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コーソクくん、福祉サービスを歩く withステッキ

<連載7> 在宅介護の切り札「小規模多機能型居宅介護」 その1

 近所の内科医院に通う途中で、おばあちゃんたちに出会うことがあります。どこに行くのか、散歩かな、まさか徘徊じゃないよね。彼女たちが入っていく建物に目をやると、「小規模多機能型居宅介護 えがお」という表札が貼られている。まずは疑問が湧いてきます。その小難しそうな、小規模多機能型居宅介護って何? そこでお願いして見学をさせていただくことに──。

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 介護保険を使った居宅での介護サービスにはさまざまなものがあります。ボクの場合、デイサービスや福祉用具レンタルなどいくつか利用しています。ここの施設で提供しているのが、小規模多機能型居宅介護という地域密着型の介護サービス。このサービスは、デイサービス(通い)、ショートステイ(泊まり)、ホームヘルプ(訪問)を臨機応変に組み合わせて24時間365日、切れ目なくサービスを提供し、住み慣れた自宅を中心にその人らしい暮らしを続けていけるよう支援するものだそう。


 中は広くてバリアフリー。明るくすっきりしています。そこでおばあちゃん数人が職員さんと一緒に昼食の準備をしていました。洗面台の拭き掃除をしているおじいちゃんは、職員さんに感謝されて嬉しそう。ベッドルームでは気持よさそうに寝ているおじいちゃんも。家庭とは一味違う和みがありますね。
 ベッドは病院にあるような介護タイプ。お年寄りの方はベッドより布団が、という方も多いでしょうから、仕切りができる広い和室も用意。おばあちゃんは子どもと違って枕投げはしないのでしょうね。

 家庭では食事の準備は嫁さん任せにならざるを得ないけど、ここならマイペースで好きな食べ物を料理できるという楽しみがありそう。編み物や絵画などの趣味もやりたくなる雰囲気ですね。お琴やピアノもあるから音楽も楽しめます。
 人によってやりたいこと、やりたくないことは違います。「お一人お一人の思いや望みを汲み取り、かなえる支援をしたい」と田中絵理施設長は言います。

 “小規模”とついていることからもわかるように、大勢が利用する施設ではありません。制度上、1つの事業所に利用登録できるのは25名以内。「えがお」の場合、登録人数は25名で、通いは1日15名まで、泊まりは5名まで受け入れています。

 制度的に介護費用は定額なので安心だけど、福祉用具レンタルや訪問リハビリを除いて他の介護サービスとの併用はできないので、それがちょっと惜しい。ただし今年の4月からは小規模多機能居宅介護に「訪問看護」を組み合わせて、複合型でサービスを提供することも可能になったそう。事業所によっては、看護師さん等によるケアを入れ始めたところもあるらしい。小規模多機能も、チビだけど進化していくのですね。
 (次回に続く)

 次回の更新予定は9月21日(金)です。


kosoku_20120906_1.jpg小規模だから職員と顔なじみの関係ができやすく、利用者もリラックスできる


kosoku_20120906_2.jpg

医療法人財団 アカシア会 小規模多機能型居宅介護 えがお
埼玉県三郷市早稲田3-26-9 ℡048-950-7325

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、急性硬膜下血腫で手術。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害と共存しながら新たな暮らし方を模索中。

*コーソクくんの旧連載(『ボクは高次脳機能障害』)をご覧になりたい方はこちら

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