ページの先頭です。

ホーム >> 家庭介護サポーターズ >> 長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ
長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ

支えてくれる町から 「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーン発表会の紹介

 きびしい寒さの日々ですが、皆さまお元気でしょうか。風邪をひきやすい気候です。体調には充分に気をつけてください。
 先週は、心、町、人についての暖かな言葉をご紹介させていただきましたが、今日はその中の「町」についてお話します。
 日本は少子高齢化が進み、超高齢化社会となりました。お年寄りが増えるにしたがい、認知症の人も増えてきました。
 認知症は病いに他なりませんが、周囲の人のサポートがあれば、病気を抱えながらも自分らしく、社会の中でいきいきと生きることができます。ただ、そのサポートが一握りの専門医やケア専門職、施設だけでは対応できなくなってきました。
  もちろん、認知症の原因となる疾病には専門医などの力が必要です。しかし、認知症の人が住みなれた町で、これまでどおりに暮らすためには、家族はもとより地域の人々からの支えが欠かせないのです。

続きを読む

 そのためには多くの一般の市民の方々が認知症のことを正しく理解して、みなが一緒に暮らしている町の中で支えあっていくことの必要性が、認識されるようになってきました。
 2004年の秋、国際アルツハイマー病協会の第20回国際会議が京都で開催されたときに、「『痴呆の人とともに暮らす町づくり』地域活動推進キャンペーン(名称は当時)」が発表されました。
 私のブログでも、昨年8~9月に少しご紹介させていただきましたが、この発表会で私が見たことは、驚きの一言につきました。市民の方々がそれぞれ工夫して、認知症の方と家族を支える努力をされていたのです。そして、こうした経験をその町だけでなく、他の町と伝え合うことの大切さを認識する大きな契機ともなりました。会場は、参加者であふれんばかりの盛況でした。
 翌年以降は、厚生労働省から支援を受け、企業団体、福祉団体、各界有識者といった幅広い分野・団体・人々から構成される「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」が立ち上がり、「認知症を知り 地域をつくるキャンペーン」が始まりました。
 この取り組みの一つとして「『痴呆の人とともに暮らす町づくり』地域活動推進キャンペーン」も「『認知症でもだいじょうぶ』町づくりキャンペーン」という名称に変更して継続することとなり、実行委員会や推薦委員会等の組織がつくられました。
 さまざまな市民グループ、暮しを支える商店、企業の人々、地方自治体から町づくりの工夫が寄せられ、町づくりのモデルとなるような活動の表彰、発表会が毎年行われるようになりました。
 2007年度も全国から49の活動報告が寄せられました。推薦委員会での検討の結果、「町づくり2007モデル」に決定した8つの活動の表彰・発表会が、来る3月1日(土)13時半より、全社協ビル1階の灘尾ホール(東京都千代田区霞が関)で行われます。
 発表会の内容はこのブログでもご紹介させていただきますが、お時間がとれる方はぜひお越しください。「認知症でもだいじょうぶ」な町づくりという市民の先駆的な取り組みから、心強さを感じられることと思います。

◆「『認知症でもだいじょうぶ』町づくりキャンペーン2007発表会」についてはこちらをご参照ください
http://www.ninchisho100.net/topics/0712.html


コメント


長谷川先生、いつもブログを楽しみにしています。今日は少し行き詰ってしまいました。グループホームで働いていますが、人員不足に悩まされ、今日もご家族からクレームです。クレームの原因を人員不足のせいにするわけではないのですが、スタッフにゆとりが無いのは実際です。この先介護する人は世の中からいなくなってしまうのではないかと不安を感じます。いくら教えても辞めていってしまうし、人は集まらないし・・。きっと私だけではないと思いますが・・。人気のある俳優さんや女優さんで介護のドラマでもやってくれたらいいんじゃないかと思ったり・・!?
先生、モチベーションを保つにはどうしたらいいか教えてください。


投稿者: あじさい | 2008年02月05日 21:34

私は、まだ出産経験がないので少子高齢化社会の問題児かもしれません。ごめんなさい…と、お詫びしたくなるような耳の痛い御話しです。
このままだと、2020年には3人の非高齢者が1人の高齢者の面倒を見るという超高齢社会へ突入します。大変です。私も年子か双子・三つ子を産めるよう、間に合わせないとなりません。
子供は次世代を担う大切な宝ものですから…
行政には、子供を産み・育てやすい環境整備やお元気な高齢者を含む認知症の方が暮らし易い社会システムの構築に期待したいです。
施設勤務だと視野が狭かった事に気付き、どこの地域の方達とも仲良く関わり認知症を理解して頂きたい気持ちで一杯です。
みんなで同じ目標をもち、みんなで一緒に幸せになれるように支え合い、お互いの目に笑顔が映る情景はとても言葉では表現できない程の、幸福感があります。とても素敵な事ですね。
認知症の方や認知症の方を支える御家族・専門職の笑顔も、とても素敵です。私は一人でも多くの方の笑顔を守りたいと思います。
何故なら、私も笑顔でいたいからです。


投稿者: 玉本あゆみ | 2010年02月08日 17:16

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

コメントを投稿する




ページトップへ
プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
hasegawa-book.jpg
メニュー
バックナンバー
その他のブログ

文字の拡大
災害情報
おすすめコンテンツ
福祉資格受験サポーターズ 3福祉士・ケアマネジャー 受験対策講座・今日の一問一答 実施中
福祉専門職サポーターズ 和田行男の「婆さんとともに」
家庭介護サポーターズ 野田明宏の「俺流オトコの介護」
アクティブシニアサポーターズ 立川談慶の「談論慶発」
アクティブシニアサポーターズ 金哲彦の「50代からのジョギング入門」
誰でもできるらくらく相続シミュレーション
e-books