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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ

認知症でもだいじょうぶな町づくり・2

 2004年10月15日より3日間、京都にて国際アルツハイマー病協会の国際会議が開かれました。この時、「痴呆の人とともに暮らす町づくり」地域活動推進キャンペーンに推薦された先駆的な活動事例が報告されました。私はその報告を聞き、市民の方たちのほうが私たち専門職よりもひと足先を歩いていると感心しました。毎年行われる発表会においてモデル的な取り組みとして報告された活動を紹介します。

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 福岡県の大牟田市認知症ケア研究会(代表:大谷るみ子氏)は、子どもたちに向けた認知症を理解するための絵本づくりを行いました。認知症の人の暮らしぶりを孫の目からみた物語として絵本にしたのです。研究会の運営委員が物語を書き、挿絵は子どもたちが物語を聞いて描きました。そして絵本を通じて認知症の理解を深め、いたわりの心と支援を働きかける活動に使っています。この絵本は小・中学校にも配布され、学校の先生や保護者を通じて広がっています。また、地域認知症ケア教室や町づくりセミナー等でのテキストとして活用し、認知症の人が安心して暮らせる町づくりを目指しています。最近では、この町づくりの取り組みは、「大牟田市ほっと・安心(徘徊)ネットワーク」事業として発展し、活動を続けています。徘徊模擬訓練には、市役所、警察署、消防署、介護サービス事業協会、民生委員、児童委員、タクシー協会、土木事業所、学校等、幅広い市民(約100団体、200名)が参加するなど、拡がりをみせています。
 愛知県東海市では認知症の人と家族の会愛知県支部(代表:尾之内直美氏)は、認知症介護家族への支援講座として「家族支援プログラム」をたちあげて「町づくり」の活動をしています。この支援講座は、月1回、全6回コースを20人前後が受講するものです。内容は、認知症についての「知識をもつ」時間と「介護者がお互いに交流できる」時間の2部構成です。受講生からは、「自信が生まれた」「自分ばかりでなく家族(認知症のご本人)も元気になった」等の声が寄せられています。すでに受講者は500名を超え、他の地域でも実施できるように運営マニュアルやビデオも作成しています。プログラムの内容や準備に行政の人や地域の人にも参加してもらい、そのプロセスを通じて、認知症への理解や支援が充実していることに感心します。
 本年で4回目を迎える本キャンペーンは、現在、応募を募っています。締切は平成19年10月15日です。認知症の人が町で暮らす、あなたの町の取り組みご応募ください。

■問合せ先
「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーン2007事務局
〒168-0071 東京都杉並区高井戸西1-12-1 認知症介護研究・研修東京センター
電話:03-3334-3073(FAX兼用) 電話受付時間:月~金(祝除く)10:00~16:00
E-mail machican@dcnet.gr.jp  URL http://www.dcnet.gr.jp/campaign/


コメント


高福祉高負担のデンマークの福祉視察もされた、大谷るみ子さんがおっしゃていた「介護は、ファンタジー」という言葉を思い出し深く共感しています。

伝える機能が失われても相手の心を敏感に受け取り、介護者の心身の姿が反映される鏡の様な認知症の方との間で完結される「世界で一つしかないストーリー」は、笑いあり、涙あり、感動があり。正にファンタジーそのものだと思います。一緒に認知症という困難をも乗り越えていける人間の底力(魂)が甦ります。
魂と魂が真剣に触れ合う為には、言動不一致な哲学者が論ずる言葉などは一切通用しません。その事は意思疎通の困難なBPSDの重度な方からも学ばせて頂きました。
「一人の人」として全てを受け入れる事から始まるのだと実感しております。

私が以前、派遣されて勤務していた施設までの送迎を依頼されていたタクシーの運転手さんから聞いた事ですが、私が施設の所属者と知らずに自施設の悪い批評(ナースに物を渡さないと面倒を見てくれない…など)をされておられました。
案外「明日は我が身」という事が意識できておらず、まるで無責任な芸能リポーターの様な評価をし、話のネタ位にしかしない人が多い事に落胆しました。
私の自宅の地域の実態も「見て見ぬふり」、井戸端会議のネタ位にしか扱わない住民がいたり、民生委員や町内会長の方も言わなければ知らなかったと、近くに事業所も幾つかあるにも関わらず「認知症」という病気に対する理解を深める事、何かあってからしか動かない町ではなく「安心して暮らせる町づくり」の構築に立ちあがる人が、一人づつ増える事から始めなければいけない実態も分りました。誰かと手を繋ぎ繋ぐ手を増やす事は容易い事ではありませんが、地元事業所の訪問ヘルパーにアプローチをかけたところ、認知症という病気の認識の低さも拝察しました。専門職の人自身が積極的に学ぼうと努力せず、依存心が強い傾向にあるのかもしれません。
御近所に住むアルツハイマーのお婆ちゃんの事が、きっかけで地域の事にも着眼しました。専門職が変わっていかなければならないと感じ、お役所に依頼しました。施設勤務だと施設周囲の地域交流中心になるからです。専門職の人達同士も、良い刺激を与えあいモチベーションを高めていく努力も必要ですね。
私も絵が好きなのですが、自分自身も童心に戻ったり温かい気持ちになる事が出来、心の交流が円滑になる「ファンタジー」をモチーフにし展開して参ります。某掲示板でも声なき声から、エネルギーや勇気を頂戴しました。嬉しいです。感謝。


投稿者: 玉本あゆみ | 2010年01月17日 09:12

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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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