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村田くみの「シングル介護のホントのところ」

バリアフリーの良し悪し

 介護施設の見学に行くと、思わぬ発見があります。例えば、バリアフリー化の際、手すりをつけますが、種類によって“凶器”になることもあったのです。
 ある施設におじゃました時、その施設には手すりが一つもありませんでした。その代わり、厚さ1センチ強の板状のものが付けられていました。(写真参照)

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 施設には様々な容体の方がいます。杖をつきながら歩ける人。車椅子でなければ移動ができない人。一般的な手すりは車椅子の人がぶつかった時、肩や腕のあたりを打撲してしまうのだそうです。後にバリアフリー化をした狭いエレベーター内などは、ぶつかる確率が高くなってしまいます。
 その話をうかがい、体調によって必要な物も、必要でなくなってくる、「介護」と言えどもひとくくりにはできないと思いました。
 高齢者住宅などは、火事を防ぐために台所のガス台をIHの調理器に交換する場合があります。ところが、少し認知症が進んだある女性が「ガス台がなくなった」と勘違いをしてしまい、台所に立たなくなってしまった話もありました。
 トイレも人によって使い勝手が違ってきます。要介護4の女性は冬場、体調が優れず、自室から出て来れない日が続きました。
 自室内にあるトイレの戸がいつも開けっ放し。なぜいつも開いているのか、スタッフがたずねると、「自分でトイレに行く時、戸が開いていたほうが便利だから」。郊外の介護付き有料老人ホームで居室を覗くと、おむつ交換など介助する時に便利との理由で、居室内のトイレはカーテンで仕切られていました。
 思わず「へぇー」と声を挙げたのは、別の有料老人ホームでは、トイレに手すりではなく、棒状のものが天井まで伸びていました。(写真参照)
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 「このほうが使い勝手がいい」、と言われ、私もさっそくチャレンジしましたが、かがむ時に頭がぶつかってしまい、あまり上手に使えませんでした。介護を受ける側の視点に立つと、便利だと思っていた物が、意外と不便だったりするのです。

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プロフィール
村田くみ
(むらた くみ)
1969年東京生まれ。会社員を経て1995年毎日新聞社入社、週刊誌「サンデー毎日」所属。主に経済、環境、介護の問題に携わる。現在、母親の介護に従事しながら、介護の体験記、介護者に役立つ情報を適宜発信中。
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