第27回 患者中心の病気の予防と医療(5)
習慣を変えるためには
一般の人々が習慣を変容するというのはなかなか難しいものです。一日に100本タバコを吸う人が明日からいきなりゼロにするという方法を仮に「Aタイプ」とします。
それからいったん100本を50本にして、一か月後にゼロにするというツーステップメソッドが「Bタイプ」。
そして、毎日一本ずつ減らしてゼロに到達するという方法を「Cタイプ」とします。
このように、その人の行動の状況を分析し、行動科学的に診断をすることによって、最も効率のいい変容方法は何であるかを、その人に教えるのです。そういうやり方で生活を変容します。
まだ異常値が出ていない、γ−GTPがあまり悪くなっていないときに、アルコール摂取を減らすことによって、肝臓が悪くならないようにすることはサブクリニカル(病院を受診するほどではない)な処置といえましょう。臨床症状が出てからでなしに、あるいは異常値が出てからでなしに、その前にこのような手を打つためには、当人にモチベーションを与えて、そして当人がやる気になるほかにはどうしようもないわけです。
人間の病気には3つのタイプがあります。
一つは先天性の病気で、原因は遺伝子にあります。これは生まれてからではどうしようもないものですが、これからは遺伝子組み換えで治療に望みがあるでしょう。第二は環境によってつくられる病気で、公害のある街に住むとか、あるいは上下水道の整備がなされないというような環境によってつくられる病気です。
しかし、病気全体の三分の二は、三つ目のタイプの自分がつくる自分の病気が占めています。
それからいったん100本を50本にして、一か月後にゼロにするというツーステップメソッドが「Bタイプ」。
そして、毎日一本ずつ減らしてゼロに到達するという方法を「Cタイプ」とします。
このように、その人の行動の状況を分析し、行動科学的に診断をすることによって、最も効率のいい変容方法は何であるかを、その人に教えるのです。そういうやり方で生活を変容します。
まだ異常値が出ていない、γ−GTPがあまり悪くなっていないときに、アルコール摂取を減らすことによって、肝臓が悪くならないようにすることはサブクリニカル(病院を受診するほどではない)な処置といえましょう。臨床症状が出てからでなしに、あるいは異常値が出てからでなしに、その前にこのような手を打つためには、当人にモチベーションを与えて、そして当人がやる気になるほかにはどうしようもないわけです。
人間の病気には3つのタイプがあります。
一つは先天性の病気で、原因は遺伝子にあります。これは生まれてからではどうしようもないものですが、これからは遺伝子組み換えで治療に望みがあるでしょう。第二は環境によってつくられる病気で、公害のある街に住むとか、あるいは上下水道の整備がなされないというような環境によってつくられる病気です。
しかし、病気全体の三分の二は、三つ目のタイプの自分がつくる自分の病気が占めています。
危険因子を除去する
こういうことを考えると、人間ドックは当人が参与しなくてはならないのです。人間ドックではライフスタイルをチェックすることが必要となります。検査した値以上にライフスタイルをチェックして、どう正しく食べるか、どう正しく働くか、どう正しく運動し、休養するか、どう上手にストレスをかわすか、タバコ、アルコールのような嗜好習慣をどう変えるかというようなことを、本人に選択させなくてはならないわけです。
ですから、危険因子を除去するためには、ポジティブな生き方の選択を患者がしなくてはなりません。
何をどう食べるか、どのような環境に自分の身を置くか、どのような運動や休養をとるか、ストレスにどう対応するか、どのような人と交わるか。
どのような人と交わるかというのは、出会いによって人間というのは全く一変するということがあるからです。ある人との出会い、その出会いを獲得するのは当人で、偶然ではないのです。そういう意味において、どのような人と交わるかというのは、私たちのこころの健やかさを得るためには決して軽視してはならないわけです。
「過労死」という言葉があります。過労死は時間だけが問題になっていますが、そうではないのです。強いられた行動をやっている、繰り返す単調な行動をやっている、あるいは任された責任に耐える。こういうことを無理矢理にさせているストレスがディストレス(悪いストレス)であるのに対して、自発的な行動とか変化のある行動、選び取る責任、これらからはよいストレスから生まれます。前にも述べましたが、M・セリエ博士がストレスセオリーを考え、「ディストレス」という言葉をつくりました。
つまり、過労であっても、いいストレスの場合は、それはリラクゼーションになるということで、同じような現象でも、それに立ち向かう態度によって、エネルギーの消費は全く違います。こういうことを私は考えているわけです。
ですから、危険因子を除去するためには、ポジティブな生き方の選択を患者がしなくてはなりません。
何をどう食べるか、どのような環境に自分の身を置くか、どのような運動や休養をとるか、ストレスにどう対応するか、どのような人と交わるか。
どのような人と交わるかというのは、出会いによって人間というのは全く一変するということがあるからです。ある人との出会い、その出会いを獲得するのは当人で、偶然ではないのです。そういう意味において、どのような人と交わるかというのは、私たちのこころの健やかさを得るためには決して軽視してはならないわけです。
「過労死」という言葉があります。過労死は時間だけが問題になっていますが、そうではないのです。強いられた行動をやっている、繰り返す単調な行動をやっている、あるいは任された責任に耐える。こういうことを無理矢理にさせているストレスがディストレス(悪いストレス)であるのに対して、自発的な行動とか変化のある行動、選び取る責任、これらからはよいストレスから生まれます。前にも述べましたが、M・セリエ博士がストレスセオリーを考え、「ディストレス」という言葉をつくりました。
つまり、過労であっても、いいストレスの場合は、それはリラクゼーションになるということで、同じような現象でも、それに立ち向かう態度によって、エネルギーの消費は全く違います。こういうことを私は考えているわけです。
(2008年5月2日)
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