第72回 寿命を有効に使う
いくつになっても「創める」ことはできる
?f地先生は明治39年生まれの104歳。福岡市に昭和29(1954)年に、知的障害児の教育施設「しいのみ学園」を設立した方です。?f地先生の息子さんは2人とも生後間もなく脳性小児麻痺になりました。知的障害児の教育施設がなかった当時、2人の息子を教育するために私財を投じて作ったのがこの学園で、養護学校の前身ともされています。宇野重吉と香川京子が出演した映画によって全国に知られるようになりました。
知的障害児のための教育施設は韓国や中国でもあまり設立されていないと知って、70歳のときに韓国語を勉強して韓国で、その後中国語も勉強して中国で幼児教育や障害児教育に関する講演をしました。90歳のときにはロシアでも講演をしています。
?f地先生がブラジルでも講演されたと聞いたので、「ブラジルでは、何語でお話しされました?」と尋ねたところ、「ポルトガル語でしゃべりました」という答えでした。ブラジルは以前ポルトガルに占領されていたので、ブラジルで使われている言葉はポルトガル語なのです。104歳になってもこんなに語学ができるというのは驚きです。
また、昨年、私より8歳年下の金子兜太(かねことうた)さんという俳句の宗匠にもお会いする機会がありました。そのとき、金子さんから、「日野原先生は長い人生を見てこられたから、絶対いい句がでるにきまっていますよ」と勧められ、私も俳句を詠むようになりました。移動中の新幹線や飛行機の中で、空や雲をみて俳句を詠むようになりました。
一句、ご披露いたします。
寿近し ステージに立つわれ いきはずむ |
増加する使える時間
学校を卒業して社会人になると、するべきことがたくさんあるために、新しく語学を勉強しようと思ってもそうそう全部の時間を集中できるものではありません。しかし、一線を引退する60歳頃になると、自分の自由になる時間をたっぷり取ることができるようになってきます。
女性の場合には、夫が退職をしたりあるいは子どもが巣立って家にいなくなったりすると、これまでのようにそれほど家族の世話をする必要もなくなり、自分のために使える時間が増えてきます。定年退職した夫が四六時中家にいるとうっとうしいという妻も少なくないというような話もよく耳にします。若いときには、夫のほうも妻や家族のことを気にしながら行動していたのでしょうが、年をとってくるとそのようなことは考えずにすむようになり、夫婦であってもお互いに遠慮なく自分のしたいことができるようになります。
せっかく到来した自由時間を、夫や妻に遠慮しないで自分のしたいことに振り向けてはいかがでしょう。
1日24時間のなかで、自分がしたいことのできる時間は何時間あるでしょうか。これを寝て暮らして過ごすのと、目的をもって過ごすのでは、その人の1日の寿命が違ってきます。これを1日2日と重ねていくとなると、同じ80歳までのいのちを許されたとしても、その中身には大きな違いが生じてきます。
年をとるにつれて増えてくる自分で使える自分の時間をどうするのか。こんなによいことはありません。自分でよく考えて、自分がキラキラ輝くようなことをすればいいのです。
私は1日24時間を長生きするために、睡眠時間は6時間くらい、ほかの18時間を自分の夢を実現するために精一杯頑張っているところです。
女性の場合には、夫が退職をしたりあるいは子どもが巣立って家にいなくなったりすると、これまでのようにそれほど家族の世話をする必要もなくなり、自分のために使える時間が増えてきます。定年退職した夫が四六時中家にいるとうっとうしいという妻も少なくないというような話もよく耳にします。若いときには、夫のほうも妻や家族のことを気にしながら行動していたのでしょうが、年をとってくるとそのようなことは考えずにすむようになり、夫婦であってもお互いに遠慮なく自分のしたいことができるようになります。
せっかく到来した自由時間を、夫や妻に遠慮しないで自分のしたいことに振り向けてはいかがでしょう。
1日24時間のなかで、自分がしたいことのできる時間は何時間あるでしょうか。これを寝て暮らして過ごすのと、目的をもって過ごすのでは、その人の1日の寿命が違ってきます。これを1日2日と重ねていくとなると、同じ80歳までのいのちを許されたとしても、その中身には大きな違いが生じてきます。
年をとるにつれて増えてくる自分で使える自分の時間をどうするのか。こんなによいことはありません。自分でよく考えて、自分がキラキラ輝くようなことをすればいいのです。
私は1日24時間を長生きするために、睡眠時間は6時間くらい、ほかの18時間を自分の夢を実現するために精一杯頑張っているところです。
(2010年12月20日)
■セミナーのお知らせ
【テーマ】第18回 ホスピス国際ワークショップ ホスピス緩和ケアの提供とケアを提供する人々−英国・カナダ・日本の交流−
【プログラム】
2月5日(土)10:00〜17:00(懇親会18:30)
・進行する病いとともに生きる
・身体症状の評価とマネジメント
・心理社会的、スピリチュアルな問題への対応
*ピースハウスホスピス見学(希望者)
