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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ

安倍総理の辞任

 安倍総理の辞任、そしてその後の政局の激震。国政の空白が許されない多事多難の今、私たちも不安になります。ことに介護に毎日追われている家族の方の想いは、と考えます。前回は、認知症や障害をもつ方が地域で安全に暮らしてゆくためには、インフラ機構の構築が必須ということを話しましたが、政治が不安定ではそれもままなりません。1日も早く、安心して任せられる政権の樹立、政策を実現していただきたいものです。
 さて、このように政治と私たちの生活は密着しています。しかし、それにもまして、認知症になっても安心して暮らせる町づくりのためには、その町で暮らす私たち一人ひとりの力が要なのだという話を今回はしたいと思います。

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 認知症になっても安心して暮らせる町づくりを成功させ、持続させてゆく要因はいくつもあると思います。先日紹介した「『認知症でもだいじょうぶ』町づくりキャンペーン」もその1例です。こうした町づくりで共通していることは、まず「やりましょう」と最初に声をあげる市民の方がいらして、第2にその方を支えるグループ・支援団体等の存在、第3にこの市民活動を理解して支持する行政の働き、第4に認知症の方や家族が参加していることです。つまり、行政から押し付けるのではなく、市民一人ひとりの力が重要だということです。
 皆さんは、2005年7月に結成された「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」をご存知でしょうか。この会議は、みんなで認知症の人とその家族を支え、見守り、ともに生きる地域を築いていく運動を推進することを目的に、企業、保健、医療、福祉など、各界の有識者や団体が集まってキャンペーンを推進しています。
 キャンペーンでは、認知症を知り、認知症の人と家族を支援するサポーターの養成を行っています。サポーターになるには、短期間の講習を受けていただき、受講者にはサポーターの証である「オレンジリング」(ブレスレット)を差し上げています。皆さんも「オレンジリング」を見たけた方もいるのではないでしょうか。
 このサポーターは、介護の専門職を対象にしているのではなく、地域在住の市民だということが特徴です。民生委員、商店・コンビニ・スーパーの店員、警察官、タクシー運転手、バスや電車の職員など、町に住むみんなで認知症の人と家族を支えようとしています。1人でも多くの住民が認知症の正しい知識をもったサポーターになっていただければ、それだけ、安心して暮らせる町になりますね。このキャンペーンでは、2009年度までに全国で100万人のサポーターを養成することを目指しており、2007年3月末現在で約17万人がサポーターになりました。
 認知症になっても高齢者が尊厳をもって住み慣れた町で暮らしてゆくことができれば、これは新しい文化を創ることになると考えています。そしてこの町づくりがこれからの長寿社会のモデルとなり、国際社会に日本から発信できる「誇り」をつくることができればと思います。

■「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーン2007事務局
〒168-0071 東京都杉並区高井戸西1-12-1 認知症介護研究・研修東京センター
電話:03-3334-3073(FAX兼用) 電話受付時間:月~金(祝除く)10:00~16:00
E-mail machican@dcnet.gr.jp  URL http://www.dcnet.gr.jp/campaign/


コメント


安部元首相退任でも思った事ですが…幹事長時代に拉致問題解決に向けて波を変えた先駆者でもあり高支持率で就任されましたが、内閣改造後の所信表明演説の映像を拝見した時、就任前と違い掌を返す様な、国会の野次の醜さや集団で苛めとも言える1人の人間を追い込む醜さに憤りを超え溜息が出てチャンネルを変えた事を思い出しました。自分が課せられたら出来ないのに、人に理想だけを求めて人の挙げ足を取って、すぐに解決出来る様なミラクルを求める野次馬集団がいるから日本は変わらないのかもしれません。品性に欠けた野次を飛ばした人が、自分の信じていた人だったら…と思うと、現代社会の人間の弱さに悲しく思いました。外国の方にも印象が悪くなってしまいます。何故、争いで始まり争いで終わる方法しか選べないのでしょう…小泉元首相は後継者に「非常であれ」と助言し、公邸を去る時にマスコミから「名残惜しいか?」と聞かれた時「やっと解放される」と答えられたとか…米百俵の精神は、今も尚、無駄を省いた公助給付の効率化へと受け継がれているのでしょうが、悪条件下で介護をされておられる御家族にとって脅かされる日々だと思います。明日は我が身と先読みし自身をも守らなければいけませんね。

堺市社会福祉協議会ボランティア情報を調べると、H20年12月~地域の繋がりハート事業の「安心して暮らせる町づくり」に類する一環として「お元気ですか訪問活動」という独居のお年寄り・障害者・母子・父子家庭を近隣で見守ろうという地域支援活動が開始されました。まだ出来たてホヤホヤの活動ゆえか目立ってはいない様ですが、地域での支え合いが本気になった証しだと喜ばしく思います。連鎖反応で協力者の増加を願っています。
構造改革も、相当な信念を持たないと進まない様に、微力ながら「新しい文化作り」の御手伝いが出来ればと望み、信念新たにアイディアの貯金をしている、今日この頃です。


投稿者: 玉本あゆみ | 2010年01月19日 12:13

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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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