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岡田慎一郎の「古武術介護のトリセツ」

技術以前の身体の使い方(1)背中と腕との連動性

 今月から実際の身体の動きを通して、皆さんとともに介護技術を考えていきたいと思います。
 まずはじめに、技術以前の問題として、今月は技術を取り扱う私たちの動きから見直しをしていきましょう。
 今回のテーマは、背中と腕との連動性。背中と腕が連動すれば腕力に頼らずに負担のない動きになるのです。しかし、イメージ的には分かっても、どれだけ連動しているかは、あまりピンとこないでしょう。そこで、以下のチェックをしてみると、どれだけ背中と腕が連動しているかを実感できると思います。

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(1)拳を握り、固定した状態では肘は横を向いている。

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(2)上記の状態から肘を下に向ける動きをリズミカルに繰り返すと、肘がクルクルと回るようになる。

 写真と文章だけなので分かりにくいかもしれませんが、拳を握ったまま、肘だけをクルクル回すような動きが出来るかどうかというのが、このチェツク方法なのです。
 簡単そうに思えますが、実際に行ってみると、どうしても拳が動いてしまったり、または肘が回らなかったりと予想外に難しいことに驚かれるのではないでしょうか。
 この動きにはコツがあります。ほとんどの方が肘のあたりで回そうとしてしまいがちです。しかし、この動きは背中から動かし、その結果肘の動きが現れるというものなのです。背中、特に肩甲骨を意識して肩甲骨を左右に広げ動きをしていくと、姿勢は胸から腹が窪み、猫背のような姿勢となり、その時に肘は真横を向きます。そして、肩甲骨を寄せていき、胸を張った姿勢をとると、肘は真下を向きます。猫背の姿勢、胸を張る姿勢を交互に繰り返していくと、それに合わせて肘もクルクルと回るようになってきます。これが背中と腕が連動して動いている状態です。
 しかし、背中を動かそうとしても上手く動かせず、肘も回らない、もしくは肘が回ってもぎこちないという方が多いかと思います。実は背中が日頃使われていないためコチコチに硬くなっており、背中と腕との連動性が上手くとれない状態になっているのです。そのため、どうしても腕力に頼る傾向が出てしまい、身体に負担をかける根本の原因となってしまうのです。
 そこで、次回は連動性以前の問題を解消すべく、背中から腰をほぐし、背中と腕も含む全身の連動性を高める動きをしてみたいと思います。


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プロフィール
岡田慎一郎
(おかだ しんいちろう)
介護支援専門員、介護福祉士。1972年生まれ、茨城県出身。身体障害者施設、高齢者施設の介護職員を経て、朝日カルチャーセンター等の講師を務める。武術家甲野善紀氏との出会いにより編み出した、古武術の身体操法に基づく介護技術(古武術介護)で注目を集める。著書に、『親子で身体いきいき古武術あそび』(日本放送出版協会)、『古武術介護入門』(医学書院)、雑誌掲載など多数。(タイトル写真提供:人間考学研究所)
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