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コーソクくん、福祉サービスを歩く withステッキ

<連載1> さあ、福祉作業所にでかけよう

 ボクは障害をもつまでは、病院なんてまるで無関心でした。風邪をひいても市販の薬を飲むだけ。腰が痛くても、めまいがしてもほったらかし。でも、脳梗塞になって病院に行ったら、人また人。どこからこんなに大勢、体の悪い人たちが集まってくるのか、不思議なくらいでした。
 脳卒中の場合、退院してからがまた大変。仕事は継続不可能となり、介護が必要になる。リハビリはしなければならないし、日中の生活スタイルも組み立て直す必要があります。そもそも障害の認定は受けたほうがいいのか、否か。はたまたどうやるのか……。わからないことだらけのなか、手さぐりで介護・福祉のサービスや施設を探す日々が続きました。自分にあった情報をキャッチするためには、元気だったときよりもっと感度鋭く、自力でアンテナを張りめぐらせなくちゃならない。介護・福祉の世界はまさにいろいろです。とにかく現場に出かけて、ナマで見て体験することが大切なんですね。

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 というわけで、第一回目に訪問したのは、ボクが暮らす埼玉県三郷市にある、社会福祉法人緑の風福祉会が運営する障害福祉サービス事業所「みどりの風」。IKEAやららぽーとなどの商業施設で知られるJR新三郷駅から、7分ほど歩くと (ボクは歩きがゆっくりなので倍以上の時間がかかります) 、こじんまりした平屋造りの黄色い建物が見えてきます。ここは障害者自立支援法という法律に則り、18歳以上の障害をもった方たち55名が、日中通って活動する作業所なんです。
 「みどりの風」の喫茶室に入ると、空気はほんわかとして清々しい。「こんにちはー」「いらっしゃいませ !」帽子にエプロン姿の皆さんが笑顔で迎えてくれます。
 もうすぐランチタイム。誰でも昼食がいただけるというので、もちろんご馳走になることに(数に限りがあるので予約すると確実)。厨房では地元の野菜をたっぷり使い、体にも心にもやさしいご飯作りの真っ最中なのだとか。


 「みどりの風」ではそれぞれの人が能力に合わせて和やかに作業。この雰囲気がとってもいいのです。休み時間は、明るい陽溜まりでのんびりできそう。
  喫茶室の隣の部屋に案内されると、そこはまさに本格的なパン工房。いい匂いがふわーっと鼻をくすぐります。白神こだま酵母と国産の小麦を使い、添加物なしという本物志向のぜいたくなパン。焼きたてのパンは車に積んで、皆で出張販売します。販売先は、学校や病院、工場、消防署などさまざま。安心安全なおヤツとして特に保育園で人気なんだそうです。

コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」2012年6月7日
仲間と一緒にパンづくり。一度食べたらやめられませんヨ。

 ボクもいただいて見ましたがモッチリした食感で素朴な味わい。管理者の大木茂さんは「福祉という括りを取っ払って、一般のパン屋さんと競争するつもりじゃないと、お客さまが増えません。みどりの風の利用者さんの給料も上がりませんしね。お客さまの開拓をもっとがんばらないといけないですね」とニコニコ。作業所にとって地域の人々との繋がりはとても大切なことなんです。
 次回は、「みどりの風」がどうやって地域の人々との繋がり作りをしているのか、また作業所として他にどんなことをやっているのか、等々をご紹介。お楽しみに……。

コーソクくんの「ボクは高次脳機能障害」2012年6月7日


今回の訪問先。
社会福祉法人緑の風福祉会
埼玉県三郷市半田1212−2 TEL048-911-1159
ホームページhttp://heartland.geocities.jp/misato_midorinokaze/
メールf_midorinokaze@ybb.ne.jp


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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、急性硬膜下血腫で手術。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害と共存しながら新たな暮らし方を模索中。

*コーソクくんの旧連載(『ボクは高次脳機能障害』)をご覧になりたい方はこちら

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