第69回 子どもとの対話から生まれる「いのちの授業」(2)
導入は「いのちの直線」から
私は小学校を訪れるときには、事前に校長先生、または担任の先生と打ち合わせて、その学校の校歌の楽譜を入手します。そして、私の紹介などは後回しにして、校歌の前奏がピアノかクラビノーバで演奏されているところで、大きく指揮をしながら教室の後方から生徒たちの間を縫って前に出て行きます。
そして黒板の左右一杯に横に1本の長い線を引き、右端に「100」という数字を書きます。私は98歳ですから、その少し手前のところに「98」と書き込みます。
ついで、手を挙げた生徒を指名して黒板の前に来てもらい、自分の年齢と思われるところに「↓印」を入れてもらいます。
では、その「↓印」の位置が正しいかどうかを尋ねますが、質問してもはっきり答えられ生徒がいないので、私は短い棒か、ある長さの紙片を尺度として、10、20、30……と右に数えていきます。そうすると大体は↓印の間隔が長すぎるか、あるいは足りないかがわかります。
そこで私は、黒板の0から100までの一本の線の真ん中の位置に立ち、両手を左右に広げて立ちます。頭頂の真ん中に当たる部分の線に印を入れ、「50」と書き入れ、次に0〜50の真ん中に「25」と書き、その位置から子どもの書いた0〜10の間隔の↓印が正確か否かを判定できることを説明します。
算数とは、数字を足したり引いたりすることだけではなく、このように体を使ったり、目測したりするのも算数の応用だと説明します。
そして黒板の左右一杯に横に1本の長い線を引き、右端に「100」という数字を書きます。私は98歳ですから、その少し手前のところに「98」と書き込みます。
ついで、手を挙げた生徒を指名して黒板の前に来てもらい、自分の年齢と思われるところに「↓印」を入れてもらいます。
では、その「↓印」の位置が正しいかどうかを尋ねますが、質問してもはっきり答えられ生徒がいないので、私は短い棒か、ある長さの紙片を尺度として、10、20、30……と右に数えていきます。そうすると大体は↓印の間隔が長すぎるか、あるいは足りないかがわかります。
そこで私は、黒板の0から100までの一本の線の真ん中の位置に立ち、両手を左右に広げて立ちます。頭頂の真ん中に当たる部分の線に印を入れ、「50」と書き入れ、次に0〜50の真ん中に「25」と書き、その位置から子どもの書いた0〜10の間隔の↓印が正確か否かを判定できることを説明します。
算数とは、数字を足したり引いたりすることだけではなく、このように体を使ったり、目測したりするのも算数の応用だと説明します。
いのちはどこにあるのか
私は次に、「君たちは生きているのかな。そう思っている人は、両手を高く挙げなさい」と言います。大体、日本の小学生は、左右の友だちの動作をうかがいながら、そろそろと手を挙げたり、あるいは肩の辺りまで挙げたりします。ところが、アメリカやオーストラリアでは、どの子も勢いよく両手を挙げます。どうも日本の小学生ははっきり自己表現する習慣が身についていないようです。
それから、「生きているということは、いのちをもっていることだね」と尋ねます。生徒はみんなうなずきます。
しかし、「君たちは、どこにいのちをもっているのですか」と聞きます。しばらく考えた後、誰かが胸に手を当てます。「君が当てたところには何があるの」と聞くと、小さな声で「心臓」と答える子がいます。
そこで私は、心臓は左の胸のお乳の部位にあることを教えます。
そして、何人かの子どもに前に出てもらい、用意していった聴診器の正しい使い方を教え、2人を向き合わせてそれぞれ相手の心臓の鼓動を聞いてもらいます。
「心臓(心音)は1分間にいくつ打つのかしら」と聞いても、即答できる子どもはいません。そこで、心臓の大きさは自分の握りこぶしくらいの大きさであること、子どもは大人よりも心拍数が多いこと、おおよそ人間の大人は1分間70回、君たちは90回、ウサギは200回、象になると25回くらいであると話します。つまり小さい動物は心臓も小さく、したがって心臓も早く打つこと、そして大きい動物は心臓も大きく、1分間の心拍の回数は少ないけれども、1回で心臓から送り出す血液量は多いことを教えるのです。
次回の更新は、8月2日の予定です。
