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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ

アルツハイマーデーによせて

 9月21日は世界アルツハイマーデーでした。そのため毎年9月には、世界の70以上の国で認知症の人と家族の会などの団体が、認知症についての啓発活動や講演会などを行って、患者さんや介護者の方を支援する活動が行われます。
 9月12日に東京の新宿駅前で行われた街頭活動には、認知症介護研究・研修東京センターの「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」の事務局が、認知症の人と家族の会東京都支部の方たちと共に道行く人にリーフレットを手渡し、認知症への理解をよびかけました。

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 また、9月9日には朝日新聞社主催の「2007年アルツハイマーデー記念 第7回もの忘れフォーラム」が東京国際フォーラムで開催されました。第1部は、厚生労働省認知症・虐待防止対策推進室の井内雅明室長が開会の挨拶をされ、続いてほうゆう病院院長の小阪憲司先生が基調講演をされました。小阪先生は講演の中で、早期診断・治療の大切さを強調されました。
 私は第二部のチェアマンを務めました。ここでは、「もし認知症になったら、を考える」をテーマに、医師、看護師、ケアマネジャーがそれぞれの意見を語り合いました。中でも特に、住み慣れた家で暮らし続ける認知症ご本人の姿(映像)と檀上にあがられたご家族の「なんとかやっております」の声に、とても勇気づけられました。
 最後に私は、名司会をされた田村あゆちさんと共に、認知症は生易しいものではなく、認知症の人を理解することの難しさを述べた上で、認知症の人一人ひとりの物語に思いを馳せることの大切さを呼びかけました。そして、人生の終着期に立った人は、“Doing-何かをすること”はできなくなっても、“Being-生きていること”の尊厳性を輝いてもつことができることを強調しました。この時、4500人の聴衆の方々から拍手がおこったことに、私は本当に励まされました。

■「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーン2007事務局
〒168-0071 東京都杉並区高井戸西1-12-1 認知症介護研究・研修東京センター
電話:03-3334-3073(FAX兼用) 電話受付時間:月~金(祝除く)10:00~16:00
E-mail machican@dcnet.gr.jp  URL http://www.dcnet.gr.jp/campaign/


コメント


私が実名を出すのは顕示欲でも何でもございません。認知症の方や御家族から多くの勇気を頂き、偽る必要はないと感じたからです。

私が初めて先生と御目にかかったのは、H19年10月8日NHK大阪ホールで開催された「認知症フォーラム あきらめない~最新医療と社会の支え~」でした。「この方が、あの有名な…」と言葉も出ない位、ドキドキした事を覚えております。(居眠りしてしまったのは…普段、やる事が多くて寝不足だったからですが、きちんと拝聴しておりましたので。すみません。) 

「アルツハイマー記念日」で思いだした、非常にお恥かしいお馬鹿なエピソードがあります。昨年、行われた「認知症ライフパートナー」という試験に、アルツハイマー博士の国籍を問う問題がありました。
普段から対応や病気に関する知識収集、認知症の方達と触れ合う事が楽しくて楽しくて、私流のケア改革や実務に着眼していた為に、アルツハイマー病を発見した人の事まで目が届きませんでした。世俗の現状を知り、次のステップに向けて、自分の事例を振り返り、前に前に進もう、バラエティに富んだアイデアを考えようとしているので余裕がなかったのかもしれません。試験中、「はて…?ドイツだった様な…オーストラリアだった様な…いやいや、オーストラリアはクリスティーンさんで…(博士の顔は写真で拝見していたので)博士はアンネ・フランクの様な堀の深い顔だったから…ドイツと言えばソーセージが美味しくて…」この様な有り様で、冷や汗たらり…で受けた事を思い出しました。駄目ですね(反省)


残念ながら「2007年アルツハイマーデー記念 第7回もの忘れフォーラム」には行けませんでしたが、当時の様子をネットで知りました。
お年寄りは「早く、あの世に行ってしまいたい。年だから…」と皆さん口を揃えて言われます。
戦前・戦後苦労をした私の祖母も晩年は「早く御爺ちゃんのところに…」と生きる事に悲観的でした。20代前半までは、その気持ちの意味の深さに気付く事が出来ずに、気休めを言ったり、時には疎ましいとさえ思う事もありました。いつか年老いて「死ぬのが怖いか?」と問われれば、答える事は出来ません。しかし、私自身の人生経験が自分自身を変えてくれた御陰で、相手の立場に立った心で感じた素直な言葉を発する様になりました。神様からの贈り物だと感謝しております。自分が1日1日を無駄にせずに与えられた使命を全うする事でポジティブな気持ちに変わっていける事は実感しておりますが、長谷川先生の素直な御言葉は、私の様な若輩者や多数の高齢者様にも勇気や知恵を御与えになるかと思いました。何故、以下の消化しやすい貴重な御言葉が出て来られたのか、その背景は想像でしか分りませんが心より尊敬しております。
『私自身が高齢になり、素晴らしさを感じます。過去の記憶や知識など蓄積したものを味わいつつ、新しい刺激を毎日受ける。新しい刺激と古い知識、体験とが混ざり合って、全く別の新しいものが出てくる。これも神様からの貴重な贈り物だと思います。「Doing(何かをする事)ではなく 「 Beig(そこに存在する事)これこそが人間として一番尊いこと』
      (長谷川先生のコメント引用)
Beingしなければ、何も始める事は出来ません。Beingしていても存在する事の意味が理解出来ずに神様に背く様な存在の仕方をしておられる方もいらっしゃるでしょう…私に出来る事があるとすれば、その意味を見つけられない方に寄り添いながら、Beingしている事の素晴らしさを一緒に見つけていく事だと思っています。この先、万が一、先生が杖をついて歩かれようとも先生の代わりは誰にも出来ません!!何があっても「迷惑を…」等と決して思わないで下さいませ!!
皆さん、長谷川先生から多くの事を学ばせて頂いた恩返しをしたいと心に留めておられるはずですから。どの様な形でも、御元気なご様子を拝見できるだけで、私達のDoingへと導いてくれます。これからも、色々な事を御伝授頂きたいので何卒宜しくお願い致します!深い苦しみから這い上がれたのも、認知症の方達や御家族から頂いた笑顔、長谷川先生の笑顔、応援して下さる皆さんの「心」でした。まだまだ、恩返しして参ります。先生のBeingは非常に心強いです!

ちなみに、基調講演をなさった小阪憲司先生は、私の兄と同名・同字で非常に親近感を感じました。(単純ですね)
家族の会が全国各地で行っている「街頭活動」にも勇気やパワーを頂戴しました。小さな事からコツコツと…西川きよしさんの御気持ちも良く分ります。
昨日、ハートネットピープルに掲載されていた足立御夫妻のブログに返信のコメントを書かせて頂いたのですが、御夫妻様の絆・夫婦愛は御手本となり羨ましくもあり、御夫妻様からも勇気やパワーを頂戴致しました。
神様から頂戴した恩恵は決して無駄ではありませんでした。私に勇気と優しさ・逞しさを授けて下さいました事に感謝している今日この頃です。

長谷川先生も、どうか御無理だけはなさらずに、現代社会は何かに付けて恵まれ過ぎている事を御教授下さい。依存心の強い怠惰な方が増えない様に…。宜しくお願い致します。私も、まだまだ!楽しみながら励みます。


投稿者: 玉本 あゆみ | 2010年01月20日 13:56

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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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