談志語録
2009年09月10日 09:00
ずば抜けて理論派のうちの師匠、立川談志。
「三つ子の魂、百まで」とはよく言ったもので、その鬼才の萌芽は、早くも少年時代に確認されていました。
師匠のお母様から伺った話ですが、近所の悪ガキたちと、「石合戦」に戯れていたわが師、近所のオジサンが、見るに見かねて「こら、何やってるんだ?! お前の投げた石が、あそこのうちの窓ガラスを割ったら、どうするんだ?!」と怒られたそうな。
その時、すかさず言い返しました。「オジサン、割ってから文句言いなよ」。
どーですか。
この「まだ誰にも迷惑をかけていないんだから、余計な指示はいらない」とでもいうような超合理思考。
これは年端の行かぬ子供の発想ではありません。
まるでアメリカ人であります。
さあ、その翌日。
今度は、昨日の悪ガキたちと寄ってたかって捕まえたカメをいじめていたそうな。
また昨日のオジサンが「こら、またやってるのか。そんなことしたらカメがかわいそうだろ」と当然の注意。
今度も師匠、すかさず、「けっ、とんだ浦島太郎だ!」。
どうですか、皆様方。
うがった見方をすれば、幼き頃より、こんなカッ飛んだ思考トレーニングを貫き、続けてきた結果の作品こそが、「立川談志」なのであります。
落語の上手さと相まって、そりゃ天下を獲りますって……。
不肖・私談慶、弟子入りして18年になりますが、彼我の差は埋められそうにありません。
こちらとしては、「師匠が絶対やらないこと」を、バカバカしいことも含め、続けていくしかありません。
隔週に一度、自作の「絵手紙」を掲載するのも、そんな根底の気持ちからなんです。
さて、この絵手紙。おかげさまで個展を開くほど好評です。
どうかこちらも、お楽しみくださいね。
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