第25回 患者中心の病気の予防と医療(3)
身体データをロングランで見てみると
さて、いまから50年前に広島大学とハワイの大学と共同でハワイの心筋梗塞による死亡数を調査しました。白人の男女と日系人の男女とを比べたところが、1952年から1970年までの約20年間に、白人も日系人も、人種は違うのに死亡数はほぼ同じ数値のところに集まりました。ということは、病気というのは、人種の違いによって決められるのではなく、環境が大きく影響するということです。
私は人間ドックで、ある人を半世紀にわたって継続してみてきました。
この人は大正生まれですから、もう80歳を超えているのですが、非常に几帳面な人で17歳のときからの体重を全部記録しています。軍隊に行ったときには激しい訓練のため、毎日食事を3000kcal摂取しているのに痩せています。そして戦後の配給生活を経て、高度成長になったら会社の仕事も忙しくなり、その上毎日のように宴会つづきだったので90kgをオーバーしました。運動によって少し痩せましたが、禁煙したためにまた体重が増えています。そして、25年前に人間ドックに入って肥満が指摘されたのを契機に、66kgを目標に体重を落としています。
私は人間ドックで、ある人を半世紀にわたって継続してみてきました。
この人は大正生まれですから、もう80歳を超えているのですが、非常に几帳面な人で17歳のときからの体重を全部記録しています。軍隊に行ったときには激しい訓練のため、毎日食事を3000kcal摂取しているのに痩せています。そして戦後の配給生活を経て、高度成長になったら会社の仕事も忙しくなり、その上毎日のように宴会つづきだったので90kgをオーバーしました。運動によって少し痩せましたが、禁煙したためにまた体重が増えています。そして、25年前に人間ドックに入って肥満が指摘されたのを契機に、66kgを目標に体重を落としています。
生活が健康をつくる
このようなロングランでみますと、この人は戦争で軍隊に入ったということ、あるいはゴルフをしたとか、禁煙をしたとか、あるいは人間ドックのあと「上手にやせる会」に入って減量に努めたとか、そういうことによって運命が変わってきているのではないでしょうか。
こういうことを考えると、その人の生活のしかたが健康をつくっているということがよく分かります。
生活のなかには危険因子がたくさんあります。高コレステロールの食事をとり、タバコを吸い、それから高血圧だということになりますと、このような因子のない人に比べると、心臓病にかかる確率は非常に高くなります。
このような危険因子を早目に当人に提示して、コレステロールの多い食事をとらないようにするとか、禁煙する、あるいは塩分を少ない食事にして高血圧をコントロールするというような、健康対策への作戦を一緒に考えるような人間ドックにしていかなければならないと思います。
こういうことを考えると、その人の生活のしかたが健康をつくっているということがよく分かります。
生活のなかには危険因子がたくさんあります。高コレステロールの食事をとり、タバコを吸い、それから高血圧だということになりますと、このような因子のない人に比べると、心臓病にかかる確率は非常に高くなります。
このような危険因子を早目に当人に提示して、コレステロールの多い食事をとらないようにするとか、禁煙する、あるいは塩分を少ない食事にして高血圧をコントロールするというような、健康対策への作戦を一緒に考えるような人間ドックにしていかなければならないと思います。
(2008年4月7日)
- 「新老人の会」に関するお問い合わせ先
-
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/index.htm