第30回 患者中心の病気の予防と医療(8)
生き方のデータを集める
私は、身体的にも精神的にも自立し、心身ともに第一線に立っている75歳以上の老人に集まってもらって「新老人運動」という運動を展開しています。
この年齢の方々は、大体20歳前後で戦争を経験しており、戦前戦後にわたって劣悪な生活を送ってきた人たちですが、今、身体も一応は健康で、精神力も旺盛であるということを考えますと、あのひどい戦中戦後の生活を体験したことが逆によかったといえるのではないかと思ったりもします。
今の世の中のように、何でもほしいものが食べられるという物資のあふれた生活ではなく、耐乏生活がよい結果をもたらしたのではないかという仮説を立ててみました。
そこで、75歳以上の方に、あなたのこれまでの習慣をこのまま続け、できれば信用できる健診センターで得たデータを登録して、そして、これから10年、15年、どういうような結果(アウトカム)が出るかということを知らせてもらうボランティアを募りました。
つまり、自分のこれまで生きてきたデータをもとにして、認知症になるか、あるいは心筋梗塞、肺炎になって死ぬかなど、すべてのデータを無作為に抽出してコントロールスタディ(比較研究)をすれば、おそらく10年、15年先には、認知症に対しても、あるいは老人のアクティビティ(行動)に対しても、ある結果を導き出せる可能性があるのではないかと考えたのです。
死んでから臓器を提供するのではなしに、生きているときに生きているデータを提供する研究のボランティアに申し込み(アプライ)していただくのです。
この年齢の方々は、大体20歳前後で戦争を経験しており、戦前戦後にわたって劣悪な生活を送ってきた人たちですが、今、身体も一応は健康で、精神力も旺盛であるということを考えますと、あのひどい戦中戦後の生活を体験したことが逆によかったといえるのではないかと思ったりもします。
今の世の中のように、何でもほしいものが食べられるという物資のあふれた生活ではなく、耐乏生活がよい結果をもたらしたのではないかという仮説を立ててみました。
そこで、75歳以上の方に、あなたのこれまでの習慣をこのまま続け、できれば信用できる健診センターで得たデータを登録して、そして、これから10年、15年、どういうような結果(アウトカム)が出るかということを知らせてもらうボランティアを募りました。
つまり、自分のこれまで生きてきたデータをもとにして、認知症になるか、あるいは心筋梗塞、肺炎になって死ぬかなど、すべてのデータを無作為に抽出してコントロールスタディ(比較研究)をすれば、おそらく10年、15年先には、認知症に対しても、あるいは老人のアクティビティ(行動)に対しても、ある結果を導き出せる可能性があるのではないかと考えたのです。
死んでから臓器を提供するのではなしに、生きているときに生きているデータを提供する研究のボランティアに申し込み(アプライ)していただくのです。
よき文化を伝達し、継承する
そして、その結果知り得た良き習慣を外に宣伝します。良い習慣のデータは外からもらいます。悪い習慣は外に出しません。良い習慣とかよいプロダクトは輸出するけれども、米国人があれだけ体に悪いと言っているタバコは、日本には入れません。良きものを与えて、よくないものは与えません。
良くないものは外に出さないというように管理(コントロール)すれば、良い習慣だけが広がっていくことになります。それは本当の世界の平和の実現にまでつながっていくことではないでしょうか。
失われたといわれるよい家庭を取り戻すために、75歳以上の健常な高齢者に立ち上がってほしいということを、私は伝えたいのです。
良い習慣を伝達するということが、文化を継承するということです。私たちは良い習慣を過去の人からいただいてきました。それを次の世代に伝えていきます。これが文化の継承です。良き文化を伝えていくことが私たちの責務ではないかと思います。
2400年前のすばらしい哲学者、倫理学者であり、またサイエンティストであったアリストテレスが言った「人生は多かれ少なかれ、自動的に繰り返される行動の連続であり、人生はいわば習慣である」というこの言葉のなかにこそ、普遍のプリンシプル(原理)があり、私たちはそれを現代医学や行動科学のなかに据える必要があるということです。
良くないものは外に出さないというように管理(コントロール)すれば、良い習慣だけが広がっていくことになります。それは本当の世界の平和の実現にまでつながっていくことではないでしょうか。
失われたといわれるよい家庭を取り戻すために、75歳以上の健常な高齢者に立ち上がってほしいということを、私は伝えたいのです。
良い習慣を伝達するということが、文化を継承するということです。私たちは良い習慣を過去の人からいただいてきました。それを次の世代に伝えていきます。これが文化の継承です。良き文化を伝えていくことが私たちの責務ではないかと思います。
2400年前のすばらしい哲学者、倫理学者であり、またサイエンティストであったアリストテレスが言った「人生は多かれ少なかれ、自動的に繰り返される行動の連続であり、人生はいわば習慣である」というこの言葉のなかにこそ、普遍のプリンシプル(原理)があり、私たちはそれを現代医学や行動科学のなかに据える必要があるということです。
(2008年6月16日)
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5F
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