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岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter10 「納得できる医療を受けるにはどうしたら良いですか?」

 納得して医療を受けたい、というのは皆さんが当たり前に考えていることだと思います。しかし、医療崩壊、3分診療という言葉が表している通り、医療を取り巻く環境は依然厳しい状況です。

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 良い医師にかかれば問題ない、と期待しても実際の医師はとても忙しく、最良の治療を提供し、さらに患者の”納得”を支える余裕はあまりないのが現状です。

 2月26 日に発表になった「がん患者意識調査(2009)」によれば、

がんの診断や治療に4人に1人が「不満足」。不満足の理由は「精神面でのサポートが不十分」「情報が少ない」。

という結果からも同じことが読み取れます。

 病気をすれば誰もが、治療を受けて以前と同じ身体、同じ生活に戻ることを期待します。しかし、医療に100%成功はありませんし、不確実なものですから、当事者が納得して医療を選択することが、その後の人生にとってとても重要になります。

 それでは、どのような点に注意すれば納得医療を受けることができるのでしょうか。「納得医療のポイント5か条」をご紹介します。

 Step 1 病気を理解する
 Step 2 自分を知る
 Step 3 あらゆる選択肢を考える
 Step 4 自分の感情と向き合う
 Step 5 SOSを発信する

 まずは自身のおかれている状況を知ることです。病気や治療のこと、そして自身の生活への影響を理解します。自分の生きざま見つめ、どう病気と向き合うかを考えます。
 医療が進歩した現在、選択肢はいろいろあります。主治医に相談する、さらにセカンドオピニオン(参考:セカンドオピニオンガイド)をとるなどがあります。

 さて、今後の方針が決まり、それを頭で理解していても、心がついていかねば今後の厳しい治療を乗り越えるのは困難です。時に立ち止まって自身の感情に照らすことも大切です。

 もうひとつ、病気に1人で向き合うのではなく、家族や周囲の人を上手く巻き込んで下さい。私のような医療コーディネーターを活用するのもありですね。

 次のお便りでは、実際の「有効例」「失敗例」から学ぶ納得医療をお届けします。3月24日の更新の予定です。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
医療コーディネーターへのご相談は以下のサイトからどうぞ。
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