ☆ぷちコラム☆(@petit_column)』のフォロワーは1万3000人。

執筆
坂上裕子(さかがみ・ひろこ)
(青山学院大学教育人間科学部教授)
青木一永(あおき・かずなが)
(社会福祉法人檸檬会副理事長・大阪総合保育大学非常勤講師)