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先輩介護者に聞こう 認知症在宅介護 お悩み相談

介護保険の申請方法と注意点を教えてください。

【質問】
介護をする上で介護保険の利用は必須と思いますが、まず、どこに申請したらよいのでしょうか。
【回答】
おっしゃる通り、介護保険の上手な利用が大切ですね。まず、区役所や市役所、町村役場の「高齢介護課」に行き、要介護認定を申請したいと、申し出ましょう。「介護保険申請書」など書類を渡され、親切な説明があるはずです。

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 申請手続きは簡単です。まず区役所か市役所の窓口か町村役場の窓口(「高齢介護課」や「介護保険課」など名称は自治体により異なります)に行き、上述のように、要介護認定を申請したいと、申し出ましょう。持参するものは、「介護保険証」と「ハンコ(朱肉を使うもの)」です。申請書は簡単ですから、その場で書けます。地域包括支援センターなどに提出代行を頼むこともできます。役所に行って手続きとなると、大変そうなイメージがありますが、申請手続きはとても簡単です。
 質問者が気づかれたように、介護が必要になったら、サービスを使うかどうかは別にして、すぐに申請しておくことが大切です。というのは、申請から実際にサービスを使うまでには最短でも1ヶ月半はかかるからです。

 申請すると、要介護度認定が始まります。
(1)申請から1週間以内に、区市町村の「調査員」からあなたに電話があり、来宅日時をあなたの都合に合わせて決めます。
(2)調査員はその日時に来宅し、本人とあなたたち家族に面接して「調査書」をつくります。
(3)もう一つ大事な書類は「主治医の意見書」です。これはあなた自身が主治医に手渡して依頼したり、区市町村から医師に送られたりします。
(4)この2つの書類を基に、区市町村の「審査委員会」が「要介護認定」して「要介護度」を決めます。
(5)申請したあなたに通知が来ます。
こういう手続きですから、申請から通知までに、約1ヶ月かかるのです。

 その後、ケアマネジャーをあなたが選んで契約し、ケアプランを作ってもらい、アプランを実行するサービス事業所を決めます。たとえば、ホームヘルプサービスを利用するならば、各事業所の責任者が来宅して契約し、そのあと実際にヘルパーが責任者に伴われて来宅し、一種の「お見合い」となり、本人とあなた、お世話するヘルパーの双方が合意すれば、サービス利用が始まります。こういう段取りですから、実際にサービスを使うまでには最短でも1ヶ月半はかかります。そういうわけで、サービスをすぐ使うか否かは別にして、いざというときに介護保険を利用できる権利を確保しておくために、申請し要介護認定を受けておくことが大切です。

 要介護認定には上に述べた時間を追った手続きがあるのですが、その過程はすべて対人関係ですから、いままで接触のなかった見ず知らずの人たちに、専門職であるというただ一点で信頼して、本人とあなたのご家族ご家庭のことをかなり立ち入って問われ語らなければなりません。これはかなり辛い体験になるかもしれません。私は屈辱感もふくめ、全身を丸裸にされる感じで心が揺れ動いたものです。これはとても大事な感覚で、経験を積み仕事に慣れた専門職は、「狎れ(なれ)」からそうと気づかずに時として限度をこすこともないではありません。そういう時は、本人とあなたを守ってぴしゃりと物申すのは、あなたしかいないのです。

 なお、申請の時に40歳から64歳までの人たち(第2号被保険者)は「介護保険証」がありませんが、「若年性認知症」など介護保険を利用できる特定疾病があります(表参照)。その場合の申請には、「医療保険証」を持参して行います。
近くの認知症家族の会などで体験者の話を聞くと、より具体的に理解できるでしょう。

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プロフィール
長谷川正
(はせがわ ただし)
東京都立高校の英語教員時代に、8歳年上のマリ子さんと出会い結婚。4人の子どもに恵まれる。 平成6年、マリ子さんが68歳のときに記憶障害が現れはじめ、2年後にアルツハイマー病と診断される。それから11年間、精一杯認知症と戦い、平成18年1月に自宅で看取る。 現在は、「認知症家族の会・青梅ネット」代表および認知症キャラバンメイトとして、東京を中心に各地で講演するとともに、家族会を開催し相談にのっている。
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