それから、「生きているということは、いのちをもっていることだね」と尋ねます。生徒はみんなうなずきます。
しかし、「君たちは、どこにいのちをもっているのですか」と聞きます。しばらく考えた後、誰かが胸に手を当てます。「君が当てたところには何があるの」と聞くと、小さな声で「心臓」と答える子がいます。
そこで私は、心臓は左の胸のお乳の部位にあることを教えます。
そして、何人かの子どもに前に出てもらい、用意していった聴診器の正しい使い方を教え、2人を向き合わせてそれぞれ相手の心臓の鼓動を聞いてもらいます。
「心臓(心音)は1分間にいくつ打つのかしら」と聞いても、即答できる子どもはいません。そこで、心臓の大きさは自分の握りこぶしくらいの大きさであること、子どもは大人よりも心拍数が多いこと、おおよそ人間の大人は1分間70回、君たちは90回、ウサギは200回、象になると25回くらいであると話します。つまり小さい動物は心臓も小さく、したがって心臓も早く打つこと、そして大きい動物は心臓も大きく、1分間の心拍の回数は少ないけれども、1回で心臓から送り出す血液量は多いことを教えるのです。
次回の更新は、8月2日の予定です。
(2010年7月16日)
■「新老人の会」10周年記念講演会のお知らせ
【テーマ】気持ちを高めてクレッシェンドに生きよう―日野原流の生き方
【プログラム】
「年齢に縛られずに豊かに生きる」日野原重明
「ついにわかった究極の長寿食―世界調査からの福音」家森幸男(世界の長寿研究の第一人者)
「世界の超長寿者はどのようにして不老長寿を達成したか」鈴木信(琉球大学名誉教授/医学博士)
コーラス(平松混成合唱団)
【開催日時】2010年9月4日(土)13時〜16時30分
【会場】九段会館(地下鉄/東西線・半蔵門線 九段下駅)
【申し込み要領】
●参加料 1,000円(当日受付にて)
●申し込みは,官製はがきに(1)郵便番号・住所,(2)氏名,(3)電話番号,(4)会員の方は会員番号く「新老人の会」,LPC会員〉を明記の上,下記までお送りください。
〒102-0093東京都千代田区平河町2−7−5砂防会館
LPC「新老人の会」記念講演会
●お問い合わせ TEL(03)3265−1907
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
http://www.lpc.or.jp/index.htm
【テーマ】気持ちを高めてクレッシェンドに生きよう―日野原流の生き方
【プログラム】
「年齢に縛られずに豊かに生きる」日野原重明
「ついにわかった究極の長寿食―世界調査からの福音」家森幸男(世界の長寿研究の第一人者)
「世界の超長寿者はどのようにして不老長寿を達成したか」鈴木信(琉球大学名誉教授/医学博士)
コーラス(平松混成合唱団)
【開催日時】2010年9月4日(土)13時〜16時30分
【会場】九段会館(地下鉄/東西線・半蔵門線 九段下駅)
【申し込み要領】
●参加料 1,000円(当日受付にて)
●申し込みは,官製はがきに(1)郵便番号・住所,(2)氏名,(3)電話番号,(4)会員の方は会員番号く「新老人の会」,LPC会員〉を明記の上,下記までお送りください。
〒102-0093東京都千代田区平河町2−7−5砂防会館
LPC「新老人の会」記念講演会
●お問い合わせ TEL(03)3265−1907
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
http://www.lpc.or.jp/index.htm
- この連載に関するお問い合わせ先
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◆「新老人の会」に関するお問い合わせ先◆
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/ -
◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木303
TEL:03-5333-0083
FAX:03-5333-0084
ホームページ:http://www.c-mei.jp/