第71回 子どもとの対話から生まれる「いのちの授業」(4)
君の時間が君のいのち
私は次に子どもたちに尋ねます。「君たちは朝、起きてから何をしました?」「何時に朝食をとり、後に歯を磨き、家を出たの?」。それから、学校でのことを尋ねます。
子どもたちは、「1時限目は国語、2時限目は算数があった」「それから12時には給食をとった」などと答えます。
「それから、午後の運動場では何をしました?」と続けて聞くと「バスケをやった、ドッジボールをやった」。さらに「家に帰ってからは?」と聞くと、「おやつを食べた」。「夕方は?」と続けると「家族で食事して、それから宿題をした」「お風呂に入った」「テレビを見た」「9時に床に入った」と答えます。
「そう、それらは誰のためにやったの?」と尋ねます。すると「僕のため、私のため」と、子どもたちは答えます。
「そう、自分のためだね」と念を押した後、私は、「君たちは自分の使える時間をもっているね。それが君たちのいのちだ」と説明します。
「そのいのちは、今は君たちが全部自分だけのために使ってよいけれども、大きくなったら誰かのために、困っている人のために使うのだよ。君たちのもっている時間、その君だけのためにもっている君の時間、それが君のいのちだよ。君たちは君たちのいのちの使い方を考えてほしい」と説明すると、子どもたちは自分のもっているいのちの意味によく納得するのです。
子どもたちは、「1時限目は国語、2時限目は算数があった」「それから12時には給食をとった」などと答えます。
「それから、午後の運動場では何をしました?」と続けて聞くと「バスケをやった、ドッジボールをやった」。さらに「家に帰ってからは?」と聞くと、「おやつを食べた」。「夕方は?」と続けると「家族で食事して、それから宿題をした」「お風呂に入った」「テレビを見た」「9時に床に入った」と答えます。
「そう、それらは誰のためにやったの?」と尋ねます。すると「僕のため、私のため」と、子どもたちは答えます。
「そう、自分のためだね」と念を押した後、私は、「君たちは自分の使える時間をもっているね。それが君たちのいのちだ」と説明します。
「そのいのちは、今は君たちが全部自分だけのために使ってよいけれども、大きくなったら誰かのために、困っている人のために使うのだよ。君たちのもっている時間、その君だけのためにもっている君の時間、それが君のいのちだよ。君たちは君たちのいのちの使い方を考えてほしい」と説明すると、子どもたちは自分のもっているいのちの意味によく納得するのです。
一緒に考えることが大切
このような授業の後、子どもたちは感想文に、「日野原先生から教わって、僕たちのもっているいのちは僕たちが使える僕たちの時間だとわかった。僕たちがもっていて、自分で使える時間が僕のいのちだ。大きくなったら、僕の時間をほかの何かのために使うのだ」と書いてきます。
この授業の最後には、「シャボン玉の歌」を指揮してみんなで歌います。そして、この歌の作詞者は野口雨情という詩人であり、女の子が生まれてすぐ亡くなってしまったのを悲しんで作った詩だということ、失われたいのちを悲しむとともに、いのちを大切にはぐくんでほしいという祈りを込めた歌であるということを説明します。
子どもの授業は、教壇からではなくて、子どもの列の中に入って、一緒に考えることが大切であることを私は痛感しています。
このように、いのちについて話すことは、教壇から言葉で説明してもなかなかわかってもらえないかもしれないけれど、いのちをいろいろの側面から説明していくとよくわかってもらえるのです。
教師は、どの教科を教える場合でも、多方面から生徒が関心をもつように総合的に教えることです。そうすると、子どもたちは目を輝かせて、よく反応し、理解します。「今日の授業を家に帰ったら、お父さんやお母さんに説明してあげてね」。そう言って、私は授業を終えるのです。
この授業の最後には、「シャボン玉の歌」を指揮してみんなで歌います。そして、この歌の作詞者は野口雨情という詩人であり、女の子が生まれてすぐ亡くなってしまったのを悲しんで作った詩だということ、失われたいのちを悲しむとともに、いのちを大切にはぐくんでほしいという祈りを込めた歌であるということを説明します。
子どもの授業は、教壇からではなくて、子どもの列の中に入って、一緒に考えることが大切であることを私は痛感しています。
このように、いのちについて話すことは、教壇から言葉で説明してもなかなかわかってもらえないかもしれないけれど、いのちをいろいろの側面から説明していくとよくわかってもらえるのです。
教師は、どの教科を教える場合でも、多方面から生徒が関心をもつように総合的に教えることです。そうすると、子どもたちは目を輝かせて、よく反応し、理解します。「今日の授業を家に帰ったら、お父さんやお母さんに説明してあげてね」。そう言って、私は授業を終えるのです。
(2010年8月16日)
■「新老人の会」10周年記念講演会のお知らせ
【テーマ】気持ちを高めてクレッシェンドに生きよう―日野原流の生き方
【プログラム】
「年齢に縛られずに豊かに生きる」日野原重明
「ついにわかった究極の長寿食―世界調査からの福音」家森幸男(世界の長寿研究の第一人者)
「世界の超長寿者はどのようにして不老長寿を達成したか」鈴木信(琉球大学名誉教授/医学博士)
コーラス(平松混成合唱団)
【開催日時】2010年9月4日(土)13時〜16時30分
【会場】九段会館(地下鉄/東西線・半蔵門線 九段下駅)
【申し込み要領】
●参加料 1,000円(当日受付にて)
●申し込みは,官製はがきに(1)郵便番号・住所,(2)氏名,(3)電話番号,(4)会員の方は会員番号く「新老人の会」,LPC会員〉を明記の上,下記までお送りください。
〒102-0093東京都千代田区平河町2−7−5砂防会館
LPC「新老人の会」記念講演会
●お問い合わせ TEL(03)3265−1907
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
http://www.lpc.or.jp/index.htm
【テーマ】気持ちを高めてクレッシェンドに生きよう―日野原流の生き方
【プログラム】
「年齢に縛られずに豊かに生きる」日野原重明
「ついにわかった究極の長寿食―世界調査からの福音」家森幸男(世界の長寿研究の第一人者)
「世界の超長寿者はどのようにして不老長寿を達成したか」鈴木信(琉球大学名誉教授/医学博士)
コーラス(平松混成合唱団)
【開催日時】2010年9月4日(土)13時〜16時30分
【会場】九段会館(地下鉄/東西線・半蔵門線 九段下駅)
【申し込み要領】
●参加料 1,000円(当日受付にて)
●申し込みは,官製はがきに(1)郵便番号・住所,(2)氏名,(3)電話番号,(4)会員の方は会員番号く「新老人の会」,LPC会員〉を明記の上,下記までお送りください。
〒102-0093東京都千代田区平河町2−7−5砂防会館
LPC「新老人の会」記念講演会
●お問い合わせ TEL(03)3265−1907
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- この連載に関するお問い合わせ先
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◆「新老人の会」に関するお問い合わせ先◆
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/ -
◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木303
TEL:03-5333-0083
FAX:03-5333-0084
ホームページ:http://www.c-mei.jp/