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コーソクくん、福祉サービスを歩く withステッキ

<連載8> 在宅介護の切り札「小規模多機能型居宅介護」 その2

 「えがお」の駐車場の横の小さなスペースは菜園になっており、季節の野菜を作っています。トマト、ゴーヤー、シソ、ナスなど、次々に旬のものが成長。これらはもちろん自家消費しておかずになってしまう。利用者さんの中には農家の方もいて、職員さんも頼りにしているようです。

写真1

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 きゅうりを見て「おいしそうだから、塩でもんで食べちゃいましょう」という一声が利用者さんから上がると、それじゃあと収穫が始まり、ホールのテーブルでおばあちゃんが手慣れた包丁さばきで浅漬けを作る。皆さん、いきいきしているし、こういうこと一つ一つがうれしいのでしょうね。


 ここは待っていればご飯がでてくる所ではありません。自宅にいる時と同じです。お腹がすく。食べたいものを考える。買い置きしてある食材を確認し、足りない分の買い物に行く。おいしそうな商品を選ぶ──。
 「残っている能力をどうすれば最大限活かしていただけるかを常に考えています」と田中絵理施設長。確かに、上げ膳据え膳は楽だけど、続けていると、日常生活のふるまい方を忘れてしまいそうです。

 「私たち職員はサービスを提供、支援させていただくわけですが、逆に皆さんに支えられているし、勉強させていただいている部分が大きいと思います」(田中施設長)
 人生の大先輩たちは大きな知恵袋を持っています。草履の編み方から、掃除のコツ、家庭料理の秘伝など、いろいろ教えてくれるそうです。人生相談にのってくれることもあれば、第二次世界大戦の話が出ることも。ボクも通っているデイサービスで、お年寄りに大正12(1923)年に起きた関東大震災の体験を聴いて驚いたことがあります。
 若い職員さんにとっては、花嫁・花婿修行、日本文化や歴史がナマで学べる貴重なカルチャースクールなのかもしれませんね。

 「利用者さんはもちろんご家族とも時間をかけておつきあいを深め、お互い理解し合っていくことが大切だと思っています」

 小規模多機能型居宅介護「えがお」のキーワードは信頼関係。次回で、それを具体的にどう築きあげつつあるのか、お伝えします。
 (次回に続く)


写真2
食事の用意や掃除、買い物など、家事は利用者さんにとってお手のもの。


写真3

医療法人財団 アカシア会 小規模多機能型居宅介護 えがお
埼玉県三郷市早稲田3-26-9 ℡048-950-7325

 次回の更新予定は10月5日(金)の予定です。


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、急性硬膜下血腫で手術。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害と共存しながら新たな暮らし方を模索中。

*コーソクくんの旧連載(『ボクは高次脳機能障害』)をご覧になりたい方はこちら

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