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図とイラストでよくわかる 子どもの起立性調節障害
―最新の診断・治療から日常生活のサポートまで―

内容紹介

 起立性調節障害は、頭が痛くて朝起きられず、夜になると目がさえて夜更かしをしてしまうため、親や学校からは「単なる寝不足」「怠けている」「気持ちの問題」と誤解されがちです。そうして苦しんでいる子どもが小中高生の約1割強と推計されています。

 日本小児心身医学会が作成したガイドラインによって一定の理解は進みましたが、まだ適切な診断・治療は医療現場に広がっているとはいえず、学校でも限られた理解にとどまっています。本書は、ガイドラインの作成委員長を務め、長年、起立性調節障害研究に取り組んできた著者が最新の知見をまとめたものです。軽症~中等症だけでなく、難治性の症例についても、診断・治療の方法、日常生活上のサポートなどを詳しく解説しています。家族が起立性調節障害に気づく難しさも記して、長期間に及ぶサポート体制が必要だという、気持ちの整理の手助けもしてくれる内容となっています。
 患者さんから寄せられる疑問を端的にまとめたQ&Aも収載しており、当事者や教育関係者、医療関係者にご活用いただける書籍です。

編集者から読者へのメッセージ

 頭が痛くて朝起きられないけれど、夜になると目がさえて夜更かしをしてしまう「起立性調節障害」の子どもたち。原因がわからず周囲の理解が得られにくいため、「単なる寝不足」「怠けている」「気持ちの問題」などと誤解され、苦しんでいます。

 そんな子どもや親御さんにとって心強い味方になってくれるのが本書といえます。約40年、患者さんたちに寄り添い、伴走してきた起立性調節障害研究の第一人者である著者が、最新の知見をまとめたものです。若干、難解な記述もみられますが、図やイラストも交えて理解しやすくまとめていますので、起立性調節障害の子どもやその親御さんが学ぶだけでなく、学校関係者や医療関係者に理解を促すツールとしてもご活用いただけます。是非お手に取っていただければ幸いです。

主な目次

第1章  症状編
第2章  一般外来 診断編
第3章  治療 軽症~中等症編
第4章  重症の起立性調節障害の経過とは?
第5章  起立性調節障害の最新診断法
第6章  難治性の起立性調節障害のコンプリート療法 再挑戦編
第7章  難治性の起立性調節障害のコンプリート療法 復活編
第8章  さらに詳しく知っておきたい起立性調節障害Q&A

著者情報

田中 英高(たなか・ひでたか)
OD低血圧クリニック田中院長。1980年大阪医科大学卒業。1986年同大学院修了(医学博士)、同小児科助手。1992年スウェーデン、リンショッピン大学客員研究員。トレシウス教授に師事。1994年スウェーデン資格医学博士取得、大阪医科大学小児科講師。1997年大阪医科大学小児科助教授。2008年日本小児心身医学会理事長。2014年OD低血圧クリニック田中院長。専門領域は、起立性調節障害、不登校などの心身症。日本小児心身医学会・小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン作成班作成委員長