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先輩介護者に聞こう 認知症在宅介護 お悩み相談

診断がついた後は、医療機関とどのようにつきあっていけばいいですか。

【質問】
診断がついた後は、医療機関とどのようにつきあっていけばいいですか。

【回答】
認知症のことは診断した専門医に通い、もう一人、ご近所のかかりつけ医に、ふだんの細々とした病気に加えて認知症のことも報告し相談する、イーツー(医師が二人)体制が、私の体験からお勧めです。

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 私と妻が最初に受診した専門医は、電車で2時間もかかる遠方の病院でしたし、次回診察は3ヶ月後ということでしたので、これでは「老年痴呆」という未知の病気のあれこれを、なにかの度に飛んで行って相談することなどできるものではありません。
 そのため、診断の翌日にご近所のかかりつけ医に、「先生に相談しないで専門医に診てもらってごめんなさい。老年痴呆と言われたのですけれど相談に乗ってください」と詫びて頼みました。もちろん、かかりつけ医は快く応じてくれました。

 高齢者はたいてい、いくつも病気がありいくつもの病院に通っています。妻も白内障手術の後の眼科、バセドー氏病と高血圧での内分泌科、腎結石手術後の泌尿器科と通院がありましたが、認知症がすすみ歩行が困難になると、徐々にかかりつけ医にそれまでの処方通りの投薬を引き受けてもらい、調剤薬局も近所のにしました。また、子宮留膿腫と診断されたときは、婦人科医はかかりつけ医に紹介状を書いてもらい、結果がかかりつけ医にも報告される仕組みを活用しました。この病気への抗生物質も歩行が困難になると、かかりつけ医に処方してもらうようになりました。この他、風邪だとか擦り傷とか便秘薬とか、さらに、自宅での看取りに至るまで、かかりつけ医には妻の身体と心を総合的に診てもらいました。ホームドクターというのでしょうか。
 このように、なんでも相談できて総合的に診てもらうかかりつけ医と、認知症について専門的に診てもらう専門医という、医師二人(イーツー)体制がお勧めです。

 なお、最近は認知症のサポート医研修がすすみ、町では「認知症相談医」と「認知症専門病院」の棲み分けがはっきりしてきています。研修を終えたかかりつけ医に相談し、その紹介状で専門病院を受診し、その診断に基づいてかかりつけ医が薬を出し、相談に乗る。とてもいい仕組みなのですが、なかには、相談医が自分で診断して薬を出し、専門病院を紹介しないケースがあるようです。このため認知症の原因疾患を取り違えられたとか、専門病院の紹介はかかりつけ医に遠慮があって家族が頼めないでいるという悲劇も耳にします。認知症の人の最大の守り手は家族なのですから、家族は、医師二人体制が必要と思い定め、ためらいを振り捨てて、かかりつけ医に専門医受診の紹介を依頼しましょう。また、町のお医者さんたちには、すすんで、専門医の診断を勧める姿勢を持っていただきたいと思います。


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プロフィール
長谷川正
(はせがわ ただし)
東京都立高校の英語教員時代に、8歳年上のマリ子さんと出会い結婚。4人の子どもに恵まれる。 平成6年、マリ子さんが68歳のときに記憶障害が現れはじめ、2年後にアルツハイマー病と診断される。それから11年間、精一杯認知症と戦い、平成18年1月に自宅で看取る。 現在は、「認知症家族の会・青梅ネット」代表および認知症キャラバンメイトとして、東京を中心に各地で講演するとともに、家族会を開催し相談にのっている。
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