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岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter 5 「良い医師(病院)を紹介して下さい その5」

 前回までに、私にとっての「良い医師」を探すためには3つのヒントとして、

 ○専門性
 ○利便性
 ○相性

があることをお話しました。今回は、最後のまとめです。

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 私にとっての「良い医師」が、上述した3つのヒント、これら全てを満たす医師であれば良いのは言うまでもありませんが、現実的には3つのうちいずれかで妥協点を探すことがほとんどです。本人や家族の思い、価値観に照らして探っていくことになります。医療という専門的な分野、そして自分と家族のその後の人生に大きく影響を及ぼす決断ですから、この作業は困難を極めます。

 専門性や利便性を考えた場合、どこに自分の必要としている医師がいるのかを知るには情報が必要です。最近はインターネットや書籍でかなりの量の医療情報を入手できるようになりました。しかし、最新の信頼に値する情報、自分にとって必要な情報の見極めを医療者ではない人々が短時間で行うのは難しいのが現状です。

 また、相性を考えた場合には、自分自身が医療に何を求めているのかを知る必要があります。これは、普段から医師とコミュニケーションを密に取り、治療の根拠を話し合い、医師の考えと自身の考えが合っているのかを吟味していくという作業を行うことで見えてきます。しかし、言うは易く行うは難し、といいます。重い病気にかかって初めて医療について考える、というのが世の常です。しかし通常の精神状態ではない中、この作業を行うのは容易ではありません。

 では、納得のいく病院選びをするにはどうしたら良いのでしょうか。それには、冷静である当事者以外の立場の人間にサポートしてもらうことです。医療に明るい人、同じような病気を経験した人であればなお良いと思います。もちろん医師や看護師など医療関係者がいれば心強いでしょう。知人や親戚縁者を思い浮かべてみて下さい。誰か心当たりはないでしょうか。

 そんな人はなかなか身近にいない、家族以外に自分の病気のことを打ち明ける気にはなれない、そのような時は私たち医療コーディネーターをご活用頂くのも一手かと思います。

 以上4通のお手紙にて、病院選びのエッセンスをお伝えしました。みなさまの病院選びの一助となることを願っています。

 次回の更新は、2月17日の予定です。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
医療コーディネーターへのご相談は以下のサイトからどうぞ。
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