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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ

八の日によせて

 今日は8月8日という8が重なった日です。「八」は末広がりで、未来にむけてよいことがひろがるという縁起のいい数字とされてきました。北京のオリンピックも2008年8月8日午後8時に開会式とされていますが、中国でも「八」は吉数の代表格なのでしょう。「八」という漢字は頂点にある山からしっかりと踏まえる姿をみせていて、私にも希望を連想させます。
 ところで、認知症になると、短期記憶(数時間から数日、数か月の記憶)がもっとも損なわれますが、長期記憶(10年前とか若い時の記憶)は比較的、保持されています。

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 70~80代の認知症の人が、かつての太平洋戦争での体験をあたかも昨日あったことのように、いきいきとお話しになることがあります。しかも、何回も繰り返してお話されます。たとえば、潜水艦に撃沈されて戦友と共に救命ボートに乗って助かったことなど。
 そのいきいきと話される口調は、過去の体験が決して過去のことではなく、現在のことと思わせる新鮮さがあります。そしてこの体験は、彼の未来への力になっていくのかもしれません。
 健康な人も同じです。先日、従軍看護婦として活躍された元看護師長(90才)のご講演でも、同じような印象を受けました。
 若いときの体験や、今ここに暮らしている私たちの個別性にあふれた体験(それが楽しいものでも苦悩にみちたものでも)が、現在、そして未来につながっていく。言い換えれば、過去や現在の“生”は、やがて未来にひろがってゆく。私はそれを希望と呼びたい。さあ、現在の一歩を、勇気を出して踏み出していきましょう。


コメント


「八」という字から、ふと連想した事ですが…
「六」と言う字は「八」とう字とは違ってネガティブな印象をもちました。部品のナベブタが上から圧力をかけられていて押しつぶされて下向きに広がっています。やはり、皆さんに支えられながら「八」の様な生き方をしていきたいです。

戦争の御話ですが、利用者様にお聞きすると未だに消えない過去の傷(PTSD)故か、急にお顔が暗くなり閉口される方がいらっしゃいます。特に男性が多かったです。「アッ!不味い事、聞いちゃった…」と反省する事もありますが、話題も選ばないといけませんね…
私の母方の家系は沖縄なのでブログを拝見した時「ひめゆり学徒」」を思い出しました。
純粋な乙女達まで看護要員として巻き込み、彼女達も無理に自分達の心を励まし勝たねば!と銃まで持たされ、何の経験もないまま看護助手としても任務を果たされました。敗色困難となれば見捨てられ集団自決へと追い込まれてしまった彼女達の人生を思うと、胸が詰まり頭が下がる思いで一杯です。御苦労をされた方々が地道に今を気付いて下さった恵まれた現代を無駄にせずに、神様が与えて下さった自分自身の経験を宝物とし、未来へと「橋渡し」していかなくてはいけませんね。
一歩、前に踏み出せる勇気も色々な方々から頂戴している事に感謝している、今日此の頃でございます。


投稿者: 玉本あゆみ | 2010年01月13日 09:34

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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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