第40回 「よど号」がもたらした私の生きがい
人生を変えた よど号事件
それが許されて生き延びることができたのですから、これから先の自分のいのちは社会にお返しをしなければならないと考えるようになりました。有名な学者になりたいとか社会的な名誉を得たいというそれまでの私の関心事が、それからは私に何ができるか、私が何をお返しできるかを考えるようになりました。よど号事件をきっかけに、私の生き方が変わったのです。これはキリスト教の言葉で表せば「回心」といえるかもしれません。
変えること、受け入れること、見きわめること
人間は、たとえばアフリカの貧しい国に生まれたら、食べるものも満足になかったり汚染された水を飲んだりすることは避けられないことかもしれません。しかし、それを運命としてただ受け入れるだけではなく、その中で自分には何ができるかを考えることも必要なことではないでしょうか。
ラインホルト・ニーバー(1892〜1971)というアメリカのプロテスタントの神学者が40歳のときにマサチューセッツ州のある田舎の協会で捧げた祈りが、「ニーバーの祈り」として有名になりました。それは次のようなものです。
神よ、 変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
神よ、変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
見分ける知恵を授けたまえ。
その後、第二次世界大戦中のクリスマスに、この祈りの言葉はクリスマスカードに印刷され、前線の塹壕にいる兵士たちのもとに届けられました。そして、「塹壕で死ぬのが避けられないことであれば受け入れ、避けられるのであれば塹壕を出て突撃する。それを見きわめるための知恵を与えてください」というように解釈されて広まりました。
ラインホルト・ニーバー(1892〜1971)というアメリカのプロテスタントの神学者が40歳のときにマサチューセッツ州のある田舎の協会で捧げた祈りが、「ニーバーの祈り」として有名になりました。それは次のようなものです。
神よ、 変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
神よ、変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
見分ける知恵を授けたまえ。
(大木英夫訳)
その後、第二次世界大戦中のクリスマスに、この祈りの言葉はクリスマスカードに印刷され、前線の塹壕にいる兵士たちのもとに届けられました。そして、「塹壕で死ぬのが避けられないことであれば受け入れ、避けられるのであれば塹壕を出て突撃する。それを見きわめるための知恵を与えてください」というように解釈されて広まりました。
人生の最後は「暮らしは簡素に、思いは高く」
ライフ・プランニング・センターでは、みなさんに健康のためにああしなさいとかこうしなさいと言うのではなく、そのための知識をさしあげるので、それを知恵として自分で生かしてくださいと言っています。
人間は生きがいをもつことが大切です。生きがいがあるということは、日々の生活が充実し、達成感をもつということです。生きがいとは、特別に大上段に構えたようなものではなく、自分の身近なところでいくつも見つけることができます。たとえば、私は運動をしたくても忙しくてジムに行けないので、その代わりに駅ではエスカレーターを使わずに階段を昇るようにしていますが、エスカレーに乗った若ものを追い抜いたときには「やった!」という達成感があります。これも生きがいのひとつです。
そして、私が誰かの役に立っているという有用感、それがあるからこそ、私は生きがいをもって日々を送ることができているのです。
また、いずれ体が弱って人のお世話になることになったときには、遠慮なく自分を委ねる気持ちをもつことです。
私たちの生活は、「暮らしは簡素に、しかし思いは高く(Plain living and high thinking)」あるべきです。これはワーズワースの詩の中にある言葉です。これが、私の人生の最後に目指す生き方です。
人間は生きがいをもつことが大切です。生きがいがあるということは、日々の生活が充実し、達成感をもつということです。生きがいとは、特別に大上段に構えたようなものではなく、自分の身近なところでいくつも見つけることができます。たとえば、私は運動をしたくても忙しくてジムに行けないので、その代わりに駅ではエスカレーターを使わずに階段を昇るようにしていますが、エスカレーに乗った若ものを追い抜いたときには「やった!」という達成感があります。これも生きがいのひとつです。
そして、私が誰かの役に立っているという有用感、それがあるからこそ、私は生きがいをもって日々を送ることができているのです。
また、いずれ体が弱って人のお世話になることになったときには、遠慮なく自分を委ねる気持ちをもつことです。
私たちの生活は、「暮らしは簡素に、しかし思いは高く(Plain living and high thinking)」あるべきです。これはワーズワースの詩の中にある言葉です。これが、私の人生の最後に目指す生き方です。
(2008年11月17日)
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