2月6日(日)9:00〜16:00
・緩和ケアの提供体制の現状と今後の展望−英国・カナダ・日本の交流−
・異なる場における緩和ケアの挑戦
・ケア提供者としての成長
【開催日時】2011年2月5日(土)・6日(日)
【会場】ピースハウスホスピス教育研究所
〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1000-1
【定員】80名
【対象】医師・看護師・ソーシャルワーカー・薬剤師・栄養士・チャプレンなどチームによるご参加を歓迎いたします。
【参加費】一般20,000円 ホスピス教育研究所会員15,000円(ともに税込み、昼食代含む、懇親会費別5,000円)
【主催】財団法人ライフプランニングセンター ピースハウスホスピス教育研究所
【申し込み・問い合わせ先】ピースハウスホスピス教育研究所
〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1000-1
TEL0465−81−8904 FAX0465−81−5521
【プログラム】
2月5日(土)10:00〜17:00(懇親会18:30)
・進行する病いとともに生きる
・身体症状の評価とマネジメント
・心理社会的、スピリチュアルな問題への対応
*ピースハウスホスピス見学(希望者)
2月6日(日)9:00〜16:00
・緩和ケアの提供体制の現状と今後の展望−英国・カナダ・日本の交流−
・異なる場における緩和ケアの挑戦
・ケア提供者としての成長
【開催日時】2011年2月5日(土)・6日(日)
【会場】ピースハウスホスピス教育研究所
〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1000-1
【定員】80名
【対象】医師・看護師・ソーシャルワーカー・薬剤師・栄養士・チャプレンなどチームによるご参加を歓迎いたします。
【参加費】一般20,000円 ホスピス教育研究所会員15,000円(ともに税込み、昼食代含む、懇親会費別5,000円)
【主催】財団法人ライフプランニングセンター ピースハウスホスピス教育研究所
【申し込み・問い合わせ先】ピースハウスホスピス教育研究所
〒259-0151 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1000-1
TEL0465−81−8904 FAX0465−81−5521
■セミナーのお知らせ
【テーマ】新時代のナースに求められるフィジカルアセスメント――ナースのための看護セミナーin静岡
【プログラム】
「講演1 新時代のナースに求められるフィジカルアセスメント」日野原重明
「講演2 高齢者の脆弱化についてのアセスメント」道場信孝((財)ライフ・プランニング・センター教育研究部最高顧問)
「講演3 バイタルサインの異常からアセスメントできること」徳田安春(筑波大学附属病院水戸医療教育センター教授)
【開催日時】2011年3月12日(土)13:00〜16:30
【会場】アクトシティ浜松 展示イベントホール
静岡県浜松市中区板屋町111-1
【定員】500名
【対象】看護師,保健師,看護職者,看護教育者など
【参加費】5,000円
【主催・後援】主催:(財)ライフ・プランニング・センター,後援:(社)静岡県看護協会
【申し込み・問い合わせ先】(平日9〜17時)
TEL(03)3265−1907
財団法人ライフ・プランニング・センター 健康教育サービスセンター
http://www.lpc.or.jp/index.htm
【プログラム】
「講演1 新時代のナースに求められるフィジカルアセスメント」日野原重明
「講演2 高齢者の脆弱化についてのアセスメント」道場信孝((財)ライフ・プランニング・センター教育研究部最高顧問)
「講演3 バイタルサインの異常からアセスメントできること」徳田安春(筑波大学附属病院水戸医療教育センター教授)
【開催日時】2011年3月12日(土)13:00〜16:30
【会場】アクトシティ浜松 展示イベントホール
静岡県浜松市中区板屋町111-1
【定員】500名
【対象】看護師,保健師,看護職者,看護教育者など
【参加費】5,000円
【主催・後援】主催:(財)ライフ・プランニング・センター,後援:(社)静岡県看護協会
【申し込み・問い合わせ先】(平日9〜17時)
TEL(03)3265−1907
財団法人ライフ・プランニング・センター 健康教育サービスセンター
http://www.lpc.or.jp/index.htm
- この連載に関するお問い合わせ先
-
◆「新老人の会」に関するお問い合わせ先◆
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/ -
◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木303
TEL:03-5333-0083
FAX:03-5333-0084
ホームページ:http://www.c-mei.jp/