第26回 患者中心の病気の予防と医療(4)
予知医学への方向
米国では今から43年前、1965年に、ドクター・ルイス・ロビンという人が、「予知医学」、危険を予知してアドバイスをするという新しいプロスペクティブ・メディシン(prospective medicine)を始めました。
米国では既に42年前から人間ドックの健診がこういう方向に変わってきているのですが、日本はそれを学ばずに、ただ検査の項目を多くする、そして、基準値でなくて平均値で判定するというような誤ったことを今日までやってきたわけです。
予知医学というのは、危険因子を予測するということです。では、どうして危険度を測るかということですが、それはどのようにして発症の危険量を予測化するかという学問的な研究が関わっています。
米国では既に42年前から人間ドックの健診がこういう方向に変わってきているのですが、日本はそれを学ばずに、ただ検査の項目を多くする、そして、基準値でなくて平均値で判定するというような誤ったことを今日までやってきたわけです。
予知医学というのは、危険因子を予測するということです。では、どうして危険度を測るかということですが、それはどのようにして発症の危険量を予測化するかという学問的な研究が関わっています。
健康をビジュアルに示す
これまでの健診は、目的が早期発見ですから、それにはなるべくたくさんの検査を、なるべく大勢の人を対象にやろうということでしたから、質的には非常に違った方向にいってしまったわけです。
予知医学には、健康予測度を評価する指標に4つの項目があります。
まず第一は、現在もっている危険因子(リスクファクター)での主要疾患と全死因の今後10年後の死亡確率をある疫学的な手法で出すということ。
第二は、リスクファクターの改善によって到達可能な死亡確率を調べて数量化すること。
第三には、健康年齢として、「あなたは実際は65歳だけど、実力においては55歳だ」というような評価をしてあげること。
そして最後には、リスクファクターの改善によって到達可能な健康年齢、「あなたの正味の年齢はこうだ」ということを説明して、そして激励してあげること。あるいは、逆のことでもいい、「45歳だけど、あなたは65歳くらいのデータになっていますよ」というようなことを告げることによって、患者を動機づけるというようなことをしなくてはなりません。
実際にライフ・プランニング・センターでは聖マリアンナ医科大学予防医学教授と共に予知医学の研究に携わってきました。
図は吉田先生の書かれた私たちのデータですが、健診の結果、危険因子はどのようにして予測されるかを示しています。今の時点で、健診成績では、ある程度問題はあるけれども、もし禁煙すれば、あるいは体重を減らせば、節酒をすれば、運動をすれば、先回よりも数値がよくなるということを、ビジュアルに説明できます。
あるいはまた、どこかに異常があった場合には、今のままだとこの病気の発症率はこの程度であるが、禁煙すると何%、節酒すると何%、禁煙と節酒すると発症率がこうなるというように病気の発症率が違ってくるということを見せることによって、ドックの健診へのモチベーションを促すことができます。
このようなことが必要であるということを、私たちはもう数年前から考えて、そのいろいろなシステムづくりを今日までやってきたわけです。
予知医学には、健康予測度を評価する指標に4つの項目があります。
まず第一は、現在もっている危険因子(リスクファクター)での主要疾患と全死因の今後10年後の死亡確率をある疫学的な手法で出すということ。
第二は、リスクファクターの改善によって到達可能な死亡確率を調べて数量化すること。
第三には、健康年齢として、「あなたは実際は65歳だけど、実力においては55歳だ」というような評価をしてあげること。
そして最後には、リスクファクターの改善によって到達可能な健康年齢、「あなたの正味の年齢はこうだ」ということを説明して、そして激励してあげること。あるいは、逆のことでもいい、「45歳だけど、あなたは65歳くらいのデータになっていますよ」というようなことを告げることによって、患者を動機づけるというようなことをしなくてはなりません。
実際にライフ・プランニング・センターでは聖マリアンナ医科大学予防医学教授と共に予知医学の研究に携わってきました。
図は吉田先生の書かれた私たちのデータですが、健診の結果、危険因子はどのようにして予測されるかを示しています。今の時点で、健診成績では、ある程度問題はあるけれども、もし禁煙すれば、あるいは体重を減らせば、節酒をすれば、運動をすれば、先回よりも数値がよくなるということを、ビジュアルに説明できます。
あるいはまた、どこかに異常があった場合には、今のままだとこの病気の発症率はこの程度であるが、禁煙すると何%、節酒すると何%、禁煙と節酒すると発症率がこうなるというように病気の発症率が違ってくるということを見せることによって、ドックの健診へのモチベーションを促すことができます。
このようなことが必要であるということを、私たちはもう数年前から考えて、そのいろいろなシステムづくりを今日までやってきたわけです。
(2008年4月21日)
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
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